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1.11.1 アメリ・フィロ・アインスロット

 父カインはアメリが学園を卒業した直後に流行病で突然亡くなり、喪が明け次第、嫡男であるアナベルが侯爵家を継ぐことになった。



 悲しみの中ではあるが、爵位を継ぐアナベルには子供が必要である。

 だが自分には子供ができないから、アナベルに妾を取って子をなすように進言した。

 だがアナベルからの良い返事を聞き出せなかった。


 アナベルは嫡男だったので彼の学生時代に面倒を見た専属侍女がいたはずだ。

 専属侍女はアナベルの学生時代をよく知る人だ。

 アナベルが侯爵家嫡男になってから貴族学園の1年とその後の2年を知る人だ。


 彼女はアナベルが私と結婚する時に専属侍女を辞めていた。

 ダメもとでその彼女に相談に行った。


 だが学生の時に私が講義をしに行った時から私に惚れていたらしく、私以外に好きになった女性はいないと聞かされ探すあてが無くなった。


 そして当のアナベルの抵抗も激しい。


 しかし私がしつこく言い続けた結果、アメリならば抱けると言ってきた。


 そしてこの時アメリは17歳になったばかり。

 この国では16歳以上で結婚ができる。


 私は驚いた。


 我が子同然に育ててきたアメリを妾にするなど到底許容できる話ではなかった。


 しかし、アナベルから私以外は愛せない。

 だがアメリは私に似ているから愛せるかも知れないと。


 悩んだが、まずはアメリの気持ちが一番大切だ。


 アメリと一緒に住んだこの十年でアナベルとの仲は良い。

 だがそれは親子のような関係だ。


 それでも少なくともアナベルには男性恐怖症で動けないことはなく、その点については問題なさそうだった。


 資質の面からも確かにアメリは最上の相手だ。

 私は学力S,身体能力B,魔力B、属性Cと学力以外は平凡な能力だった。

 対してアメリは学力S,身体能力B,魔力A、属性Cと私よりも資質が高い。

 魔力値が私よりも高いのは母親の影響だろう。


 近隣でアメリ以上の資質を持つ人はいない。


 ちなみにアナベルは学力A,身体能力S,魔力A、属性Aとさすがに金眼の子供だけあり全項目の資質が高い。


 この資質は学園での卒業時に測定する。

 卒業後に能力が開花する人もいるので単なる目安ではあるが、貴族の間での見合いのプロフィールとして使われる。


 アメリにアナベルとの件を話すとクロスロード家の跡取りは必要だし、お世話になった家に恩返しができるなら協力する。

 アナベルとなら大丈夫だと言ってくれた。


 お願いとして私と離れたくないから、これからもそばにいてほしいと頼まれた。


 なんて母思いの子だろう。

 私はそのいじらしさに感動した。


 子ができたら正式に養子に迎える。

 そう約束しアメリにがんばってもらった。

 その結果、たったの1回で妊娠した。


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