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幕間之噺 ~【契約者】語る槍と嗤う剣、そして魔大陸の"頂"~

王国ホル 王都ラルヴァンダード 冒険者ギルド本部


「おや…?」

「どうした、リーダー?」

「なかなか面白い事が起きたみたいだね。みんなを集めてくれ、バーン」

「ん?みんなって言うと、全員か?けどよ、ハルカとカナタは今別の仕事を受けて王都にはいないぜ?」

「え、初耳なんだけど!?何で教えてくれなかったんだい!?」

「いや、言ったよ?ただお前がパフェをガン見してたから聞こえたかは知らんけど」

「あの時か!いや、あれはこの店が悪い!あんな美味しそうなのを見せつられたらガン見するのは仕方ない事なんだ!」

「あー、ハイハイ。俺が悪かったよ、甘党。で、その面白い事って何だよ?」

「んー、みんなが揃ってからがよかったんだけと………



≪聖戦の八芒星≫の一つが≪秘境≫から出たっぽい」



「…………………………は?マジか!?オイオイオイオイ!!何さらっと世界的に重大な事を言ってんの!?それ、本気で言ってるのか!!」

「うん、間違いないね。何せこいつ()が言ってるからね。そこらの占い師よりは正確でしょ?」

「それはそうだが…。分かった、メンバーを出来るだけ集めてくる。ハルカとカナタは来れるかどうかを≪念話≫してみよう」

「ありがとう、バーン」

「おう。そんじゃちょいと行ってくる。あんまり食い過ぎるなよ?」





「で、出てきた奴はどんな奴か分かるかい?」

『……』

「いや、君も結構な問題児じゃないか?初めに会った時は死を覚悟したからね、僕」

『……』

「ん?やっぱり一度は【契約者】に会っておきたいな。出来れば会話が出来たらと思ってるよ」

『……』

「いいじゃないか。君も久しぶりの再会になるんだしそんな事言うなよ」

『……』

「えー、そこでその事言う?相変わらず性格悪いな、君」





帝国カルスダン とある草原


「お?おぉ?新しく出てきたか!」

『……』

「そりゃ、決まってるぜ相棒。俺はお前以上に娯楽に飢えてるからな。面白そうな事にに関してはお前以上に嗅覚が働くんだよ」

『……』

「ハハハ、いいじゃねぇか。とりあえずはメルキオール大陸か。向こうに行くのは久しぶりだな」

『……』

「おう!お前ならそう言ってくれると思ったぜ!!それでこそ俺の相棒だ!!≪聖槍≫の奴はあれはあれで面白かったが、今度はどんな奴だろうな!実に、実に楽しみだ!クハハハハハ!!!」





「ところで、相棒。ここどの辺だ?」

『……』





魔国バサナテル 魔都グシュナサフ 魔王城内


≪ん?≫

「?どうしたの、おじいちゃん?」

≪いや、懐かしくも忌々しい気配を感じたのでな≫

「でも、おじいちゃん笑ってる気配がするよ?」

「笑ってる!笑ってる!!」

≪ホッホッ。なにぶん千年以上前からの付き合いじゃからな。どれ、会いに行くかの≫

「おじいちゃん、それで前に紅葉お姉ちゃんとアンジェリカお姉ちゃんに怒られたじゃん」

「おーこられたー、怒れたー」

「じいちゃんがおーこられたー」

「その内ナックお兄ちゃんにも叱られるよ?」

≪バレなければいいんじゃよ≫


「「……魔王様?」」


≪……儂も歳じゃのぉ、空耳が聞こえてくるわい≫

「あ、紅葉お姉ちゃんとアンジェリカお姉ちゃん」

「おかえりー」

「おかえりなさーい」

「ええ、ただいま。…それで魔王様?何か自分の身分を考えていない馬鹿な発言が聞こえましたが、妾の気のせいですか?」

「ただいま、元気にしていましたか?…いいえ、気のせいではないわ、紅葉。だって私も同じよ様な発言が聞こえたもの」

「これは罰が必要かしら?」

「当然、必要でしょう」

≪さらばじゃ!!≫

「あ!待ちなさい!!」

「今日こそ逃がしませんよ!!」



「魔王様、男爵からの報告ですがどうやら≪八芒星≫の一角が……おや?ティフォン、魔王様はどちらに?」

「紅葉お姉ちゃんとアンジェお姉ちゃんに追いかけられてー」

「逃げちゃった」

「……まったく、あのお方は。ハァ……」

「ナックお兄ちゃんがまた溜息してるー」

「大丈夫、お兄ちゃん?」


「そちらにいましたか?アンジェ?」

「いいえ、見つからなかったわ。やはりそちらにもいなかったようね」

「まったく困ったものです」

「本当に」


ガチャ


≪お、今日はずいぶんと粘ったの?≫

「魔王様ー、次何して遊ぶ-」

≪ふむ、何をしようかのぉ≫


「「………」」

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