終幕-finale
王妃様は、マリンの捨てゼリフに肩をすくめ、
「さて、ジョージの結婚相手はダイアナで決まりでいいかしら?」
と国民に問いかけました。パラパラと拍手が起こります。王妃様は続けて、
「では、この中に、クォーツ夫妻、アランとエメラルドはいるわね。ここに来てくださる?」
エメラルドがアランに支えられて出てくると、ふたりの親友は、久しぶりの再会に、しっかりと抱き合いました。エメラルドは、もう涙ぐんでいます。王妃様は優しく笑って言いました。
「エメラルド、アランさん、気づいているわね?」
「ええ、もちろんよ。あぁ、私たちのダイアナ!」
「どういうこと…ですか?」
何がなんだかわからない、という表情のダイアナに、王妃様は少し潤んだ目で伝えます。
「あなたのご両親よ。あなたの名は、ダイアナ・クォーツ」
マリンに孤児だったと聞かされていたのでしょう。ダイアナは両親がいると聞かされ、エメラルド色の瞳がこぼれ落ちそうなほど、目を見開いていました。そんなダイアナに、エメラルドが涙で顔をくしゃくしゃにしてささやきます。
「ダイアナ…あなたを抱きしめてもいいわね?」
「もちろんよ。お父さん、お母さん!」
「ダイアナ、お前をまたこの腕に抱ける日が来るとは…。きっとこれは奇跡だ」
家族の再会の場に居合わせた人々は皆、感動して涙を流しました。さっきまでダイアナを責めていた人々でさえ。
王様は涙を拭い、改めて尋ねました。
「皆さん、ジョージとダイアナの結婚を許してもいいだろうか?賛成する者は拍手で答えてくれ」
大広間中に拍手が響き渡りました。鼻水をすする音も一緒に。
ダイアナは、もう意地悪なご主人にいじめられることはありません。家族と、愛する人と暮らしていけるのです。
ダイアナは喜びと安堵で再び涙を流しました。彼女の両親も泣きながら笑い、三人はもう一度抱き合いました。
お妃様はダイアナとエメラルドを順に抱きしめ、エメラルドに笑顔で言いました。
「いつかきっと、救われる。今度こそこの言葉は本当ね」
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