1.6.2 神話と建国
勇者はメリーナ様がこの地の人々を救うための使徒。
両金眼の魔法剣士。
仲間の一人は聖女。
そして未来視の巫女とその兄。
この4人が突然歴史に現れる。
特に両金眼の魔法剣士の強さは異常。おそらくメリーナ様が連れてきた転移者だ。
この勇者はグランスラム帝国の帝国兵10000人と戦って無傷だったらしい。
さすがに5桁と戦うというのはとても信じられない。
だが勇者は、自分の魔法と剣の力だけでなく封印されていなかった残りの2体の幻獣を従えていたらしい。
神に近い力を放てる幻獣がいたのなら5桁の敵を蹴散らすぐらいならできるのかもしれない。
確か兵は3割も消耗すれば負け戦と判断して敗走すると言われているはず。
幻獣がダイナマイト以上の魔法を使えるなら不可能ではないのかも知れない。
勇者は、はじめこの領地の隣ブルンスワードを拠点にしてグランスラム帝国と戦っている。
ブルンスワードは500年以上前からグランスラム帝国と戦っていた城だ。
ブルンスワードはクロスロードの隣なのに間に高い山があり、こちら側から侵入することができない。
拠点として戦うのに地理的にも良かったらしい。
その地で戦い、傷ついた兵士たちは聖女が癒す。
それも聖女の力は欠損した腕や足も治してしまうらしいので、とても素晴らしい力だ。
未来視の巫女が未来を予測して戦略をたてるので、戦いでは負け知らず。
最後の巫女の兄には力はない。
だが商人の血のせいだろうが文官としての才覚が優秀だった。
軍事費、軍備品など細かい気遣いで部隊を維持し、グランスラム帝国を見事に退散させることに成功した。
勇者は、聖女、未来視の巫女と結婚しラルクバッハを建国。
以後建国王と言えばこの勇者のことを言う。
巫女の兄は戦火で助けたシドニアの王女と結婚し、シドニアを立て直した。
しかし建国王は、未来視の巫女と共に暗殺される。
それでも建国王の子供はたくさんいたらしいので、ラルクバッハとシドニアに分かれ国を作り続けてきたそうだ。
このシドニアの王女を助けに行く話は劇になり毎年飽きることなく公演され続けているらしい。