3.3.4 後始末
「エッとねー」
うーん、よくわからん。
結局休憩に来たシシリーの説明によると、竜を落とし穴に落とし、遠隔からの攻撃を続けて消耗を狙い、消耗後に叩く。
そういう作戦で進められ、運よく一つ目の落とし穴に落ちたが、残念ながら這い出てしまった。
攻撃をしながら、次の穴に落とす。
弓や、魔法で攻撃をして、注意をひきつける間にクリュシュナーダ伯が光の剣で切り裂く。
その後は、傷口を狙って、強力な魔法攻撃や投擲を繰り返す。
クリュシュナーダ伯が隙をついて、傷を付ける、と繰り返し少しずつ、消耗させていく。
十分に体力が削られたところで、クリュシュナーダ伯が首を切りに行ったらしい。
だが、最後の力を振り絞り、しっぽの攻撃を受けクリュシュナーダ伯は倒れた。
それを見て、エイミーが最後のチャンスと広がった首の傷が治る前に身体強化を最大にして強引に傷から斬りこむ。
その間にも、爪、尻尾の攻撃を受けたが、最後に首を切り落としたそうだ。
その後、体の痛みに耐えられず倒れたそうだ。
ということは、あの状態で剣を振り切ったのか。
数か所骨折してたし、内臓破裂もしてたと思うけど、なんで動けたんだろ。
すさまじい執念。
さすが剣王といったところか。
「じゃあ、そろそろクリュシュナーダ伯の所に挨拶に行きますね」
「あ、そう。
僕も一緒に行くよ」
「いいのですか?」
「うん、僕もジルちゃんの護衛だからね」
そう言われて、近くにいたトシアキを見たら、微妙な顔つきをしていた。
正式な契約をしたわけではないが、内定しているからどうするかは僕任せなのだろう。
「じゃあ、行きましょう」
エイミーに先導されて上級貴族向けのテントに入った。
中の簡易ベッドにクリュシュナーダ伯が寝かされたままで、隣にアメリ姉様が座っていた。
あれ、アメリ姉様もいるんだ。
「クリュシュナーダ伯、アメリ姉様、状況確認に来ました。
どういった状況ですか?」
「おお、ようやく起きたか。
ジルベール君の体調は大丈夫かい」
「ええ、魔力も全快しましたから、エイミー並みに元気ですよ」
「それは良かった。
一時は死にかけていたらしいエイミーを救ってくれたそうだな。
感謝している」
「ところで、戦いは終わったはずなのになんでアメリ姉様が作戦本部に?」