3.14.1 家に竜王バハムートがいる生活
「ティアマトとカイ様も家に泊まられますよね。
念のために聞きますが、同じ部屋が良いですか、別別の部屋が良いですか?」
「ああ、別々が良いな」
オブスレイさんに伝えたら、すぐに部屋の手配をしてくれた。
「うむ、温泉のことはティアから聞いておる。今日は泊まっても良いのか?」
「もちろん、では準備をさせておきます。どうぞ中へおはいりください」
部屋の用意ができるまでは応接室に入れて待ってもらった。
その間に部屋を用意し夕食も手配する。
ティアマトはかつて知ったる我が家のように家の中を勝手に移動し始めた。彼女は何を気にするでもなく、エレノアとニナシスティを呼んで一緒に連れて行った。
僕も慌てて行動する。
コハクは、僕の後ろをピッタリと付いてくる。
うーん、この子も面倒を見ないといけないのだよな。
どうしよう。
「お父様、この方がアメリ。
ジルベールの母親よ。
そしてエレノアとニナシスティ。
ジルベールと直接の血の繋がりはないけど妹して育っているの。
エレノアとニナシスティはすごいでしょ。この年でこのステータス。
私も初めて見たときびっくりしたわ」
「ほう、確かに。
エレノア、ニナシスティ。
我はカイと言う。ティアの父親だ。
さっきは突然の依頼にも関わらずよく協力してくれた。
感謝する」
「カイ様。あらためてご挨拶を。
エレノアです。よろしくお願いします」
「私はニナシスティです。
カイ様がティア様のおとうさまなのですか。
でも全然はげて無いし、カイ様はすごくかっこよいですね」
ニナシスティは、恐れも無く素直な感想を言ってしまった。
「そうか、かっこよいか。ありがとう。
小さなおじょうちゃんもかわいいよ。大きくなったらお嫁にくるかい」
「えー、ニナが大きくなった時にはきっとはげてるでしょ。
ファールじいちゃんみたいにはげてたら嫌だな」
「ははは、ファールじいちゃんと言う者には会った事が無いからわからないが、私ははげないよ。
ティアが小さい時からずっと同じ姿だ。
残念ながらおじょうちゃんがおばあちゃんになって髪が白くなっても同じ姿なのだよ」
「へー、そうなの。
そういえばティアが、お母さんも死んだって言ってた。
じゃあおじちゃんはティアのお母さん以外の人とも何度も何度も結婚して、お嫁さんは死んでいったの」
「うーん、ティアの母親は死んだけど、他の妻は生きているよ。
竜は長生きだからね」
「え、おじちゃん竜なの。でも人間の格好をしてるよ。ティアも」
「人間に化けているんだよ。
ティアが説明してなかったかい。
それにしてもニナシスティちゃんは7歳にしては賢いね」
「どうして7歳って知ってるの」
「おじちゃんはね。
ジルベールと同じで鑑定の魔法が使えるんだよ。
年の他にも色々とわかるんだ」
「え、だからジルベールお兄ちゃんは、ニナが好きな食べ物とか、さっきなんの本を読んだかがわかるの」
「ニナシスティの年や体型、どんな魔法が使えるかはわかるけど、
好きな食べ物やさっきまで何をしていたかはわからないな。
それはジルベールの兄弟愛だろう。
良いお兄さんで良かったね」
「うん、良いお兄ちゃんなの。
尊敬できるの。
でも、ニナの体形をいつも見ていたのはショックね。
わたしはもう乙女なのね」




