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4.14.6 王都からの帰還

 その後、王都から借りていた護衛が帰り僕らは予定人数で先へと進む。人数が減った分実は進みは早くなる。と言っても、冬の旅は進みが遅い。

 夏に1日で進む距離を二日かけて進むのが冬の旅だ。日照時間も少ないし雪が少ない道を通っていると言っても、完全に無いわけではないのだ。

 整備された道といっても馬車での移動は時間がかかる。そして僕らのような子供が冬に野営をするのはとても危険だ。


 そんな旅は、途中盗賊に襲われることもなく、予定日数できっちりとバティアワードの領都についた。ここの領都は王都の隣にあるだけありとても大きい。


 この領地は、メリルディーナ公爵領とほぼ同じぐらいの人口だ。領地の広さは中領地。小さいが税収はカルスディーナ公爵領で最も多い。海もあり、港も整備され交易品も多い。クロスロードは確実に農業領地。それに対しては、税収の殆どが商業による収入なのだ。

 この日は領都の宿屋に入らず全員がバティアワード侯爵家に向かった。そのため、到着したのは夜遅く、暗くなっていた。

 建物の外側に明かりが付いていたので建物の形もおおよそ解る。

 バティアワード侯爵家の領主館はブルンスワード侯爵家のように城ではない。王都にあるメリルディーナ公爵家と同じような感じの洋館だ。

 領主館に武官達の設備だけでなく、商業ギルドも入っているらしく、いくつかの建物が連なっていて、とても大きい。


 到着した時間が遅く、食堂で皆が集まるような時間はなかったので、その日は軽食を個別に部屋で食べ、すぐに眠った。


 朝、いつもの時間に目覚め支度をして呼ばれた食堂へと行く。

 今日はここで休憩し、明日の昼に出発する予定だ。馬車で揺られ続けていたので中休みがあって助かる。

 食事を食べてからいつもの訓練をする予定だったが、アイヴィー、モーゼスの二人も参加するらしい。執事に案内されて訓練場に向かう。

 明るい中で見えた建物は、中央棟が8階建て。周りは4階建ての建物がいくつか続いていた。そこを抜けると屋根がある訓練場があった。

 訓練場に到着したら、ズボン姿のイザベラ様もいたので驚いた。さすが右眼が金眼。スザンヌ様同様に活動的だ。


 早速訓練を開始する。

 いつものように基礎の型を繰り返す。ひたすら繰り返す。30分ほど型の練習を繰り返して休憩にはいる。

 3人は、息切れしている。

「ジルベール君はもっと派手な練習をしているかと思ったけど、割と地味な訓練なんだね」

「どうして」

「ジルベール君は強いのだろう。もっと動きの速いすごい訓練をしているかと思った」

「そうですか。剣は基礎に始まり、基礎に終わるとトシアキが言っていたしこれはブルンスワード領でも行われている訓練だと思いますよ」

「トシアキ?

剣王のエイミー様ではなく」

「僕の剣の師匠はトシアキだよ。

エイミーやティアマトは訓練の相手になってくれるけど、剣を教えてくれたのはトシアキだよ。まあ、エイミーからも教わったけど、大半言ってる意味が解らないよ。

彼女は感覚派だからね」


「ふーん。でも剣王と剣を合わせられるだけでもすごいよね。そうやって上の戦いを続けているから強いのだろ」

「伸びた理由にはなってると思う。でもエイミーやティアマトとも訓練をするようになったのは1年ぐらい前からかな。トシアキは5歳の時からの付き合いだよ。

だから僕の剣術はトシアキ仕込みと言っても良いと思うよ」


「昔からいる部下を尊重するジルベール君は偉いなあ」



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