被害者と加害者
あばばばば危なかった~。
おっさん連中にバレタノカト思ったわ。
あの鋭い目。疑ってるのかと思った。見とれてただけかい。
美人は得だ。なんて言うけどこんな目にあうとは。
悪いことはするもんじゃないね。
えっ違うよ犯人じゃないよ。この世には因果応報って言葉があるからね。
悪いことをした人に悪いことが起きる。
リムルちゃんのパパさんが悪い人なわけないじゃないか。
アレは盗賊です。ムラビトではありませんマレビトです。
奥さんに先に去られて早1年。
思い出の街はつらいから鍛冶場の無い村の役にたって少しでも前を向こう。
泣かせるね。仕事に逃げる男。
考えられないや。仕事辞めたいです。引きこもりたいです。宝くじ早く当たって。
あれ前世は学生で皆勤でギャンブルなんてしたことないのに。
誰かの気持ちに引きづられちゃったわ。
怖いわ~異世界補正か何かか?これ。
俺とリムルちゃん達が出会ったことで一度村にもどるらしい。
俺の歩いてきたルートと山の麓を捜索したおっさんらの情報を一回整理するらしい。
山はゴブリン以外にもブラックボアやグレイウルフなどの魔物もいてそれなりに危険な場所らしい。
怪物じゃなくて魔物だそうだよ。これからは魔物で統一していこう。
魔物だから魔法使うのか聞くとそういうわけでなく体の中に魔石のある動物が魔物らしい。
最近なんて魔物だけじゃなくて盗賊も住み着いたかもしれないなんて心配もしてたな。
大丈夫ですよ盗賊なら一匹減らしときましたぜ旦那。
だからあれはパパンではないのです。大丈夫なのです。心配なのです。
リムルちゃんの辛そうな顔がはんぱなく俺のMPを削っていくぜ。
やめて薫の体力は限界よ状態です。
後2時間もしないうちに日も暮れるし翌朝にもう一度捜索隊を出してあきらめるらしい。
村人の毎日は忙しく本当は一日だってほかの事に裂ける時間はないそうだ。
けど人格的にもいい人で村の人気者。
村が鍛冶師を探してる中辺境に来てくれる人は見つからずそんな中来てくれた恩人。
だからこそ2日もかけて探すんだそうだ。
この話をしてるときのリムルちゃんの顔が堪えたわ。
泣きそうな顔を必死に堪えるくしゃくしゃな顔。
このくらいの年齢ならもっと甘えてもいいはずなのに。
ちなみに村の中には簡単に入れてもらえたよ。
こんな事件があったのに田舎クオリティと美人クオリティの相乗効果で一発だったぜ。
街ではこんな風にはいかないらしいから気をつけないとな。
この村を出る前におっさんAとBにいろいろ聞かないといかん。
エロい目ををしてたから余裕だろう。
昔は男女なんて言われてたのが夢のようだわマジで。
女扱いされない→開き直って男言葉→ヅカ認定→女の子キャー女扱いされない
のループだったからな。今世はかわいい服も着るとです。
このシロのワンピースに顔まで隠せる黒のクローク以外にいろいろ買わないと。
なぜか懐いてくれたリムルちゃんとおねんねしながら考え事をしているといつのまにか寝ちゃってたぜ。
隣を見てみると彼女の姿はなく嫌~な汗が背中をタラ~リ。
家を走り出して村長宅に突撃だ。
「リムルちゃんがいません。心辺りはありませんか。」
「わからんな。」
「そうですか。私探しに行ってきます。」
村長が止める暇も無く走り出す俺。
大人の男なら1対1でゴブリンを倒せる。
これがこの世界の一般的なゴブリンの強さらしい。
山の麓なら魔物少なく子供が1人で行くこともあるらしいが奥にはブラックボアやグレイウルフもいる。
子供が1人で探しに行くには絶望的な状況だ。
親父は殺したかもしない。
けれどあの子を見てて逃げていられる気分ではなかった。
自分に素直に生きると決めた。
ならこの心の思うままにあの子を助けよう。
今までの動物?人間?何それ?
自分の命優先よん。
からリムルに出会って少しだけ変わってきます。
情が湧いたのでしょうか。
ちなみにスペック的にゴブリン瞬殺な物をもってますが
中途半端にビビリで疲れたら適当になる性格なので
しばらく無双は無いと思います。