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プロローグ

ここは魔法が存在する世界。

この世界は学力と魔法力の優劣によって出世が左右されている。

よって学力、魔法力の優秀者がエリートとされている。


名門レスカーデンは優秀な生徒を輩出することで有名な、いわゆるエリート学校。

あがた梨咲りさはこのレスカーデンにおいて成績優秀の名を欲しいままに手にしている、エリートの中のエリートであった。

小学校の頃より数々の最年少記録を樹立、学年トップを譲った事がない。

元々魔力の強い家系という事もあるが、魔法省長官の父の名誉に泥を塗らぬ様、彼女自身の努力による所も大きい。


「わ…梨咲さん、また学年トップ?!」

「すげぇ…。もうバケモノだな!」


どんな声も称賛と受取り、梨咲は皆のその扱いに満足していた。

小学校を主席で卒業し、現在中学2年生。

梨咲は顔立ちの整った清楚な和風美人という見た目で人気もあったが、本人は決して愛想がいい訳ではないので、近寄り難い雰囲気もあった。


トレードマークの長い黒髪をなびかせ廊下を進むと…

「梨咲さん!どうかオレと付き合って…」

廊下から急に飛び出して来た男子生徒。

状況反射で思わず火の攻撃を放った。

攻撃を浴びた生徒は黒コゲになってその場に崩れ落ちる。

「あら、ごめんなさい…!でも、興味ないので…」

黒コゲになった男子生徒をそそくさと跨ぎ、廊下を突き進む。

「梨咲様、ちょっとは手加減してあげたらどうです?」使い魔の白猫、りんが梨咲の肩の上から黒コゲの生徒を哀れな目で見る。

「…ちょっとコントロールが悪かったわ。」

元々天才肌な訳ではない梨咲はコントロールの悪さを素直に反省する。


教室に入ると数人の生徒が寄ってくる。

「梨咲、古語検定も合格したんだね!」

「しかも満点!」「もう、検定取得は何個目?」

彼女達の質問に考える。

「数は覚えてないけど…150個くらいかなー?」

「…まぁ、どっちにしろすごいわな…」

「でも梨咲聞いた?今年の1年生の子で、梨咲の樹立した最年少記録を次々に塗り替えている子がいるらしいよ?」

ぴくっ! なに?

梨咲は耳を疑った。

「学年トップは勿論、空中浮遊術の植木鉢耐久は40時間超えてたらしいよ!」

ぴくぴくっ! 40時間ですって?


空中浮遊術植木鉢耐久はその名の通り、植木鉢を空中浮遊術を使って浮かせ、その耐久を競うもので、気力、体力をかなり要する地味な競技なのだが、梨咲は38時間で去年世界記録を樹立したばかりだった。


「梨咲の上を行く子が出るなんてね…」

「名前は?」

梨咲はたまらずに相手の情報収集に努める。

「ルイス・デヴィッド・ロートンくんでしょ?中学からの編入生!有名人だよね〜」


梨咲には聞き覚えのない名前だったが肩の上に乗っていた使い魔の凛は息を飲んだ。

「…知ってるの?」凛に訊ねる。

「はぁ…まぁ…」曖昧な凛の返事に眉をひそめる。

「何か知ってるんなら教えなさいよ!」凛に詰め寄るが凛はだんまりを決めこむ。


ルイス…男…?

どちらにしろ私の身を脅かす存在には違わない。

梨咲は父と家の名誉を守るため、自分の栄誉を守るため、まだ見ぬルイスに警戒心を強めた。


「次の休み時間にご挨拶(偵察)に行ってみようかしら?」

にっこり友人達に話すと、みんな付いてくるという…。…偵察にならないな…。まぁ、いいか。


次の休み時間、梨咲は大名行列のように友を引き連れて偵察に向かった。


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― 新着の感想 ―
[一言] 空中浮遊術植木鉢耐久....。 地味だけど凄く大変そう!精神力とか忍耐力とか...。
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