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マニピュレーター 8

 事故現場付近では、ずぶ濡れになった捜査員達が疲労の色を濃くしていた。既に可能性は林奥の湿地帯しか無くなり、激しい雨で水かさの増したぬかるみを杖で突きながらの捜索を続けていた警官は、うめきながら腰を伸ばした。


「暗くなってきたな」


 雨音に言葉の意味を遮られた同僚が、なんだって、と叫ぶ。


「くらく、なっちまった、な!」

「ああ、そろそろ潮時……なんだありゃ?」


 返事も早々に警官は叫んだ。


「頭、みたいだが? いや頭だ!」

「穴に水が入って浮いてきたのか」


 そこには黒いヤチボウズのような人間の頭が浮いていた。周りから集まった警官が三人掛かりでそれをずるずると引き上げる。


「指輪! 裏側にK・Sの刻印有り! 清子のイニシャル」

「間違いないか? 清子で」


 目は抉られ乳房が無くなった全裸の姿で、清子は湿地の深い穴に押し込められていた。顔の穴と言う穴には強引に詰め込まれたように泥が詰まっている。関節は死後硬直し、まるで跪いて祈るような格好のまま雨に打たれている。

「なんだこのロープ」

 一人がその腹に括り付けられたロープを手繰り、清子が居た水溜りから何かを引き上げる。

「ごみ袋……」

 透明な手袋を嵌めた一人が、それをゆっくりと解き、中に懐中電灯を当てた瞬間、喉の奥から搾り出すような声を上げ、顔を背けた。

「これは……むごい」

 そこには、恐怖とも怒りともつかない歪んだ表情をした黒髪の少女の頭部と、バラバラに切断された体が長い髪に絡まったまま押し込められていた。


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