表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
170/536

3.2.1 竜の退治

 翌日から僕らは穴掘りを開始した。

 農場の改良用に土魔法を練習していたので、僕が土を柔らかくしてそこを兵士たちが掘っていた。

 最後にバーニィを含む数名が穴に蓋をしていた。

 簡単に落ちたら困るからしい。

 穴が完成し、僕らは後ろへと下げられた。

 ちょうど竜の進軍に間に合ったようだ。


 戦闘開始直前、状況が変わった。

 竜と一緒に行動していた魔物たちが北上を止め東へと分かれたそうだ。

 人里がある方向だ。


 急きょ、魔物の相手をする予定だった騎士たちがそちらへと移動を開始した。

 クロスロードの貴族達はそちらに行くらしい、エインズワース伯爵が指揮をとる。


 僕らは、本隊の後ろでご飯を準備。

 交代で食事ができるようにしている。

 戦いは長丁場なのだ、きちんと回復できる体制が必要だ。


 僕らは、そこからさらに後方へと下がり、作業中。

 後方が1㎞離れた所が竜との決戦地。

 僕らはそこで、竜を足止めするために土を掘り、壁を作っているのだ。

 竜が突破した後に少しでも移動しにくくして態勢を整える時間を稼ぐためだ。


 

「グオォォォォォーーー」


作業をしていたところですさまじい咆哮が響いた。

「始まったようですね」

 バーニィは落とし穴の作戦要員として本隊に行っているので、護衛はトシアキだけになっている。


 後方部隊なので、護衛が少なくなっている。

 その後も偶にドーンと鈍い音が聞こえることがある。

 竜と戦っている所からおよそ1㎞は離れているので聞こえる音は相当に大きい衝撃が発生しているのだろう。

 

 ふと、イヤーな感じが訪れた。


 なんだろう。

 周りを見回してみたがよくわからない。

 

「敵襲!」

 警戒をしている護衛隊が騒ぎ出す。


 前方から突然ゴブリンの群れが襲ってきた。

 100を超えているかも知れない。

 東にそれたと言っていた魔物たちにしては数が少ないので、別働隊として分かれて行動していたのかも知れない。


 この場には、作業員は数百人いるが騎士は20名もいない。

 そして、背は堀と壁。

 逃げ場が無い。


 とっさに土魔法で壁を崩す。

「皆、そこから退避しろ」


 逃げ場を作った後で、魔法での戦闘準備。

 ゴブリンが走ってくる姿が見えるがこちらまで200mほど。

 魔法を使える者たちが詠唱を始めた。

 100mになる前に、先発の矢が飛び始める。


 数秒後には魔法が放たれた。

 僕も火魔法を撃ちまくる。

 あまり威力を上げずに、数を撃つ。

 無詠唱とはいえ、魔力の溜めが必要になるので数秒に1発しか撃てないのだ。


 矢を射る者と、魔法を撃つ者で大半のゴブリンがダメージを負う。

 そこを騎士たちが切り込み始め、一気に叩き潰した。


 ゴブリン程度なら防御戦なら5倍程度の差があっても圧勝だった。


 だが、さらに後ろから少し大型のゴブリンがゆっくりと歩んでくるのが見える。


 隣で大型の火魔法を撃ったが、持っている赤い盾で弾かれた。

「竜の鱗で作られた武具ではないか。

それに上位種だ」


「ジルベール様、危険です。

退避してください」

トシアキが叫ぶのが聞こえる。


 うわ、でかい。

 身長2m超えの体格の良いゴブリン。

 ご丁寧に立派な角が生えていて、顔はかなり怖い。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
星★ よろしくお願いします。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ