Nina
『Nina』
Ninaが 開いた
突然だった
なべて ひとつにひとつ
Ninaが 開けば
なだれこむ たくさんの
最初は
ほの赤い光
あたたかな
そして
包み込む
ぬるい虚無
とげとげしいもの
ざらつく大地
熱い風
ねじれながら
はいのぼる
また 凪
眠くなる
ゆるり ゆるり
凍れるもの
鋭い切っ先
飛び散る
痛みの雪片
それから
歪な形
凝る
辺り構わず
張り裂ける
祈り
いつか必ず
Ninaは それが自分とは知らず
自分だけのものだとは思いもせぬまま
不意に閉じるのだった
そのとき
世界は始まりと同じように
一切
掻き消えるのだった