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4.16.7 フィンレワードにて

 船の動力については、魔法陣を写し取ったので終わった。その後は昨日の調査で言われていた個所を見て回った。複数個所に魔法陣が刻まれ、いろいろな仕掛けがされているようだが、船を揺れないようにするための物か室温の制御用だった。

 領主館に戻るとレイブリングさんが来ていて驚いた。

「あれ、とうさま。どうして?」

「ジルベール。怪我は無いと聞いているが大丈夫か?」

「はい、特には。アメリ母様に心配をかけたのでしょうか」

「ああ、リリアーナ様は大丈夫とおっしゃったが、アメリは心配しているよ。

だが、彼女は少し動けなくてな。私が来た」

「動けない? クロスロードでなにかあったのですか?」

「いや、そうではない。ジルベールが戻ったタイミングがちょうど良かったのだが。まだ安定して無いのだ。ジルベールも全く気が付いてなかっただろう。そういう時期なのだ今は」

「ああ、弟か妹ができたかも。ということですか。そう言われてみると体調の悪い日がありましたね」

「そうだ。まだ安定していない時期だからな。本人が言うまでは知らないふりをしておいてくれ。もしダメになった時に余計に落ち込むからな」

「はい」

 赤ちゃんができたのか。それは良い事だ。


 その日の夜は、フィンレワードの領主館で夕食会が行われた。

 転移門を使ってこちらに来たのはレイブリングさんだけでは無かった。皆の家族も来ていたのだ。

 少し遅めの時間に夕食会が始まった。

「侯爵家の子供たちが誘拐される事件が起きてしまったが、その日のうちに解決したのは幸いだった。ここにいるジルベール君の活躍で皆が無事に戻ってこれた。

改めて礼を言いたい」

 フィンレワード侯爵の主催で彼が初めにしゃべり始めた。そして次に身分の一番高いカルスディーナ公爵にマイクを渡した。

 そうマイクだ。どうやらあれも魔道具らしい。クロスロードの領主館では見たことが無い魔道具だ。隣にいるクレイマー・メルセデス伯爵が教えてくれた。

 王城の食堂や講堂で使われる物は手に持たなくても良いように場所を指定したタイプでその場に居ると作用するように作られているらしい。

 対してこちらは手に持って使うタイプの魔道具だ。音を出すスピーカーも小型の箱が置かれている。意外にも音関係の魔道具は種類も多いそうだ。声を大きくする以外にも、音を外に漏らさないタイプもあるらしい。クレイマー様を便利な解説人だとおもってしまうのはダメだろうか。

 各家からお礼を言われレイブリングさんと一緒に挨拶回りをした。他の家は当主かその夫人しか来ていないが、フィンレワードの領主館なので、当然だが家に居る者は参加している。フィンレワードの領主は最初第2夫人と一緒に居たが、今は第2夫人はカーリンサンチェと一緒に回っているようだ。今旦那の隣に居るのは第3夫人のようだ。第1夫人は王都で長男のサミュエルと弟のエドワード共に王都に居る。もちろんサミュエルの監視のためだ。

 こちらに来つつある第3夫人は1歳を少し過ぎた幼児を抱いていた。


 二人は最初にカルスディーナ公爵に顔を見せに行っていた。カルスディーナ公爵は、赤ちゃんの右眼を見た後、額を触って何か言っていた。そして次に僕たちの所に連れてきてくれた。

「マリアテレーズ様、クロスロードの方々。この子はアーレントール。右眼が金眼の男子なのです。祝福して頂けますか」


 祝福って何?


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