魔術5番勝負 第1回戦
この1週間は…
謎のブザーとアナウンス音によって、不意打ちによる攻撃を全て撃退してくれた。
お陰で精神統一と体調管理はバッチリだった。
S月T日 レスカーデン 競技場
魔法省から派遣の審判が3人
実行責任者として 魔法省長官である父とレスカーデン中等部理事長
見届け人として レスカーデン中等部校長が立ち会う。
噂を聞きつけた一般生徒もギャラリーとなり、なかなか大掛かりな大会となってしまった。
サッカーフィールド2面程の競技場のセンターに、ルイスと梨咲が向かい合う。
『1番 地属魔法
この勝負においては地魔法を用い、より早く、大きく、精巧な創作物を作り出した方が勝者となる』
つまり第1回戦は土魔法で、大きなものを早く、正確に作れた方が勝ち!と、いう勝負。
自分のイメージがモノをいう、想像力が求められる勝負だ。
そしてそれは梨咲の不得意分野。
この勝負の制限時間は 30分。
短いこの時間の中で、どれだけインパクトを残せるか…。
梨咲はこの期に及んでまだ何を作るか考えていなかった。
どうしよっかな?
インスピレーション、浮かばないんだよねぇ〜
競技場を広く見渡しながら、インスピレーションが浮かぶ事を期待する。
一方のルイスも何を造ったらいいのか考えが纏まらない。
大きいと言ったら…世界…、世界地図?
他に大きいって何だ?
モンスターの大きさもこの会場だと高が知れている…。
いっそ豪邸でも作って梨咲さんとの新婚ライフでも想像して楽しもうかな?
2人が製作物に困っていると、
『今回はより審判に判り易く、公平を期するため、お題をこちらから与えます。』
突如審判からそんなアナウンスが入った。
『お題は レスカーデン です。』
梨咲は顎に指を添え、考える。
ルイスはOkay!とニヤリとした表情を見せた。
『制限時間は30分。お題はレスカーデン。競技場内のセンターを超えない範囲で、より早く、大きく、精巧な創作物を作り出した方が勝者となります。 質問はありませんね?』
審判の問いに2人は頷く。
『只今より 魔術五本勝負、第一回戦、地属魔法対決を開催します。』
梨咲とルイスがセンターで向かい合う。
梨咲はこの前の不意打ちのキスを思い出し苛ついた。
「今日はポニーテールですか♪珍しいですね♡」
梨咲は冷ややかな目線だけを送り、ルイスの言葉を無視する。
『両者、始め!』
審判の声と共に2人は後方に飛び退く。
両者は直様 地の魔法を発動し、製作に取り掛かる。
ルイスは限られた敷地面積を限界まで使い、1つの街と言っても過言ではない、広大な敷地のレスカーデンの全部を再現していく。
正門からセントラルガーデン、中等部は勿論、大学、初等部、高等部のキャンパス、寮棟などなど…。
どんどん出来上がっていくレスカーデンの再現に、ギャラリーが歓声をあげる。
一方梨咲は
原寸大の大きさで中等部校舎を再現していく。
梨咲の足元からいつも通る廊下が出来上がり、壁、窓の外の景色、天井、教室…
梨咲のイメージがわかりやすい。
こちらも徐々に大きくなっていく。
教室の机や窓のカーテンは本物かと見間違う程 再現度が高く、こちらもギャラリーの歓声を浴びる。
30分の制限でどこまで造れるか…
イメージ力、地魔法のスピード、正確性、集中力、体力…。
どれかが欠ければすぐに負けに転落する。
30分後の勝敗の行方は… ?




