3.13.6 竜王バハムート
『おや。
姿は私が与えたものですが、耳が残っておるな。
まあ、その姿も可愛らしくて良いでしょ。
では、コハク。
あなたはコテツが復活するまでこのジルベールに仕えなさい」
コハクは20代前半に見える綺麗な女性だ。元が銀狐と言うだけあり、髪は銀色、眼の色は濃い茶色だ。身長は165cmぐらい。腰は細くてバストが大きい。アロノニア様とは髪と目の色が違うだけで似ている気がする。つまりとても美人だ。
「はい、アロノニア様の言うとおりに。
これより、コテツ様を助けて頂いたジルベール様のお役に立つよう勤めたいと思います」
『バハムート、このたびの働きに感謝する。
ジルベールはメリーナが呼び出した人間じゃが、我も気にかけておる。
殺してはダメじゃぞ』
「もちろんです。ティアも気にいっているようですし、この者と戦う気はありません」
「そうか、それは良かった。ジルベールとは仲良くしてくれ」
「アロノニア様のお心のままに」
そういってカイは深く礼をした。
「では、われは戻る。
ジルベール、今回は助かった。
協力に感謝する。
礼として準備したスキルを渡そう。
ではまたな」
総魔力量の確認のためにステータスが表示される画面を出しっぱなしにしていたので、スキルが増えた瞬間がわかった。
絶対防御魔法に、付与奪取魔法が増えている。それを確認し終えた時にはアロノニア様の姿は見えなくなった。
「さて、後始末からだな。
結界が崩れたので我らも入れるようだ。
行くぞ、ティア」
僕らは、カイの後ろに続いて先ほどの玉のあった場所を探した。大きな魔石が5つに僕が持っている物とほぼ同じ大きさの神石があった。そして、中央に封印のための魔法陣があった。それは、侵入を防止する仕組みなど数枚の魔法陣で構成されている。
なぜそれが封印に使われた魔法陣だとすぐにわかったかと言えば、魔法陣の文字が日本語で書いてあったからだ。
「この魔法陣は神語で書かれているな。
やはり邪神が肩入れしていたのは間違いない。
聖獣1匹を封印するのに、神石まで与えるとは。
ここまで力を使うとは思ってもいなかった」
日本語の魔法陣が神語。なんと。ということは、女神は元は日本人なのか。メリーナ様は黒髪だからその可能性は無きにしもあらず。でも、ラキシス様とアロノニア様はどちらも日本人離れした髪色に体形。いや、メリーナ様も容姿的に該当するのは髪だけ。体形は日本人ではない。
「カイ様、これが神語なのですか?」
「ああ、竜語に似ているが違う。
我らの使う竜語は神語に似ているのだ。
神語から派生しているから似ていて当たり前だがな」
竜語を知っている前提で話された気がする。
「なるほど」
さも納得という返事はしたが。さっぱりわかっていないのだが。
「なんだ、興味があるのか」




