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3.10.1 アメリ姉さまの結婚


最近の剣の訓練はティアマト、エイミー、トシアキの3人とだけだった。


せっかくいるレイブリングさんは、光剣を出すための魔力の使い方を教えてくれるが、剣術そのものは教えてくれなかった。

自分の剣術は力に頼った方法で、剣術とは呼べない拙い技だと打ち合いもしたことが無かった。

その代わり、今までに得た魔物討伐の知識や戦術、そして魔法を教えてくれることが中心だった。それはそれで得難い知識だった。そういった授業で家にある本には書かれていないような情報をたくさん知ることができた。


だが、10歳を目前に、一度打ち合おうと相手になってくれるようになった。


 打ち合いを始めてすぐにわかった。レイブリングさんの剣は言った通り力押し。

実戦的ではあるが剣術のレベルは高くない。

攻防に光魔法を上手に使って、強引に力任せに打ち込んでくる。


 一撃一撃がとてつもなく速くて強い。

光魔法を乗せた攻撃は、同じ程度の光魔法を込めた剣で受けなければ切られてしまう。他の属性だと2倍ほどの魔力を込めなければ受けることができないのだ。


そんな攻防戦の最後に、最強の一撃といわれる必殺の剣が飛んできた。

来るとわかっていても防ぎようがない。

使っている剣が訓練用の木剣とわかっていても怖い。


ありえないほどの気迫に押され、結局、剣術中には禁止といわれた瞬転で逃げてしまった。体中から汗が出ていた。


 そんな感じで何度か対戦し、なんとか逃げずに受けられるようになった、それが10歳の誕生日2ヶ月前だった。

その時に言われた。

「改めて言う、ジルベール。

アメリと結婚する。

これからはそなたの父だ。

父様と気楽に呼んでほしい。まあ徐々にで良いぞ」

「はい、レイブリング父様」


その数日後にアメリとレイブリングさんが王都で結婚式を挙げた。


領地内でも結婚式はするが、先に王都で結婚式をしてくるそうだ。

参加するのは大人だけ。アメリ姉さまに、レイブリングさん、リリアーナ母様に領地の伯爵2名が一緒に王都へと転移門で移動した。


実は、領内の有力者全員が王都へと移動なので、ちょっと大変な状況なのだ。

何かが起きた時の対処方法をいろいろ教わったが、何も起きないことを祈るばかりだ。


二人は中央神殿で式を挙げ、王城で土地持ち侯爵以上が集まる場でお披露目してくるそうだ。なんだかあっさりとしているが、社交シーズン以外で偉い人が集まるのは大変らしい。普通は領主になる前に結婚して領主交代の時に行われる儀式らしいが、今回は婚姻を行いそのまま領主になる儀式が連続的に行われるそうだ。


これでアメリ姉さまとレイブリングさんが結婚し、僕が二人の養子になる。そして長らく空位だったクロスロードの領主にレイブリングさんが就くのだ。


領主になる儀式では、僕がそのまま領地に残り成人したら領主は僕になるという契約書が発表され、侯爵家以上の集まりで承認されるらしい。


僕は成人もしていないので、単なる養子の手続きだけ。権利の保護は侯爵全員で保護する。自分たちの身分を守るためでもあるのでしっかりとした保護体制があるようだ。


 まず二人の伯爵が先に帰ってきた。

 同時に、王都からレオナ・ミルドレイク先生と看護師一人に先生の家で雇う侍女が一人ついてきた。

 伯爵様がシーズ先生の所へ連れていってくれるそうだ。


 これで、シーズ先生が引退しても安心だ。



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