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4.10.6 大聖堂の奇跡

「そうしましょう。

ところで、スザンヌ様のようにこの世界の転生者と言う存在を確認できたので思い浮かんだ事があります」

「なにかしら」

「おそらくリリアーナ母様もこの世界の転生者では無いかと。

そう考えると母様の態度に納得感があるのです」

「どういう事?」

「僕は、割と小さいころから転生者として目覚めていたので大人びていました。ですがリリアーナ母様はそんな僕を特別な事と思っていない。逆にそういう事が当たり前のように育ててました」

「つまり、自分が転生者だから子供が転生者であっても異常とは思わず、転生者としての能力をさらに伸ばすように育てたと言う事ね」

「ええ、そうです」

「そう。じゃあ、わたくしの母、第2王妃もそうかも。前世の記憶が戻ったころの対応がとてもスムーズだったし、マリアテレーズの時も」

「ああ、そういえば。わたくしも記憶が混乱した時に対応してくれたのはお母様じゃなくて、エマーシェス様だったわ。だからだったのですね」

「この世界は割と転生者が多いのかもしれない」

「私の勘なのですが、その子。シュミットも転生者だと思うのです。たまに日本の歌をリズムを刻んで鼻歌で歌っていることがあるし。でも日本語で話しかけても反応が無いので記憶は戻っていないと思うのです」


「シュミット様はまだ幼いから、普通は覚醒してない年。マリアテレーズ様が記憶を思い出したのがついこの間でしょ。スザンヌ様はどうだったのですか」


「私はある日突然思い出したわけではないわ。一番古い時で5歳ぐらいだったのかしら。

大半は夢で前世の事を見るの。7歳ぐらいからは毎晩見るようになって、そのうち夢ではなくて前世なのだと気が付くの。そのあとは昔の知識も思い出せたわ。

だから完全に覚醒したのは8歳から9歳にかけてね。だから、覚醒はスムーズだったわ。

それまでの私と、成人した意識はゆっくりと統合された感じね。ジルベール様はどうだったのですか」

「僕は生まれた時から前世の記憶がありました。

ただ前世で成人した記憶があっても、精神年齢は現世の体に依存するのです。

だから、赤ちゃんの時は眠る時間が多かったし、こちらの言葉も解らなかった。ふつうに赤ちゃんとして生きてましたよ。その後も、割と子供の遊びを好んでいたし。3歳からはバーニィが来てくれたから魔法を研究する時だけ成人の意識が強くなる感じだったかな。

最近も10歳よりは精神年齢が高いと思うけど、やっぱり子供の意識の方が強い時があるかな」


「それは私もです。やっぱりこの年齢よりも少し上ぐらいで抑えられている感じ。

意識があっても、体や心は多少同期するみたい」

 スザンヌ様が答えてくれ、マリアテレーズも答えてくれる

「私もですね。まだお母様に甘えたい気持ちが強いです。でも先生の前に立つと昔のドキドキした気持ちを思い出すのです」


「マリアはジルベールにぞっこんなのね。私は、ジルベールを見てもそこまでは。まあかっこよいとは思うけど。記憶にあるシン様とはちょっと違う感じ」

「あ、そうなんですね。

僕は初めてスザンヌ様を見た時には思わず2度目のプロポーズしそうになってしまいました、マリアテレーズ様の件があったので自嘲しましたが、危なかったです」



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