第零章 第一話
更新だお
ルキフェルは寝泊まりしていた小屋から出ると、何の迷いもなく森の中に足を踏み入れた。
木々が覆い茂る深い森。それも魔界の森は非常に危険が潜んでいる。
植物に擬態した魔物、地中に潜んだ魔物、四足歩行の凶悪な魔物など様々な魔物が闊歩している。特にこの森にはそういった化物がうようよと住み着いている危険な場所なのだ。
基本的に殆どの場所が弱肉強食で危険の地域が多いが、魔界にも地区によって危険度が変わる場所がある。
魔界の半分を支配する『七悪神』(ダエーワ)の領地は場所によって多少危険度は変化するが、それでも比較的に安全な地域が多い。だが個性的な者が多い『七大罪の魔王』(セプティプル・ダークロード)の領地はその限りではない。
例えば“色欲の魔王”アスモデウスが統治する領地だと性が非常に乱れている。陵辱、強姦、奴隷売買が当たり前のほか、男色の者まで数多くいる。
そしてそんな危険地域の中でも最も危険度が高いと言われている場所が“傲慢の魔王”ルシファーこと、ルキフェルが統治する領地、通称“死界”。半端な実力者が領地内に入れば、僅か十秒で魔物に食されると言われている死が当たり前の地域。魔界に於いて弱肉強食が最も色濃く表された最高位の危険地域である。
ルキフェルはそんな地域の魔王をしているのだ。
魔王といえども高位の魔物を配下にするには時間がかかる。そんな高位の魔物を全て自分の配下にしてる故にルキフェルは『七大罪の魔王』(セプティプル・ダークロード)中、最強と言われている。
ルキフェルが現在歩いている場所は“捕食樹海”と呼ばれる森だ。植物に擬態した魔物が数多く潜んでおり、魔界一危険な森と言われている。
その他にもルキフェルの領地には“亡霊荒野”、“深淵海”、“凶獣草原”など魔界全土でも屈指の実力を誇る魔物がうようよと彷徨いている。
「“世界樹”、“闇騎士”、“古代魚”、領地の管理を頼むぞ。“獅子王”は俺と来い」
周りには誰も居ないはずなのにルキフェルは頼むように言う。だがルキフェルの声は確かに四体の魔物に届いた。
“世界樹”、“闇騎士”、“古代魚”、“獅子王”、それぞれ“捕食樹海”、“亡霊荒野”、“深淵湖”、“凶獣草原”の主だ。それぞれ自分の住処に居た四体は正確にルキフェルの声を本当に捉えていた。正真正銘の化物である。
特に来るように命令された“獅子王”は自らの巨大な翼を広げで空に飛びだった。
「……そろそろだな」
ルキフェルは何かを察知したのか、空高く跳躍する。
「よし。丁度だな」
遥か上空でルキフェルは見た。巨大な翼を生やした獅子が、こちらに向かって飛んできているのを。
ルキフェルが丁度上空の滞在時間が終わりを迎えた瞬間に“獅子王”はルキフェルの足下に到着した。
ルキフェルは“獅子王”の体の上に着地すると、正面を向き胡座をかいて座った。
「城に行く。久しぶりに頼むぞ」
『ゴガアアアアァァァァァァァァァァアアッッ!!!!!』
“獅子王”はルキフェルの言葉に返事するように咆哮を上げた。
◇
その咆哮をいち早く聞き取ったのはルキフェルに城を任された数人と彼を追い求める一人の女性だった。
「ふふふ、ようやく森から出てきたようね」
着込んだ外套の下からでも分かる魅惑的な肉体をした美女がルキフェルと“獅子王”が居る方向を見据えている。彼女の名はリル・リリス。自分がルキフェルの正妻であることを信じて疑わない狂信的な女性である。
「ああ……ルキフェル。私のルキフェル。待ってて、今すぐ会いに行くわ」
呟くと同時にリル・リリスの体が浮かぶ。これはリル・リリスの“神力具”、『嵐帝』(テンペスター・エンペラー)の能力の応用で使えるようになった“飛行術”である。
魔法でも空を飛べるがリル・リリスはこちらを好んで使う。単純にこちらのほうが速度が早いのだ。
『嵐帝』(テンペスター・エンペラー)は風、雷を自在に操る能力を有する。それ故に能力を極めれば極めるほど本物の風、雷の速度に近づく。
そしてリル・リリスは『嵐帝』(テンペスト・エンペラー)の能力を全て掌握している。つまりリル・リリスは風、雷と同等の速度で飛翔出来るということだ。
「ん? あれは……」
飛翔中にリル・リリスは彼女と同じく空を翔る者を見つける。そしてその正体を理解して驚愕の表情を浮かべる。
「“憤怒の魔王”サタン……」
ルキフェルの領地に続いて危険な領地を有する魔王。極めて高い戦闘能力を有し、『七大罪の魔王』(セプティプル・ダークロード)一の国土を保有している。
サタンの領地、通称“堕天界”は追放され天人が住む領地である。
さらに領地内には“死界”の危険地域に匹敵する危険度を誇る“竜王山”と呼ばれる竜の住処が存在する。魔王に匹敵する“帝王竜”ジルヴォールが存在するため、魔王も迂闊に出だし出来ない地域だ。
そんな領地を支配する魔王サタンは、どうやらリル・リリスの存在に気づいたようで薄く笑っている。
「“闇夜の魔女神”リル・リリスか……。これで『古の女神』(エンシェント・ヴィーナス)最後の一人まで奴に惚れたことになるな」
リル・リリスはサタンの言葉にピクッと反応を示す。そして凄まじい形相でサタンに詰め寄った。
「……それは一体どういうこと? あの戦闘狂と似非淑女がルキフェルを誑かしたとでも言うの?」
「……好いた男に関しての言葉は一説も聞き逃さないその聴力。感心すればいいのか、呆れればいいのか……」
サタンの心底呆れた様子にリル・リリスはイライラしながらも、再度同じ質問をする。
「そんなのはどうでもいいわ。私が聞きたいのは、あの二人、奈々鬼とフレイヤがルキフェルの下にいるのかどうかよ」
「……“朱髪の鬼神”はルキフェルの側近、“狂乱の戦女神”は城のメイド長をやっている」
「あの二人、私を差し置いて何時の間に……くっ、こうしてはいられないわね」
リル・リリスは情報を手に入れると即座に移動を始めた。
サタンは凄まじい速度で離れていくリル・リリスを見ながら、溜息混じりに呟く。
「本当に厄介な女達に好かれるな。私なら絶対にごめんだ」
サタンが厄介と思うのも無理はない。
“闇夜の魔女神”、“朱髪の鬼神”、“狂乱の戦女神”の三人は遥か古から存在する三種族の王であった者だ。因みに魔人の王であった者のがリル・リリス、亜人の王であった者のが奈々鬼、天人の王であった者のがフレイヤである。
三人が何故玉座を降りたのかは今もなお分かっていない。
「ふっ、だが……本当に面白い男だ、貴様は」
昔は戦闘能力は勿論、誰も寄せ付けない孤高の存在とされていた彼女達を骨抜きにしたルキフェルの魅力に感心と羨望を覚えていた。だが今となっては、その魅力の使いどころを間違えると厄介事に巻き込まれることに気づき、同情を覚えてしまうくらいだ。
「さて私も向かうとするか」
もう見えなくなったリル・リリスが向かった方向と同じ方向に向かってサタンは自信の血のように赤い十枚の翼を羽ばたかせた。
◇
巨大な獅子が空を飛ぶ。その光景にルキフェル領唯一の町、ヴァルハラの住人達から歓声が上がる。
彼、彼女らは巨大な獅子、“獅子王”に騎乗しているのがルキフェルだと理解している故の行動である。自らの国の王に忠誠を誓う。ヴァルハラの住人達は全員がルキフェルに忠誠を誓っているのだ。
『七大罪の魔王』(セプティプル・ダークロード)が統治する領土は魔界の半分を占める。その中でもルキフェル領は最も領土が小さい。だが誰も手出しが出来ない。何故か? それはルキフェル領の住人達が全て上級魔人、特級魔人と呼ばれる存在だからだ。
魔人には下から下級、中級、上級、特級、魔王級と階級が存在する。上に上がれば上がるほど実力が高いと証明できるのだ。
階級の見分け方は手の甲に現れる紋章を見て判断する。階級が上になるほど、手の甲の紋章は大きくなる。
そして普通ただの町の住人は下級魔人が多いのだ。だがルキフェル領に関しては、それは当てはまらない。
ルキフェル領の住人は兵士。それも自己鍛錬や実戦で鍛え上げられた者達である。
さらに上級、特級とまできたら城に仕えるのが魔界の常識だが、ルキフェルの城も常識に当てはまらない。
ルキフェルの城に仕えることが出来るのは千人のみ。それも選りすぐりの特級魔人のみである。
そして現在ルキフェルが帰ってきたことにより、城に仕えていた者達は静かにルキフェルの帰りを待っていた。
翼を動かす音と共に風が吹き荒れる。しかし、城の広い中庭に集まっている総勢千人のルキフェルの部下達は微動だにしない。さらに凄まじい風圧を意に介したりもしない。
「……何時見ても、感嘆するな。よく、こんだけの優秀な部下が集まったもんだ」
頭上から聞こえてきた声に千人の特級魔人が一斉に膝を着く。
「お帰りなさいませ、ルキフェル様」
一番始めに声を発したのは、この城のメイド長フレイヤだった。
ルキフェルは自分が最も信頼する部下の一人に自然な笑みを浮かべると、“獅子王”の背から跳躍して芝生に着地する。
「“獅子王”」
上を向いてルキフェルが“獅子王”の名を呼ぶと、“獅子王”の足下に巨大な魔法陣が発生する。
そしてポンッと小さな音が聞こえると、“獅子王”の姿は巨大で雄大な姿から小さくて可愛らしい姿へと変化した。
“獅子王”は小さな翼をパタパタと羽ばたかせ、ルキフェルの頭に乗っかる。
何時ものことなのでルキフェルは特に気にせず、部下達の方に歩いていく。
「畏まらなくていい。それとフレイヤと奈々鬼は俺と一緒に来い」
着ていたコートを近くのメイドに預けるとルキフェルは城の中に向かって歩き始めた。フレイヤと奈々鬼もそれに続く。
「俺のいない間に特に何かあったか?」
「いえ、特に何もありませんでした。強いて言えば、わたくしはとても夜が寂しかったですわ」
周りに奈々鬼以外誰もいないのを確認するとフレイヤはルキフェルの腕に自身の腕を絡ませる。
「あなた様が居なかったこの二年間。毎夜毎夜、一人で自分を慰めていましたの。ですから、今晩はわたくしの部屋に……」
「なに勝手に決めてんだい。あたしのことを忘れてもらっては困るよ」
フレイヤが絡めている腕とは逆の腕に近衛隊長の奈々鬼が腕を絡めてくる。
「フレイヤのことなんかほっといて、あたしの部屋に来ないかい? あたしの体で快楽に溺らせてあげるよ」
ルキフェルが今まで見てきた女性で最も大きな胸を腕に押し付けて、奈々鬼はルキフェルを誘惑する。
奈々鬼のあからさまな誘いにフレイヤは顔をしかめて、奈々鬼を睨み付ける。
「奈々鬼、近衛隊長とも在ろう者が痴女紛いな行動をするのはお止めなさい。見ていて吐き気が出てきますわ」
「カッカッカッ、言うじゃないか。あんたこそ、ルキフェルの部屋で自―――」
奈々鬼が何かを言う前にフレイヤの蹴りが顔に飛んでくる。それをまともに受けた奈々鬼は僅かばかり、体を反らすがすぐにフレイヤに向かって拳を放った。
フレイヤは両腕を交差して、その拳を防ぐ。
メイド隊、通称“ヴァルキュリア”の長と近衛隊、通称“エインヘリャル”の長の一秒にも満たない攻防。圧倒的な技量と経験を合わせ持つ二人だからこその、高等な戦い。
だが二人が次の戦いを始める前にルキフェルが二人を止める。
「ったく。分かったからもめるな。今晩は二人で俺の部屋に来い」
「それなら……」
「了解……」
二人は渋々だが拳を収めた。
二人が納得したのを確認するとルキフェルは再び歩きだそうとする。しかし―――
「この魔力は……」
「……やっぱり来ましたわね。予想していたことですが、実に厄介ですわ」
「彼奴は嫉妬深いからな。面倒なことにならなければいいが……」
「はぁ………仕方ないか。一回中庭に戻るぞ」
ルキフェルは来ていた道を戻り出す。そしてルキフェルに続いて二人も歩き出した。
◇
中庭では“エインヘリャル”の魔人達が十人ほど、警戒を強めて上空を見ていた。
この強大な魔力がいったい誰のものか知ってはいるが、城を警護することに信念を持っている身。たとえ自分達より実力が上だとしても、簡単に通すつもりはない。
しかしそれも杞憂に終わる。城の中に入っていったルキフェルとフレイヤ、奈々鬼の三人が戻ってきたからである。
「ご苦労さん。彼奴は俺達がどうにかするから、普段通りに過ごしてくれ」
『はっ!』
全員見事な敬礼を見せると、彼らは本来の持ち場へと戻っていった。
そしてしばらくすると空から一筋の閃光が現れる。閃光は真っ直ぐにルキフェル達の下に近づいているが、ルキフェル達は別段気にした様子はない。
真っ直ぐと閃光を見つめていると、閃光はルキフェルの目の前に落ちてきた。と、いうより着地した。
一筋の閃光の正体はルキフェル達の予想通りの人物だった。
「やっと会えたわね、ルキフェル」
「まあ、確かに久しぶりではあるがな。それで何かようか?」
「ふふふ、愚問ね。私がルキフェルに会いに来る理由なんて無いといけないのかしら?」
不敵な笑みを浮かべながらリル・リリスはルキフェルに近づいてくる。
だがそれをフレイヤと奈々鬼が許さない。
「それ以上近づかないでくださいませ。ルキフェル様に貴女のような危険人物を近づけるわけにはいきませんわ」
「いい加減諦めたらどうだ? 確かにお前はルキフェルの初めて(・・・・・)の女かもしれないが、それ以上でもそれ以下でもないのも事実だ」
「黙りなさい。ルキフェルの隣に立つべき女は私、私以外には居ないわ。いえ、私以外は赦さないわ」
リル・リリスは凄まじい殺気を放つが三人は怯んだ様子を見せない。
フレイヤと奈々鬼はリル・リリスと並ぶ実力なのだから当然だ。そしてルキフェルも、また魔王である。殺気程度で怯むことはない。
「俺は別に嫁を貰うことは構わないんだが……お前を嫁にしたらフレイヤと奈々鬼を追い出すだろう?」
「ええ。私以外の女は抱かせないわ」
「それじゃあ駄目だな」
ルキフェルの言葉にリル・リリスの視線が厳しくなる。
「俺の女であり、最も信頼できる部下を易々と手放すことは出来ない。それに俺は何より縛られることが嫌いだ」
「なら力付くでも……」
「出来るのか? 俺とこの二人を相手に」
フレイヤと奈々鬼がルキフェルの前にでる。流石に自分と同等の実力者の二人を同時に相手取れば、彼女も大人しく引くしかないだろう。
「なんで……私じゃ、駄目なの?」
「いや、俺が人間で在った頃なら間違いなく俺はお前を選んでいた」
リル・リリスは潤んだ瞳でルキフェルを見つめる。
確かに人間の感性ならば多数の女性を囲うことをいい目では見られないだろう。しかしルキフェルは色々と変わってしまった。故に一人を選ぶことなどしない。たとえ肉体関係を交わした仲だとしても。
「だが今の俺は魔王、魔人の長だ。人間で在った時の感性はとうの昔に無くした」
「それでも私はッ!」
リル・リリスは諦めない。自分にとって最初で最後であろう感情を成就させるために諦めるわけにはいかないのだ。
「俺はなんだかんだ言ってお前もフレイヤも奈々鬼も好きだぞ?
だがな……もう一度言うが俺は縛られることが嫌いなんだ」
そう。それ故にフレイヤも奈々鬼もルキフェルの愛人として、信頼できる部下として、ルキフェルの家族として、ルキフェルの傍らに居ることしたのだ。フレイヤも奈々鬼も結果的にそれで満足している。
だがリル・リリスはそれがどうしても受け入れられないのだ。彼女はどうしてもルキフェルの中で一番になりたいのだ。
「嫌ッ! 私は貴女の一番になりたいの。愛した皆が皆一番だなんて私は認めないわ!」
「それでいいんだよ。女は惚れた男の一番になりたい。逆もまた然りだ」
「それを知っていながら、どうして私を一番にはしてくれないのッ!? 私はこんなにも貴方を愛しているのに!」
それがリル・リリスの本心。ルキフェルと出会い、触れ合っている内に芽生えた感情である。
人間がまだ二足歩行ではない頃から生きてきた彼女が初めて恋い焦がれた男、それこそがルキフェルだ。初めて芽生えた感情に戸惑いながらも大切にしてきた彼女はルキフェルの一番になりたかっただけなのだ。
「愛、か。そこまで言うなら俺はお前を正妻として迎えてもいい」
「ぁっ………」
「なれるものならなってみろ。俺の一番にな」
それだけ言い残すとルキフェルは踵を返して城の中へと歩いていった。
「……あまり、ルキフェルを責めてやるな。彼奴はただ怖いんだよ。信じることが」
「貴女も知っているでしょう? あの方が“時の狭間”に落ちて、この世界に来たことを。そして魔界が最も酷かった時代に落ちてきたことを」
「そんなこと貴女達より知っているわ」
三人はルキフェルの過去を知っている。ルキフェル自身が偶々彼女達に話したのだ。
それはあまりにも悲惨で地獄のような過去。初めから強者として生まれた彼女達では底辺から這い上がってきたルキフェルの気持ちを分かることが出来なかった出来事だ。
「裏切りと殺しが日常茶飯事の世界に慣れてしまった故の言動か。あたし達のような奴らには一生理解できないことだな」
「裏切りへの恐怖、失うことへの恐怖、虐げられることへの恐怖。ルキフェル様はわたくし達が経験したことのない地獄を生き抜いて来たのですわね」
「そうよ。だから私は彼を支えたいの。私は決して側を離れないし、決して死なない。ルキフェルを愛しているのも紛れもない事実よ」
過去を忘れることは出来ない。だが過去に拘らず、ルキフェルには未来に生きてほしいと彼女達は願っている。
「彼の一番になることを諦めたわけじゃないけど、貴女達には協力してもらうわよ」
「言われるまでもないよ。あたしはルキフェルを支える。たとえ彼奴の一番になれなくてもな」
「わたくしも奈々鬼と同じく、ルキフェル様を支えますわ。今のわたくしはルキフェル様に必要とされることこそが生き甲斐ですから」
ルキフェルに惚れた経緯は違えど、最終的な目的は同じ。三人はルキフェルという一人の男を支えることをここに誓った。
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