1.2.2 転生者A
説明を要約すると、これから行くのは前の人生を過ごした世界とは別の世界。
この女神が管理する世界だ。
そこに転生するらしい。
それは女神が管理する世界へのてこ入れらしい。
あちらの世界から人を運び込み自分たちの世界を良くすることが目的らしい。
最初の頃は転移者を送り込んでいたそうだ。
異世界へ魂だけを移動させ適合する人物に人として新しく生まれさせるのは大変らしい。
肉体を持ったまま転移させる方が楽なのだとか。
転移は元の世界の体に加護を与えるだけで、もちろん容姿も記憶もそのままで移動するらしい。
年齢も変わらないそうだ。
だが、これから行く世界は身分が重要視される世界らしく、転移者は身分が平民となる。
昔は、平民でも力があれば貴族に引き上げられたが、今の世界は政治が安定し身分がはっきりと分かれている。
転移者では生きていくうえでかなり不利になったそうだ。
だが今は過去に転移した人の血筋がいるので、そこへ転生させることができるようになり、今は魂だけを移動させた転生に変えたそうだ。
この100年は転移者を送り込んでいないとのことだった。
私も転生者として新たな人生を歩むということだった。
そしてより長い生を歩めるケースにそって、死ぬ直前の記憶と前世の知識を持って生まれ変わる。
ただし前世の親兄弟、自分の名前などは忘れてしまうらしい。いわゆる記憶喪失のパターンだ。
これは元の世界に戻りたい気持ちをなくすため。
ただ死ぬ直前の記憶を消さないのは、その記憶を基に次の人生で同じ過ちを犯さないよう前向きに人生を楽しむ傾向があるからだと言っている。
「どうしますか? 異世界に行きますか?」




