南~無~。
いや~死んじゃったよ男の人。
俺が行ったときには致命傷受けてたからね仕方ない。
うん仕方ない嘘じゃないよ。
なんか片足を怪我して動けない感じの所に3匹のゴブリン。
緑の小人さんに「ゴブリン風情に~。」とか泣き叫びながら投剣をなげてた。
やっぱりあいつらゴブリンだったみたい。
この感じじゃ他のもコボルト、オークで間違いないんだろうな。
えっ3匹のゴブリン相手に助けになんかいかないよ。
確か達人でもなければ1対3では喧嘩したら負けるって聞いたことがある。
だからワタシウゴカナイ。ワタシワルクナイ。
何かいたぶりながら殺されてるみたいだけどごめんね。
仮にここで助けてあげてもどうしようもないんだよな。
足怪我してるからここから逃げられないし。
中途半端に助けて変な噂とかたてられたらたまったもんじゃないしね。
俺にできることは南無阿弥陀仏これだけ。成仏してやマジで。
俺はゴブリン達が離れるまで遠くでじっと息を潜める。
どうやら人間の死体は放置していくようだ。食べたりするのかと思ってた。
助かったわ。シロ君のブートキャンプでも1対多数の戦いはしてなかったからな。
囲まれたら逃げろっていってたし危険は犯したくない。
でも情報は欲しい。男の人を助けていろいろ聞けたらよかったんだけど。
仕方が無いから目ぼしいものを頂いていこうか。
死体漁り?違うよ。遺品をね遺族にねあのね嘘じゃないよたぶんね。
こんな意味のわからない所に放り出されて情報0仕方ないと思います。
自分自身に言い訳をしながら死体へと近づいていく。
グロイわさすがに。人の死体は始めてだからな~。
いくら耐性がついたといっても何か少しくるものがあるな。
さてさてお金とか地図があれば有難いんだけど。
「ギィシャアアアアア。」
死体まで後5mくらいまで近づくと後ろから唐突に大声が聞こえる。
反射的にナイフを後ろへと振りぬくとゴブリンの棍棒と衝突した。
振りかぶった一撃と最低限の防御。
右手に持っていたはずのナイフはあさっての方向にとんでいきゴブリンは俺に追撃をするべく棍棒を握りなおしていた。
俺は慌てて後ろにステップを踏み開いた空間に土の壁を創り出す。
オークならともかくゴブリンにこの壁は壊せない。
さらに距離をとろうと後ろに逃げようとすると10mも無い所から2匹のゴブリンがこちらに向かってきていた。
罠かよ。味方を助けに来た所を物故ですか?まぁ助けにきたんじゃないけどさ。
最初にいたゴブリン以外は錆びたナイフを装備しているだけのようだ。
素手の俺としては是非逃げたいが1対3で慣れない土地。
無闇に逃げても殺されるだけだろう。
俺は覚悟を決める。あの時の大蛇との戦いに比べればたいしたことはない。
シロ君がいないだけだ。そうシロ君が。
あかん泣きそうになってきた。焦ったらアカン落ち着け~落ち着けよ~俺。
1対多数は×。真正面からも×。なら1対1で戦える場所に行くしかない。
行くべき先は死んだ男が逃げていた方向だ。
彼も闇雲に逃げていたわけでもあるまい。少しでも助かる方があるのなら無意識でもそっちに逃げるはずだ。
俺は彼が進んでいた方へと走り出す。
腰につけていたポーチをひったくり中身を確認すると投剣3に銅貨が数枚入っていた。
森の中を10分も走り続けるとゴブリンの隊列も縦に伸びている。
走りながら魔法で倒したいけど木々が邪魔で狙いが定まらないし集中も出来ない。
投剣も同じ理由で却下。さてどうするべきかな更に走ること10分。
「フギャ。」「ギュシャア。」
汚い悲鳴を聞いて後ろを振り返るとゴブリンが2匹木に激突してる。
バカなのかなバカなのでしょう。
いやあ奇襲するにしても私が死体漁りじゃなくて遺品回収してる途中にするとか。
攻撃の時に気勢をあげて俺にばれるとか。
挟み撃ちのタイミングとか。
何か適当だな~って疑問だったけどバカだったみたいだわ。
あいつらも後1匹。怠慢なら俺に敗北は無い。
俺は反転し木を遮蔽物にしながらゴブリンに近づいていく。
その距離5mくらいだろう。向こうも無闇に突撃してきたりはしない。
この中途半端な頭があるからゴブリンに対して過剰に警戒しちゃったんだろうな。
でもこれが人間なら俺は3回は死んでたかもしれない。
異世界に来て1月も経ってないんだからこれからも安全第一に行こう。
投剣を取り出し木を中心にぐるぐると回り続けるゴブリンと俺。
この状況に焦れてきたゴブリンが大振りの一撃を振るう。
木に邪魔をされ攻撃の反動で一瞬やつの動きが硬直する。
顔面に向けておもいっきり投げると1本は顔にもう1本は胴体にささった。
さすがにこの距離3m。無事あたったわ俺メジャーリーガーも夢じゃないかもしれんわ。
蹲るゴブリンに対して風の矢を放ち絶命させる。
首がぽとっと落ちその眼は俺を睨み続けるようにこちらを見ている。
俺は視線を無視して先ほど倒したゴブリンのナイフを回収した。
ボロボロのナイフだけど何も無いよりはマシだろう。
一息つき残りのネクタスを一気に飲み干す。
体の疲れがきれいにとれ森の中を駆け回ってできた擦り傷も消える。
残りは林檎が3つしかない。
またもや森で迷子とか俺の人生どうなっているんだろう。
戦闘シーンは慣れません。