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探し屋キャロルの迷宮推理  作者: あまね
3/3

依頼人アリスプラネット 【迷宮殺人事件】真相&その後編

「シンシアは結局出てこなかったね。」


迷宮から帰ってきて僕らはヤードと呼ばれる迷宮軍事警察に報告をしていった。

未解決未発見事件の報酬金はしかるべき処理と15枚の書類を持って支払われることになった。

愛すべき邸宅に戻ってきた僕ら三人は、件の報告書をまとめながらのティータイムをすることになった。

書類を見て思い出したようににシャワーを浴びに向かったアリス嬢を除いて。


「真犯人といっては聞こえは悪いが、ベティ氏殺人事件の主犯という意味でのシンシア嬢は亡くなっている。ポルポルにねじり殺されてね。僕らが入った時にポルポルが最初に掴んでいた肉塊はシンシア氏だ。」


「えっ」


「真犯人現場に戻るっていうだろう。現場に戻ってゴーレムの暴走に巻き込まれたんだと思う。ベリル氏はシンシア嬢の遺体を回収するために来たんだともうよ。ベティはまごうことなき糞野郎だったが、シンシア嬢とベリル氏に関しては浮かばれないだろうね。」


「しかしそんなことがあるだろうか?片足がないとはいえ魔法使いがゴーレムに殺されるなんて」

精霊魔法を操る魔法使い職は、ゴーレムには滅法強い。土の精霊に干渉して一発で符を抉り殺すことができるからだ。そんな魔法使いを殺すゴーレムなんてよほど特殊な………


「精霊魔法に対抗できる呪文を予め府にねじ込んでいた?」


「つまりそういうことだろう、つまりこの犯罪計画はデザインされていたのさ。迂闊だった。アーサー一人で管理人室に向かわせるべきではなった。気づけたのに」


「まって、クロネ。ありえない。まさか」


「サネキチ氏が、今回の犯罪をデザインした。いや、正確にはモリーがというべきか。サネキチ氏は彼女の変装魔法によって生み出された都合のいいキャストって訳だ。」


モリー・サンジェルマン。5年前にクロネが死刑台に送ると誓った犯罪コンサルティングの帝王

神代レベルの変装魔法と、犯罪魔法。世界でただ一人、二つの魔法を持つ犯罪者


「その証拠に、さっき調べたんだがあそこの管理人はレプラコーンだ。ドワーフじゃない。」


「なっ・・・でも何のために?」


「アリス嬢がここの場所を聞いたのもおそらくモリーの変装だ。だとしたらこの僕を自分の犯罪の跡片付けに利用したわけだ。誰にも見つからない犯罪は、完全犯罪とは言わないが彼女の口癖だからね。」




能天気な声でタオルはどこですの?と聞くアリス嬢とは反対に、クロネはとっても不機嫌のようだった。

こうして、アリス・プラネット嬢の事件は幕を閉じた。




「で、アリス嬢。支払いはいつかな?」


「ほえ?」


「後払いの料金は、ベティに請求するはずだったが、その本人はもう死んでいる。未踏破エリアはあの後炸裂弾の余波で崩れてしばらくは入れない。アリス嬢。残りの金額はいつ頃お支払いいただけるのかな?」


「この書類のお金は・・・」


「これは捜査権を持つ探偵に支払われるものだ。で、足りない分は?」


「うっ・・・働いて返しますぅ・・・」


「いや、それなら最初にご提示いただいた初夜権の方で構わない。どこに売り飛ばそうか」


「この人でなし!!あ、謝るから勘弁してくださいまし……」

お読みいただきありがとうございました。

次回はシスターと幽霊が出るお話です。

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