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2.11.11 ブルンスワードへの旅行

「私は、ゴルゴ・ノーリッシュ。

実家は王都にあります。

男爵家の3男。

現在21歳。

現在、王宮料理人を目指して勉強中です。

どうか、私を雇ってください」


 けっこう、大きな声だった。


 少し離れて座っているリリアーナお母様にも聞こえたようだ。

 母様があわててこちらに向かってくる。

「ジルベール、どうしてこうなったのかしら?」


「おかあさま。

偶然とは起きるべくして起きるものです。

そんなことを論理的に説明できるわけが無いのです」


「一見哲学的に聞こえるけど、まったく意味不明ね。

まあいいわ。

ゴルゴさんと言ったかしら。

私はリリアーナ・フィロ・クロスロード。

クロスロード家の領主代理です。

あなたは家で料理人として働きたいということかしら」


 やっぱり、リリアーナ母様をごまかすのはやっぱり無理か。


「は、はい、ぜひお願いします」


「ジルベールが勝手にきめたようですが、家の料理人は私たちだけで勝手に決めれるわけではないの。

領主の家での料理人ともなれば、さまざまな観点での調査が必要よ。

それに、今の料理長を信用していますから彼の許可が無ければ雇えないのよ。

家に来てくれれば料理長の面接を受けることができるようにしておきます。

まずはそれで良いかしら」


「ありがとうございます。必ず合格してみせます」


「良かった。

僕らはあと二日ほどここに滞在してから領地に戻る予定です」


「一緒に向かっても大丈夫でしょうか」


「お母様、大丈夫ですか」


「そうね、家名も名乗っているし同行を許します。

ですが安全の問題もあります。

私たちと同じ馬車には乗れませんよ。

護衛と一緒になります」


「ジルベール。

言いたいことはたくさんあるけど、領地に戻ってからにします」

「はい」


 うーん、何を言われるんだろう。

 ドキドキだ。

 転生者ってばれてないよな。


 そして旅行の最終日、リリアーナ母様と一緒に鉄の工房を見に行った。

 技術を持った人を引き抜きに来たのだ。


 ここはブルンスワード侯爵から紹介された工房で、引き抜きの許可を得たそうだ。


 まずは、彼らが自分たちで開発した製品を作り続ける工房ではなく、領主のお抱えにして武器を作ったり、メンテナンスをする。

 もちろん立ち上げの費用は領主が払う給料制度の工房になる。


 この新しい工房でクロスロードの現地の人を育て、独立した工房を増やす予定らしい。気の長い計画だ。

 教育がメインなので大量の製品を作ることはできず、赤字になるとわかっている。


 3つほどの大きい工房を回り、引退する間際の頭領クラス1人と若手が数名移動してくれそうだった。

 頭領については領主の推薦もあったので、即答はないが、かなり乗り気だった。

 その後、いろいろな条件をクリアし小さいながらも一つの工房が成立するぐらいに人が集まった。


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