I can fly.
ふう。
いや~危なかったわマジで。
結論から言うとシロ君に助けてもらいました。
大蛇の尻尾を咥えてズルズルと引き摺りあげてもらい地上に生還。
その間口から嘔吐みたいに血をかぶる俺。
いや~ここまで来ると悟りが開けちゃいそうだわ。
もちろん大蛇はスタッフで美味しく頂きました。
鶏肉みたいな味でなかなかな感じ。調味料がないことだけが悔やまれるわ。
えっ小人以下他のは処分してもらったままだけど?
さすがに人型は抵抗感がね。カニバリズム~なんて目覚めても怖いし。
ここ数日でいろいろと価値観の崩壊やら起きたからな~。
前世では喧嘩すらしたこと無かったはずなのに。
人間適応力高いわ~とか思っちゃうしな。
無事ラスボス大蛇も倒したことでシロ君には合格を頂きました。
どうやら今までの会話は念話というものらしい。
脳に直接語りかけるもので普段使わないからシロ君でもしんどいらしい。
違和感はあったんだよな~。でも異世界だしなとか勝手に結論だしちゃってた。
もう少し気をつけないとだめだな。
残りの道中はシロ君に乗って直ぐ着いた。
シロ君がいたら怪物も近づいてこないし乗り心地もいいし可愛いし何か離れがたくなってきちゃった。
予定通り8日目の朝に次元の歪みの前に着いた。
大陸を分断するような底の見えない峡谷の途中に30m程横に広がる靄のようなものが見える。
降りれるような所も無くこれは飛び降りろってことなのかなって後ろを向くとシロ君がいい笑顔でこちらを見ていた。
8日も一緒にいれば何となく言いたいこともわかってくる。
ニヤニヤしてやがるぜ。あいつ。
そりゃあ命は救われたし戦い方は教えてくれたし次元の狭間まで運んでくれたけど
・・・あれ悪い所ね~な。イケメンポイント1000点から1点引いたところで変わらないか。
でもあんな血まみれデスマッチはしてもまだスカイダイビングはしてないしな。
高所恐怖症だし今回も無理かな~なんて思いながらチラ見するあざとい俺。
(しゃーないな。)
1言呟き俺を咥えるシロ君。マジあざ~す。と心の中で唱えていると甘噛みされてしまった。
あっ気持ちいいわコレ。そう思いながら風呂上りに湿布を張ってはわわな気分のおっさんみたいな顔をしていると急に浮遊感を覚えた。
「やばい。やばいやばいいいいいいいい。」
近頃の若者みたいなことを叫びながら歪みに向かっていく。
まともなことは考えられずおばあちゃん親不孝でごめんなさいなどと意味不明なことを思いながらどこぞの白いMSの大気圏突入ばりに突っ込んでいく。
靄に突入したと思った瞬間にどこぞの草原の中で俺は座っていた。
辺りを見渡すと普通の草原と目の前に普通の森があった。
草原といえば黄緑で森と問えば緑という当たり前の現状がこんなに安心できるとは思わなかったは。
さてこれからどうするか?と考えた瞬間、森の方から悲鳴が聞こえてきた。
さて戦闘も覚えたし助けに行ってみますか。