2.14.8 7歳の誕生月
皆で領主館へ戻ることになった。
当然だが大神官様がこのまま帰ると困るので、ファールじいちゃんが強制的に領主館へ連れてきた。
領主館に着くと、大神官様に眼を見せることになった。
大神官様は僕の眼の色を見て、いろいろと納得したのか良い笑顔になった。
もちろん、秘密を守る約束をしてくれた。
ついでに魔法が使えるバーニィとクインさんにエレノア、ついでにニナシスティも鑑定を受けていた。
僕は普段から見ているから成長度合いを知っているが、他の人たちにとっては驚愕の事実を見てしまったようだ。
名前:バーニィ・クレイメント
総魔力量 2770
(※元の魔力量1410に修正)
名前:クイン・サイレーン
総魔力量 1290
名前:エレノア・サイレーン
総魔力量 1590
名前:ニナシスティ・サイレーン
総魔力量 970
「どういうことだ、少なくともクインの総魔力量は王宮魔導師になれる1000以下だったはずだ。
他の2人もかなり魔力量が多い。
どういうことだ」
「ジルベール様に言われて、定期的に魔力を全て放出する訓練をしていたからです」
クインが答えた。
「ジルベールには鑑定の能力があったな、知っておったのか?」
「はい、知ってました。効率的に総魔力量が増えるように調整してました」
「やはりか。では総魔力量を増やすことは誰でもできるのか?」
「どうでしょう。魔力が一杯に溜まった状態から枯渇手前まで使い切れば1回あたり3%程度増えます。魔力が復活するまで5日から7日。
2年間続けた成果です。
もしそれだけで増えないなら魔力操作の練習と併用した方が良いでしょうね。
魔力操作の練習もしていますよ」
最初、総魔力量成長補正10倍があるから増加量に気が付くのかと思っていたが1回あたりの増加量は割合にすると他の人と一緒だった。
では、どこが10倍になっているのか。
他の人に比べて総魔力量が桁違いになっているので、総魔力量成長補正10倍は総魔力量の上限が10倍になっていると予想している。
その検証のためにも他の人たちの魔力増量がどこで止まるのか確認が必要だ。
「枯渇か、ジルベールが鑑定で監視できるからか。
そうでなければ危険だな。
魔力操作のレベルはどうやって上げているのだ。
レベル5や6など見ない数字だ。
それこそバーニィぐらいだったと思うのだが」
「こうするんだよ」
エレノアとニナシスティがぬいぐるみを出して、魔力操作だけで人形を動かしてみせた。
「無詠唱で人形を動かせるのか」
「だから朝、言ったでしょ。私の勘は当たるのよ」
カトレア様がとても自慢げに言った。
ファールじいちゃんはうなだれていた。
どういうことだろう。
僕は不可思議だと首をかしげる。