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2.17.5  異世界植物の育て方

 植物を育てる時にわかったが、この世界の農業技術はかなり未発達だ。

 その原因は、二つ。

 一つは種に魔力を込めれば荒れ地でもそれなりに育つ。

 もう一つは鉄が高くて平民が入手できないために農機具がしょぼいためだ。


 クロスロードが辺境で特に鉄の値段が高いからというわけでもないようだ。

 現状、クロスロード領内は、ほぼすべての農民が木製の農具を使っている。

 だから、硬い土地は耕すことができない。

 

 新規の土地は木を焼いて切り開く。

 種をまく時は、木製の杭を軽く打ち、穴が空いたところに種を埋め、土をかけて終わりだ。

 場合によっては、穴すらあけずに種をまき散らして終わりのようだ。

 もちろん農業用の牛もいないし、肥料をまくのも積極的には行われていない。


 つまり、現代知識チートでよくある輪栽式農業を試して収穫を上げようなど、試す段階にもない。


 まず、まともな農業に変えるには農機具を作ることからになるのだ。

 それを農民全員に配るなど、財政上あり得ない。


 せっかく多少の知識があって、さらに情報を検索できても簡単には収穫量を上げることはできない。


 こうなると、頼れるのは魔法だ。

 僕の魔力だけは大量にあるのだ。


 そこで、土魔法を調査する。


 穴を掘ったり、柔らかくする魔法をクインさんに探してもらった。


 戦闘用に土を掘り、落とし穴を作る魔法があった。

 工程別に魔法が分かれているようなので、最初に土を柔らかくする魔法を使うことにした。

 一度柔らかくすれば、木製農具でもそこそこ掘れるだろう。

 なんどか試して魔力の流れ方を理解し、無詠唱で魔法効果を改変する。


 さっそく、僕が出かけて魔法を使う。

 森に行って、良質の土を空間魔法で収納する。

 生き物はマイストレージに入らないが、虫の卵は入れることができるようだ。

 だが、マイストレージには分類や仕分けの機能があるらしく、卵だけを外に取り出すことができた。

 害虫駆除で外に出して燃やしておく。


 次に水。

 これも空間魔法を使って湖から水を汲み上げ、マイストレージに収納。


 肥料として用意した土をばらまく。

 同じように水を広範囲にまき散らす。

 最後に、30㎝ほどの土を上下にグワグワと移動させシャッフルする。


 一度柔らかくなった土なら、木のクワでもなんとかなりそうだ。

 僕はかなりの範囲の畑を一気に耕すことができた。


 人が行うとなるとどれほどの時間がかかるかわからないが、膨大な魔力を使えばあっという間に出来上がる。

 うーむ、さすが魔法。


 毎年すべての土地をやり直すのは無理だが、こうして1回だけなら順番に回れば数年で一回り。

 なんとかなるだろう。


 これで、後は輪行式農業の採用や、農業用の動物を使うことで収穫量が高まるのではないだろうか。


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星★ よろしくお願いします。
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