表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/47

だから… って 渡さない

梨咲はそのまま図書室へ向かう。

召喚魔法についての書物を読み、基礎から勉強する。


その後実践室に移動し、実際に魔法陣を描いてみた。

約3時間、集中しっ放しだった。

「さすが梨咲様!飲み込みが早いですね!」

凛が梨咲を褒める。

いつだって凛に褒められる事は梨咲にとって1番嬉しい事。梨咲も実際に描けてホッとした。

「後は実際に召喚出来るかだな…。でもそれは…明日にするか…。」

梨咲はふらふらとその場に座り込んだ。


「り…梨咲様?!」

凛の慌てた声を聞きながら梨咲はその場に倒れた。


凛は自分を責めていた。

ああ!なんという事だ!梨咲様の仕えとして失格だ!

こんなに疲れていたのに気がつかないなんて!!

梨咲様の性格を思えば予測の出来た事…!

何故止められ無かったのだ!!

同時に自分の非力さを呪う。

ああ、私が人であったなら…

魔力があったなら、回復して差し上げられるのに…。


凛は倒れ込んだ梨咲の顔を見る。

気持ちよさそうにすやすやと寝ている。


暫くはここでおやすみ頂くしか…


その時、ルイスがそっと実践室に入ってきた。

凛はルイスを見るとふ〜っと毛を逆立てて威嚇する。


ルイスはしーっと人差し指を立ててそっと梨咲の横に座ると回復魔法を梨咲に掛け始めた。

「…こんな事だと思いましたよ?コレでおあいこですね。」

眠る梨咲に静かに話かける。


ルイスは凛が何か良からぬ事を起こす前に、自分から近づく事にした。

凛に話し掛ける。

「…凛は梨咲さんが好きなんだろう?」

「当たり前だ!」凛が喚く。

「そうじゃなくて、恋愛感情なんだろう?」

ルイスはなるべく凛を刺激しない様に穏やかにに質問する。

「私は猫だぞ? …そもそも私には、そんな資格はない!」

間が空いて、凛が声を落とす。

「資格?人を好きになるのに資格がいるのか?」


「私は…梨咲様のお母様の自害を防げなかった。」


突然の凛の告白にルイスは驚いて凛を見る。

ルイスはギュッと胸を掴まれた様な気がした。


凛は静かな目をして淡々と話を続ける。

梨愛りあ様をお慕いしていた。梨愛様も梨咲様の様に自由を束縛され、国の為に嫁ぎ、悲観し、自害された。私は…その責任を負い猫の姿に変えられ、魔力を奪われた。お陰でこの通り、何も出来ない。」



ルイスは凛の無念さを感じて言葉が出てこなくなった。

  

「梨愛様の忘れ形見である梨咲様を立派に育てあげ、出来ればこの呪縛から解放してさしあげたい…。

だから、貴方との結婚は反対です。梨咲様を利用する全てのものが嫌いです。」


凛の話を聞いたルイスは心を痛めた。

だから凛はいつもあんなに鋭い目をして、梨咲さんを守ってきたのか…。

梨咲さんの母を守れなかった無念を繰り返さない為に…。


「…辛かったね、凛…。」

思わずひと言、本心が出てしまった。


凛が激高する。

「なんですか?!同情ですか?!そんなモノ、必要ありません!!!貴方なんかに何がわかると言うのです!!」

凛の計り知れない痛み、悲しみ、苦しみ、怒り…そして梨咲への愛…

どれを取っても想像しきれない。

同情なんて出来る訳がない。

でも… だからって

俺も引けない…


「うん…。想像しきれないよ。凛の痛みは俺には計り知れない。でも…俺も梨咲さんが好きなんだ…。譲れないよ。」


「梨咲様を好き?!笑わせないで下さい!!益々梨咲様を渡す訳にいきません!!」

ルイスの想いに凛は不快感を表した。


「うん。そうだろうね。」

凛の梨咲に対する愛は…最もだと思う。


「凛のその魔法…どうやったら解けるんだろうな?」

ルイスは願わずにはいられなかったが、ルイスの言葉は凛の苛立ちを増していくばかりだった。


「そんなモノを知ってどうするのです。今までだって手を尽くしましたし、それこそ梨咲様が熱心に調べてくださり、何度も危険な思いをされています。

まさか貴方が私の魔法を解きたいと?

そんな危険な思いをわざわざされますか?」

「凛が戻りたいと願うなら、俺も力になりたいと思う。」

「お人好しですね!もし戻れたとして、よいよ梨咲様をお渡ししませんよ?貴方には何1つ実がない話ですね!」


願わずにはいられない。凛が幸せを手にする事を…。

でも、全く反する事だけど、梨咲さんは譲れない。


「凛と…梨咲さんをかけて勝負が出来たらいいね。」

ルイスはそう言うと梨咲のおでこにそっとキスをする。


愛しそうに梨咲を見つめるルイスに凛は激しい怒りを覚えた。


凛も梨咲を 誰にも渡す気はない


「…そうですね。その時は是非とも手合わせ願いたいですね…!」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ