表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
159/536

2.22.3 エレノア・サイレーン

 転移門は、門という名にふさわしい扉のような形をした魔道具だ。

 王宮魔導師と言われる方々が魔力を注ぐと門が少し光る。

 中央の暗い部分が青くなり中に入るように言われた。

 先にメリルディーナ公爵が進んで門をくぐった。

 青い光の壁に突き進むとそのまま消えてしまった。


 少し怖かったが母と父の2人と手を繋いで私も門をくぐる。

 すると目の前の景色が急に入れ替わる。

 一瞬にしてクロスロードに移動したらしい。


 そこから侯爵家の家へ馬車で移動だ。


 王都のメリルディーナ公爵家は、とてもとても大きな家だった。

 侯爵家ならば相応の大きさなのだろうと委縮していた。


 だが実際に到着した領主館は、想像よりも小さかった。


 役所の機能を持つ建物が分かれているからだと言われ納得した。

 それでも実際に中に入ると、小さい私が迷子になる程度には広くて大きかった。

 シンプルな形にだまされただけで、実際の建物はとても大きかった。


 さて、いよいよジルベール様との対面。

 緊張した。


 初めて見たジルベール様は私よりも一つしか違わない割に背も高くて大きかった。

 そしてとても凛々しい顔で優しそうな笑顔の方だった。

 

 私は緊張していたがニナシスティは状況がわかっていないせいか、目の前の男の子にすぐに甘えていた。

 きっと良い人だとすぐに認識したらしい。

 抱っこをしてもらって喜んでいた。


 人懐っこいニナシスティにちょっとだけ救われた。


 私も優しいジルベール様にすぐに慣れ、兄のように慕うようになった。


 兄様のことを知れば知るほど不思議な方だった。

 まず、兄様は、なんでも知っていた。


 父と母が教師役として赴任したのに、勉強はあっという間に終わってしまったそうだ。


 父は兄様と一緒に植物の研究を始め、王都にいる時よりものびのびと研究をしているそうだ。

 そして母は、兄様と兄様の護衛魔導師のバーニィ様と一緒に魔法の研究をしているそうだ。


 私とニナシスティは兄様に実験と言われていろいろなことに付き合わされていた。

 でも、兄様の実験は面白いし、楽しいことが多かった。


 だが兄様の実験に付き合った結果、私とニナシスティの魔力は国内での上から数えられるほどの上位になってしまったらしい。

 正確な状況は聞いていないが、このまま頑張れば兄様についていくことができるそうだ。


 まさかのカトレア様の養女として。


 あの巨大な屋敷に住む。

 考えるだけでも恐ろしい。


 私は、あの家に住むにふさわしい振る舞いを身につけなければならないのかと考えると、とても恐ろしく感じた。

 だが、兄様は王都の家を見たことがないからだろうか、別に気にしていないようだ。

 さすが侯爵家嫡男。

 堂々としていらっしゃる。


 さて、私も7歳になり明日から冬の館に行くことになった。


 兄様は、すでに勉強は終わっているけれど、集団行動をとることそして歌やダンスは皆と一緒に学んだ方が良いのだと言っていた。

 私も、勉強は進んでいる方だと思うので冬の屋敷で学ぶ内容は楽をできるかも知れない。


 だが、同年代の子供を率いる必要があると思うと気分が重くなるのだ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
星★ よろしくお願いします。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ