4.5.7 王都到着
謁見の間での話が終わり、応接間に移動した。ファール様と陛下、それに第1王妃のエミリア様が一緒だ。最初に第1王妃のエミリア様に挨拶をして、許しが出てからソファーに座った。
エミリア様は、第2王妃、第3王妃とも違うタイプの美人だった。素晴らしい体形で二人の子供を産んだとは思えないほどのスタイル。そしてで若く見えた。第2王妃のエマーシェス様にも負けず劣らずの美人さんだ。
第1王妃は金髪で少し優しい感じの美女、第2王妃は銀髪のロシア系知的美女、第3王妃は黒髪でマリアテレーズ様の感じからすると日本人形タイプだろう。ただリリアーナ母様から聞いた体形は3人とも驚きの巨乳さんだったが。実際に見て第1王妃は聞いていたよりもずっとすごかった。
そんな不謹慎な感じでエミリア様をチラ見していたら、陛下から声がかかった。
「ジルベール。
今回の移動申請に領地間にある山脈に穴を開けてそこを通ると書いてあったが、それは本当なのか?」
「ええ、本当です。
全部で20㎞ほどでしょか。
穴を開けて通り抜けられるようにできました。
これで、クロスロードと王都の距離が縮まったのです。
陸の孤島と言われていた飛び地がつながったのですから、これからの発展に大きく寄与できると思っています。
ただ、冬は雪で通れませんけど」
「平然と言うな。
クロスロードとブルンスワードの間にある山脈にトンネルと通す工事は学園で課題として使われる不可能課題の一つだ。
我らもそこにトンネルを通す工事をする為の人工や期間、費用がどうなるのか計算した。莫大な人工に工期、費用だ。
それを一人で通したなど普通は信じられん。
だが、ブルンスワードの領主からも確かに貫通していると一報があった」
学園での課題にそういのがあったのか、どうりでリリアーナ母様に話を持って行ったらその翌日に計画書が2枚も出てきたはずだ。リリアーナ母様とアメリ母様が解いた課題の内容だったのか。
「そうですか、学園の課題は男女両方が取り組むのですか?」
「そういった課題は、男性の領主候補生が多いな女性は夫人として取り組む課題があるから多くはそちらを取る」
「なるほど、リリアーナ母様とアメリ母様はそっちよりもこっちを取ってたのか」
「ああ、彼女らの計画を見たのか、ならば実現性も解っておるだろう」
「ええ、ですが聖獣を使えばそれらの大半は問題となりえませんでした。
実際に通した後の休憩所や運営の方が課題ですね。
作り上げる事が主ですよね、あの検討」
「ああ、完成したら完成したで後の対処が必要だ。
まず税をかけねばならん。
どうするつもりだ」
「やっぱり税金が必要ですか」
「無料にするなど、問題外だ。それならば閉じた方が良い。
通る者が出れば、今まで恩恵を得ていた他領から文句が出る。
特にこの場合はヤンロードだ。
領地同士の争いはできれば避けたい」
「そうでしょうね」
「だから税金だ。
できればヤンロードを通り抜ける総額が同じ価格程度になるように税をかけるべきだ」
「なるほど。わかりました。
今は関所の用意もできていません。そもそも周知していないので通る者もいません。
春以降から用意をしていきます。
リリアーナ母様も同じような事を言ってましたから」
「まだ知られていない道だ。
ゆっくりと進めれば良いが、そなたがやったことだ。
リリアーナに押し付けるのではなく、そなたがやるべきだ」
「おっしゃることは解りました。
領地に戻りましたら、リリアーナ母様からは助力頂けるよう相談します」
「ああ、助力を受けるべきだが任せっきりはやめるように。
そなたが目指すべきメリルディーナ公爵と言う立場での訓練にもなる」
「はい」
「お話が終わったようなら、わたくしからも良いかしら陛下」
「ああ、またせたなエミリア」




