3.
冬に近づき
空の色は、灰色を帯びて
なんとも言えない静けさが漂う10月の初め。
クラスは、まるで体育祭と言わんばかりの熱気で盛り上がっていた。
クラスというか女子。
謎の転校生は、イケメンとのことクラスの大半が校則違反のメイクやスカートを膝丈にしていた。
私は、もちろん興味は、無かったがみんなに合わせてスカートを上げたりリップを塗ったり。
女子は、大変だなぁーって他人事。
大体こんなに盛り上がってもしも不細工な男子が来たらどうするつもりなのか…。
チャイムがなり急いで席に座り出す。
担任の星美先生が教室に入って来て
まず一言。
「おい、校則違反のやつ皆反省文な!?って…女子全員かよ!」
ため息混じりに教卓の中心からクラスを見渡して言った。
「仕方ない今回だけ特別に見逃してやるが次は、無いからな!!」
口調は、荒いがとてもいい先生だ。
「それじゃー知っての通り転校生を紹介する!入ってこい」
先生のその言葉に一気に教室が騒がしくなりゆっくりと開けられた扉にクラスの視線が行く。
中に入ってきたその人物を見て今以上に騒がしくなると思ったがその予想に反してクラスは、静まった。
イケメンと言うより美しい…そんな彼の姿に男女共に見とれてしまったのだ…。
静かに流れる水の様に美しく色白の肌がさらに彼の顔立ちを引き立たせている様でここに居る男女共にその姿に引き込まれていた。
彼は、黒板に自分の名前を書いて皆の視線を浴びながら自己紹介を始めた。
「岬鷹野…です。よろしく」
その一言で自己紹介を終わりにした。
初めは、緊張しているのかと思っていたがどうも違うらしい。
岬鷹野という珍しい時期の美しい彼は、女子から人気だったが
彼自身は、興味が無いのか
何を言われても一言話したら直ぐ黙って終わるため
次第に遠くから眺める者が多くなって行った。
女子にだけ
というわけでは、無く
男子にもそんな態度で居た為いつしか
岬という人間は、1人が好きらしいと噂になっていた。
「おかしな人…」
私の岬鷹野の初めの印象は、これだった。
引き続き
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