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3.3.2 後始末

 診断のスキルでは体は完全回復している。

 だが、鑑定の状態異常の結果は 精神汚染 大が残ったまま。

 目の前に、いままで回復魔法を使っていた王宮魔導師の資格を持つ治癒師がいるので質問をしてみる。

「体は治ったけど、状態異常 精神汚染 が消えません。

これ、どうしたら消せるのですか?」

「え、治ったの。

確かに、すごいわ。信じられないわ

・・・」

「だから精神汚染が残ってるんですよ。なんですかこれ」

「精神汚染、私の診断魔法では出ないわ。

 確かなの?」

「僕も診断魔法では正常です。

鑑定魔法の方で状態異常の項目に精神汚染と示されてます」


「鑑定なら、魔法攻撃による状態異常ね。

精神汚染か、ちょっと調べるから待ってくれる」

「はい」


 その王宮魔導師の女性は、後ろに行って自分のバッグから本を出して調べ始めた。

「すみません、他に調べる本があれば貸してください。

僕も調べます」

「え、でもあなた小さいのに。

いえ、それだけの魔法が使えるのだものね。

わかったわ、こっちの本を調べて」

「はい」

渡された3冊の本を調べるが、それらしいのが無い。


「近いのだと、やっぱりゴースト系の攻撃でしょうか」


「そうね。私も呪い系の攻撃のような気がするわ。

それだと祈祷の魔法が必要ね。

神官か巫女を呼ばないとだめだわ。

私は使えないから」

「あ、僕が使えます。試してみます」

「え、祈祷までつかえるの、あなた何者?」


「祈祷、呪いを無くせ」

 呪文が面倒だったので、省略した。

 再度鑑定を行う。


 状態異常 精神汚染 弱


「お、精神汚染 大から精神汚染 弱に変わった。

なら、もう一度」


 2度目の魔法で 状態異常が無くなった。

「消えた」


 そうつぶやいたとき、エイミーの目が開いた。

「生きてる」

 最初の一言がそれだった。


「エイミー、無事に戻ったのね。良かった」

「シシリー、おひさ―、元気?」

「なに能天気なこと言ってるのよ。

さっきまで死にかけてたくせに」

「いやー、まいった。まいった。

シシリーのおかげで戻ってこれたよ。

ありがとうね」


「ううん、ちがうの。

そこの子が貴方を治療してくれたのよ」

「え、ジルちゃん、魔法使えたんだ」

「ええ、剣術よりは魔法の方が得意ですよ」

「え、マジ? あのレベルまでできて? それは他の人の前で言っちゃだめだよ。

生きていく自信がなくなるよ」

「え、そうなの?」

「まあ、僕ぐらいでしょ。それを聞いて流せるのは」

「はあ、そうなんだ」

「エイミー、この子紹介してくれる?」

「ああ、ジルちゃん。

家名はクロスロード?」

「ジルベール・クロスロードです。

いちおう、魔法全般が使えます」

「クロスロードって、そうか。アメリ様の他にもう一人いた領主一族。

子供って聞いてたけど、これほどの能力があったのね。

あなたもしかして全属性なの?」

「まあ、そうかな」

「まあまあ、シシリー。

魔法使いの秘密は突っ込んじゃだめだよ。そういうルールでしょ。

ということで、あらためてありがとう。

お礼は体で払おうか?

ねえ、貰ってくれる?」


「いや、いや、いきなり何言ってるの?」


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