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見えないリボン


「マリー?どうしてここに?」

梨咲は自室のベッドの隣に座るマリーに当然の質問をした。


「勝手にお姉様のお部屋に上がらせて頂いて申し訳ありません。お姉様はお兄様との勝負後に短剣で負傷され、烏滸がましくも私がお姉様の回復をサポートさせて頂きました。」


「そう…だったの。 ありがとう。マリー…。」


梨咲はゆっくりと部屋を見回した。

いつもと変わらない いつもの風景…


「…っ! 私、生きてたんだ…!」

両腕を両手で抱えて自分を抱きしめる。

涙が溢れた。


「もう2度とルイスに会えないと思ったの…!!」

ボロッと涙を流して思いの丈が溢れる。


それから口から出た言葉にハッとした。

1番最初に思うのは… ルイスのことなんだ…。


マリーはその様子をそっと微笑んで見ていた。


「お加減が大丈夫そうでしたら起き上がってみませんか?」


マリーがサポートしながら、梨咲はベッドの上に起き上がった。

「!…あ、あれ?背中、全然痛くない…!それに、前より調子が良いかも…?」

梨咲は調子を確かめるように少しずつ体を動かし、立ち上がってみる。

「うん!すごく調子がいい!マリー、凄いな!!」

梨咲が興奮気味に話すので、マリーは嬉しくなって微笑む。


それから梨咲はカチューシャをプレゼントされた事を思い出す。

「ああ!そうだ、マリー!髪飾りもありがとう!

すごく可愛いくて、勿体無いからまだしてないんだ…。」

「お気に召さないかと心配していたのですが、それなら良かったです。もし宜しければ着けて見せて下さい。」

マリーに言われて梨咲はカチューシャを出してくる。

レトロピンクの落ち着いたシンプルなカチューシャだが…、梨咲は見慣れなくて心配する。

「 /// 私が着けてて変じゃないかな?」

「いいえ。私の見立て通り、とっても素敵にお似合いだと思います。」

漆黒の梨咲のきれいな髪にシンプルなデザインと落ち着いた色合いで、とてもよく似合っていた。

梨咲はマリーに言われて照れてしまう。

「こんな素敵なモノを!ありがとう、マリー。」

梨咲はカチューシャをつけたままにする。


「さて、本題はここからなのですが…」

マリーは微笑みながらも話しにくそうにする。

「? どうした?」

梨咲もマリーの話しにくそうな雰囲気を察する。

「お姉様の猫ちゃんの事なのてすが、前にお会いした時から気になっていまして…」 

そう言いながらマリーは膝の上で眠り続ける凛の首元を指した。

「普通の方には見えないと思いますが、ここに絡むように細いリボンが巻きついています。」

マリーに言われて見てみるが、梨咲にもそのリボンは見えない。

「これを解くと、凛は人の姿に戻れると思います。」


梨咲は驚いた。

今まで色々な書物を読み漁り、調べた。 

手掛かりになりそうな事は片っ端から挑戦した。


それが… 今 正解に辿り着くかもしれない?

「本当?」

梨咲は思わずマリーの肩を掴んだ。


「はい。ただ…凛が人の姿に戻る事をあまり望んでいない様でして…。」

マリーが困った顔をする。


「え…? そんな事はないだろう?」

梨咲も困惑する。梨咲は他でもない凛に頼まれて色々調べていたのだから…。


「人の姿に戻る事はお姉様との決別を意味します。

凛は戸惑っているし、お姉様にもご意見を伺わないと、勝手にこのリボンを解くことは出来ません。」


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