表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
346/536

4.15.2 海賊船との攻防戦

 船からの攻撃は、弓ではなく魔法での攻撃だった。この船にこんなに魔法が使える人がいるとは予想もしていなかった。何も考えずに船に降りたらやばかったかもしれない。

 皆が、イシスの方を向いているので、作戦を続行する。

 ティアマトの背から飛び降りて、ガルダの背に瞬転で移動する。そしてトシアキとエイミーを掴んで重量魔法で浮かぶ。ゆっくりと船の上に降りる。ガルダは、そのまま上空に待機してもらう。

「エイミーは船の中に入って制圧してくれ。僕とトシアキは船の上の人を捕まえる。

想定よりも魔法使いが多いけど、剣を手に持っていないのは幸いだね。端からどんどん捕まえよう」

 すぐさま行動する。

 僕らは、イシスに注目している海賊たちを後ろから一人ずつ捕まえてロープで拘束していく。前を見ているはずだが、半分も捕まえないうちに気付かれた。けれども、近接戦の用意をしている人は少なく、特に問題も無く全員を捕縛できた。


 甲板の上で捕まえた海賊は50名近い。

 巨大船なので、それなりに人数が居た。まあ一つの船に50人も魔法を使える者がいるとは思わなかった。魔法を使えるのは貴族または貴族に準じる者達だ。そう言う人達が船乗りを、いや海賊をやっているとは予想もしていなかった。


 僕らが捕縛を終えると、エイミーが捕まっていた人を甲板に連れてきた。連れ去られた子供達と侍女も無事のようだ。全員そろっているようでホッとした。


「ジルベール様、ありがとう。絶対に、助けてくれると信じていたわ」

「嘘だよ、嘘。ジルちゃん。その子は、私が助けに行った時にもう誰も助けに来ないって泣いていたのよ」

「そ、それは、相手を油断させるための芝居です」

「ははは、捕まっても声を出して相手を油断させるなんてイザベラ様らしいですね。まあなんにしろ、無事で良かった」

「ええ、思ったよりも助けが早くて驚いたわ。えっとありがとう」

 ツンの後にデレるのは、特に右眼が金眼のカルスディーナ系の女性に共通なのだろうか。このお嬢様の性格もスザンヌと似ている気がする。

『終わったか』

『はい、終わりました』

 上空を回っていたティアマトが、船の前でホバリング状態で飛んでいる。

「もしかして、このホワイトドラゴンがティアマト様ですか」

「ああ、そうだよ」

「はぁー、美しいわ」

 そう答えた直後だった。僕らの上に水しぶきがどばーと。

『我の方が美しいのじゃ。そなたを助ける助力も我の方が多かったじゃ。あれだけ攻撃を受けて我慢してやったのに何たることじゃ。まずは我に一言いうのが筋じゃ』

「イシス、僕は何も言ってないのに、ひどい」

「そうだよ、イシスちゃん。僕だって働いたのにひどいや」

『あー、そうじゃった。すまんのじゃ。つい』

「あ、あのすいません。あの、イシス様の美しさは神々しくて表現できないほどです。

助けていただいてありがとうございました」

 カーリンサンチェがすぐに答えてきた。

「そ、そうよ。あのお礼といろいろ後になったけど。

えっとイシス様ありがとうございます。ティアマト様もありがとうございます」

「ジルベール様含めて、助けてもらって感謝しています。ブエックション」

「あ、あと上空にガルダもいるから、後でお礼を忘れずにね。火を吹かれると髪の毛燃えちゃうよ」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
星★ よろしくお願いします。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ