4.13.1 平和な王都の日々
正月行事が終わると、社交が始まると言われていたが、スケジュールを見るとそれほど大変では無かった。学園に行く人は学園が始まり、他の子供たちは冬の館による子供教室が始まるからだ。
土地持ちの侯爵家や文官、武官の侯爵家、他にも王都に住む伯爵家は冬以外にも家庭教師を付けて勉強している、逆にこの時期は先生が冬の館に行くので自分たちに余裕が出る。
クロスロードのような田舎領地での冬の館は領内の貴族を一斉に集めるが、それでも僕が行ったとき12歳の伯爵家令嬢は王都の冬の館に行っていた。もちろん領内に居ても良いのだが、大半がこの王都に集まり勉強をしているのだ。
初日は王都にいる侯爵家以上の同学年の子供が集まる。
全部で19名の子供が集まった。土地持ちの侯爵家以上は第3王子を入れて12名。残りの7名が文官、武官の侯爵家の子供ということだ。王子世代に合わせて子供を増やしているので例年よりも人数が多いらしい。
今日は、王城に用意された部屋で交流会が開催されるが、明日は、王都に居住を構える伯爵家と交流するために馬車で出かける。向かうのは、王都以外から集まっている子供達がいる冬の館だ。
伯爵家の集まる冬の館は12歳の子供が一番多く、つづいて11歳、10歳となる。伯爵家が使う冬の館は、国外から来ている高位役人や高級商会が使う公設の建物を使っている。
全ての部屋が使えるわけではないが、伯爵家の子供たちが集まるには十分に空きがある。彼ら国外の高官達は冬の間は最低限の人数を残して自国に戻る。だから、こういった使い方ができるそうだ。
子爵、男爵も同様に格にあった建物を使っているらしい。
こうして集まる社交は、内容的には勉強が中心だ。講演者が来て話をし、休憩時にお茶会、そしてダンスをしたり、ゲームをしたりして過ごす時間がとられている。
所詮子供時代の社交などそういったものだ。大人の社交とはずいぶんと違う。
今日は、友好国であるアルフォンス王国の大使だった人が外国の話をしてくれた。ラルクバッハ王国よりも少し南にあり、冬もほとんど雪が降らないと言う。
そのかわりに、夏が熱く暴風の吹くこともあり家の作り方が全く異なる。特に屋根の作り方が異なり強い風に飛ばされないようにしているようだ。
作物は2期作をするようで、台風の影響を最小限に抑えてる為にも収穫時期をずらすのは良いらしい。麦だけでなくいろいろな穀物を作る農業大国のようだ。
大半は本に書いてあることなので知っているが、近年の状況は本には書かれていない。最近の社会情勢については本と少し違いが出ているので興味惹かれる内容だった。
講義が終わるとお茶会となった。班分けされ交流した。