「お茶漬けさらさら」
暑さでなんかできた誰得な話です。
この時期、ごはんはデリケートだ。
「……っべぇ。そろそろ喰わねぇと傷むぞ、これ。」
鍋の中にそこそこ残る白米を見ながら、思わず呟く。
今の季節は、梅雨から初夏に移ろうかという頃。当然ながら気温は高く、梅雨が明け切っていないために湿度もやや高め。じっとりとまとわりつくような暑さが、着実に食欲を奪っていく。まぁその結果、米があまりがちになるのはいつものことで、今までは即座にラップに包んで冷凍庫に放り込んでいたのだが……最近暑さが増してきて、そうも言ってられなくなってきた。
米だって冷凍保存すれば、一応ある程度は保つ。が、しかし。これはあまり好ましくない。まぁ……現状、我が家の冷凍庫の半分近くが既に冷凍食品で埋まっていて、これ以上冷凍庫が圧迫されるのは避けたい、というのが本音なのだが(主に「アイスを入れるスペースがなくなる」、という切実な理由で)。
「…………さて。」
どうしたもんかな。冷凍庫に保存、という逃げ道は却下だ。そんなスペースはない。冷蔵庫のほうも同じだ。やはり、消費するしかない。だが、ここでもう一つの問題が顔を出す。
そう、食欲がないのだ。
ぶっちゃけ、暑いのが全て悪い。米があまりがちなのも、「暑いから今日はそうめんにするかー」と無計画に米以外の炭水化物を摂取したことがそもそもの原因だ。さらに、この暑さのせいでどうも食欲が湧かない。もうなんか、アイスだけ喰っていればいいやって気分になる。
だが、そうも言っていられない。
過度なアイスの食い過ぎは、腹を壊す原因になる。水分も同じだ。また、食事を抜くと栄養バランスが崩れ、熱中症や夏バテにかかるリスクも上がってしまう。
などとひとしきり考えた後に、暑さで茹だった頭に天啓が舞い降りる。その結論は、非常にシンプルだった。
そうだ、お茶漬けを作ろう。
思い立つやいなや、冷蔵庫の中身を確認に行く。探すこと1分。某会社のお茶漬けの素を無事発見。あとは……梅干しはある。鮭フレークの瓶もある。海苔、白ごま……ああ、沢庵もあったな。
お茶漬けに合いそうなものを、思いつく限り、適当に取り出す。あとは茶碗に飯をよそって、水を米が浸るぐらいに入れて、お茶漬けの素を溶かしたらとりあえず完成……なのだが、ここで一工夫。冷凍庫の中から氷の入ったタッパーを取り出し、中身の氷を一つ入れる。この氷は、白だしをキューブ状に凍らせておいたものだ。なんやかんや、うちではたびたびお世話になる。そして最後に、好みのトッピングを入れれば完成だ。今日はまぁ、無難に梅干しかな。
では……用意もできたことだし、いただくとしようか。
半分ぐらい実話です。
ううん……誰得w