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5.6.6 シドニアの学園見学

 最後に、すべての学年の領主候補性が集まったお茶会を開くらしくその会場へと移動する。

 今日もイシスとガルダは妖精体で人には見えない状態で僕の近くをふわふわしている。

『イシス、ガルダ。サフィーナ様は君達の存在を感じていたみたいだからお茶会の間はおとなしくしていて欲しいだのだけど』


 念話でそう話しかけると、イシスは許可も得ずにサフィーナ様の肩に止まり、ガルダは頭の上に乗った。いたずらしないようにと言ったのに。

 サフィーナ様は重さを感じるわけではないが、イシス達が触れた瞬間に違和感があったのか、少し肩と頭を触った。

 だが勘違いだと思ったのか公爵令嬢らしく姿勢を戻す。

 そのまま動かないならよいか。


 このお茶会ではスザンヌやマリアテレーズと席が別々になった。一つのテーブルにラルクバッハの男性陣は、一人で座るようになっているようだ。女性側はマリアテレーズとルシアナ様が一緒に、クリシュナ様はスザンヌと。そしてエレノアはサフィーナ様と一緒に参加するようだ。彼女たちまで一人で対応は無理だろうと言う配慮だ。年上の女性と一緒なので心配しなくても良いだろう。


 お茶会にはトルステン様が一緒に参加していた。ただし、ラルクバッハの第1王子のルカディリック王子の隣だ。ちゃんと大人しく座っている。反対側にはゴツイ体型の男性が一人。トルステン様を抑える係りなのだろうか。


 僕の席は3年生は男女一人ずつ、2年生は男性が一人。そして1年生から女子が2人の合計5人が座っていた。

 自己紹介を受けたら、領主候補の侯爵家だけでなく推薦を受けている伯爵家もいることがわかった。

 領主候補のクラスは、1学年が20名前後になるように調整されてるそうだ。

 自己紹介が終わったころに侍女がお茶を運んできた。


 僕の眼はその侍女に目が止まった。

 さっき精霊の光が集まっていた子だ。今もいくつかの光が見える。さっきよりも光が多い。イシスとガルダがいるからだろうか。


 その子と眼があった。

 だが、その子はすっと目をそらしお茶の準備を再開する。そしてお茶を席にならべた後で3年生の女性の後ろに立った。

 その3年生の女子はこの場を仕切る侯爵令嬢のグランフェスタ様だ。


 ふと、その子の目がこのテーブルではない方で止まっているのがわかった。驚いた顔で違う方向を見ているのだ。その子の向いた方向を見ると、サフィーナ様だ。もしかしてイシスとガルダが見えているのか?

『イシス、ガルダ。こっちに来て』

『どうした』

『僕の前にいる緑の髪の女の子。その子の前に行って。もしかして見えているかもしれない』

『わかったのじゃ』

 もちろん返事はイシスだけ。ガルダはこういうときでも話しかけてくることは無い。だが行動はイシスよりも早い。

 ガルダはイシスのふわふわと言う進みでは無く一瞬で飛んできた。そしてエリンの周りをまわる。

『おお、この子は、面白い子なのじゃ。どうやらほんとに見えておるぞ』

 女の子は周りを飛ぶガルダを目で追いかける。そしてイシスが女の子胸の前で浮いて停止すると、女の子は手を伸ばして触った。

 姿を消したイシスやガルダが見えるのは僕以外にはいないはず。それが見える。そしてどうやら触ることまでできているようだ。

 その子を鑑定で確認してみる。

 年齢は3年生。男爵位を持つ女の子で、名前はエリン。

 詳細部分を見ると奇妙な称号と加護がある。その初めて見る称号は、『精霊に愛されし者』と書かれていた。さらに第一王妃エミリア様と同じくアロノニア様からの加護を得ている。



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