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5.4.3 シドニアへ

 シドニアの王都までは町から町へジグザグに移動している。シドニア王国はラルクバッハ王国よりも町と町が近い。もしかしたら人の密集度は多いかもしれない。そう思っていたが実情は違った。

 ラルクバッハ王国と異なり転移門が設置されていない。だからラルクバッハよりも物流の流が多く、馬車の依存度が上がっている。

 だからこそ、流通をしっかりとやるために町と町の間隔を短くしているそうだ。

 そんな事情があるとは知らなかった。逆に言えば、転移門があるから一般市民レベルではラルクバッハの方が不便なのではないだろうか?

 と言う疑問が合ったが、クロスロードで始めたアイテムボックスによる影響はねらった通りシドニア王国にも影響があった。ラルクバッハとの流通量がかなりあがり経済が活発化しているようだ。

 隣国でこうなら、自国に与える影響も大きそうだ。

 これによってまた社会が少し変化していくのかもしれない。


 そんな感想を抱きながら長旅が続く。

 ラルクバッハの部隊は、行く先々で歓迎を受ける。隣国の国王に自国の元王女。その人が生んだ、第1王子、第3王子。歓迎されないわけがない。

 ちなみに、同母ではない第1王女と第2王女の人気も高い。

 第1王女は銀髪のそこらでは見られない超絶美少女。

 そして、第2王女は黒髪ではあるが聖女だ。

 そうして、ようやくシドニアの王都が見えてきた。当日はパレードの状態で王都に入る事になっている。陛下と王妃、それに王子二人は屋根が無いが普通よりも高い位置に座る場所がある馬車。どちらかと言えば屋根に椅子を付けたような物だ。それに乗って皆に姿を見せるそうだ。

 そして、僕はマリアテレーズと共にコハクが幻獣となった姿にまたがる。

 タロウには、エイミーと第1王女のスザンヌが乗ることになっている。2人ともドレス姿で陛下達と一緒に居れば良いのにと言ったが、シドニアに関連の強い二人の王子が居れば十分だと別々に別れる事になった。

 なので、二人とも騎獣服。いやスザンヌ様はエイミーと同じように皮の鎧を着ている。完全に女戦士。

 色はエイミーの白に合わせてあるが、太郎が黒なので白い鎧で二人乗りは目立つだろう。


 実は、第3王子を目立たせたいと言う要望があったのだ。第1王子ではない理由は第1王子がラルクバッハの王太子に内定しているからだ。陛下はやはり第3王子をシドニアに送るつもりらしい。それを本人が納得しているのかは聞いていないので知らないが。僕がそこに関与する権利は無いのであまり興味は無いのだが、シドニアに行くことになってエレノアを嫁にと言うとちょっと悩むところだ。妹として育った彼女が隣国に行くのは寂しい気もする。そう言っても会いたければ転移で行けるのだが。


 陛下は第3王子をシドニアの国民にアピールしたいと、馬ではなく太郎に乗せたかったみたいだ。だが、太郎は男嫌いだ。僕以外の男を乗せたことが無い。女性もエイミーとティアマト以外は乗せていない。僕と一緒にエレノアが乗ったことがあるぐらいだろう。

 そして、コハクは僕以外を乗せない。もちろんティアマトも。

 ガルダもイシスも僕が言えば誰でも乗せるので、そちらに第3王子を乗せることにした。

 そして、最初にガルダに乗せてみたが空はとても怖かったらしい。

「死ぬ。だめだって。そもそも早すぎてパレードにならないじゃないか」

 次にイシス。イシスは地に着いているからダイジョブだろう。両者を比べれはイシスの頭の上は低いのだ。

「ジルベールのように落ちても空で止まれる魔法が使えるなら良いのだろうが、あの高さから落ちたら身体強化を使っても間違いなく死ぬ。あんな不安定なところ無理」

「そうかな骨折ぐらいだと思うけど…… 落ちたら治療魔法で治しますよ」

「治したって、痛いじゃないか、ものすごく。無理、無理」

「うーん、最初にガルダに乗せて、次にイシスなら大丈夫だと思ったけど。エイミーでも大丈夫だったんだけど」

「あれと比べるな。一見、ただの美女にしか見えないが、剣王だぞ。それに、クロスロードで修業をするまではそこまでと思っていなかったが、鬼教官のトシアキも尋常じゃない。剣王並みの強さじゃないか。あのものたちと10歳の僕を比べるな」

 フィリップ王子、ストレスが溜まってます。僕のせいじゃないと思うのだけど。



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