状況確認
『まずはカナデ。最初の約束通りに情報をくれ』
「は、はい。でもどのような情報が欲しいんですか?」
『此処、何処?』
「えっと、ここは『聖鎧纏う伽藍遺跡』と言って世界に八つしかないSSSランクの迷宮の1つです」
『へー、すごい場所なんだ。あいつ等の話と一致するな。じゃ、次の質問』
「は、はい」
『俺と【契約】してくんない?』
「え?」
☆
~数日前~
『誰かー!!聞こえてますかー!!』
反応なし。
『もしもーし!!』
反応なし。
『Help me!!』
反応なし。
『誰か!!誰か!!開けてくれ!!俺は何も悪くないんだ!!』
反応なし。
『神よ!!私が何をしたというのだ!!』
反応なし。
『我が命じる!!扉よ!!開け!!』
ギギィ……
………………!?
開いた!?
マジか!?
しかも、上に動く………だと。
『…………。OK。扉が開いた、それでいいじゃないか。さて外に脱出を…ん?』
ジィ─────
外に出たら何かデケェ鎧がこちらを見ていた。
ジィ─────
ジィ─────
ジィ─────
ジィ─────
しかも、赤、青、緑、茶色の4体。
俺、もしかしなくてもDieピンチ?
と思っていたら、
ガチャ、ガチャガチャ
何か跪いた。
ヤベェ、状況が呑み込めねぇ!?
『ちょっと待って。Thinking time! 時間をくれ!!』
『カシコマリマシタ』
とりあえず時間をもらう。
さて、改めて現状を整理しよう。
眼が覚めたら鎧→原因不明
中身が空なのに動く→原因不明
部屋の中は金銀財宝→原因不明
扉が開かない→上に動かせた
→何故、自動で開いた?→原因不明
扉の先に鎧の巨人×4が目の前→原因不明
巨人×4が跪く→原因不明
フゥー、
俺が目を覚まして以降の謎が何一つ解決していない……だと…!?
いや、待て!待つんだ、俺!扉が上にしか動かなかったから開かなかったんだと、謎が一つ解けてるじゃないか!!
フッ、それだけで俺は報われた……
ジィ──────────
あ、何か視線が痛い。超痛い。ごめんなさい。
でも、これ俺が考えても解ける問題じゃなくね?
ヒントをください。Hints。
…俺に跪ずいてるならこいつらに聞いてもいいんじゃね?
とりあえず、一番手前の赤い人(?)に聞いてみるか。喋るか分からんけど。
『あの、質問いいですか?』
『ナンナリト、我等ガ王ヨ』
Pardon?
『王?』
『貴方様ハ我等ノ王デアリ、コノ地ノ主。ソシテカノ八芒星ガ一角』
謎が増えた!? 八芒星って何?
…ふむ、話がややこしく成りそうな気がする。後でいいか。
『もしかしてこの扉を開けてくれたのはあんた達?』
『ハイ、コチラヨリ声ガ聞コエテキマシタノデ。マサカト思イマシタガ王ガ目覚メタトハ……心カラノ祝福ヲ』
『あ、ありがとうございます』
『感謝等不要デス。我等ハモトヨリ貴方様ヲ守護スルタメニ生ミダサレシモノ。貴方様ノ役ニタツ事ガ我等ノ存在意義デス』
重いな、忠誠。…ん?
『俺の声どのあたりから聞こえてた?』
『モシモーシ、ノアタリカラ』
『おーい!? なら開けてよ!? 恥ずかしい思いしたじゃん!?』
『申シ訳アリマセン。我等ハ皆足ガ遅ク此処ニ到着スルノガ遅レタ次第デス』
Oh! My God! 何てことだ! 何で俺はあんな恥ずかしい事を叫んでいたんだ!
答:扉が開かなくてテンパっていたから。
うん、なら仕方ないな。忘れよう。
だけど、もう少し時間をください。
『OK、落ち着いた。まずは此処、何処?』
『? …モシヤ記憶ガ無イノデスカ?』
『とゆうよりも自分が何者なのか分からないのだが。もしかしなくても不味い?』
『イイエ。タトエ記憶ガ無イトシテモ我等ガ忠誠ヲ誓ウノハ貴方様ノミ。シカシ、ソウデスネ…ソレナラ一度、戦乙女ニ会ワレタ方ガヨロシイカト愚考シマス』
『戦乙女?』
『ハイ、コノ迷宮ノ守護者ヲ任サレテイルモノデス。貴方様ヲ除ケバ此処デハ最強ノ存在デス』
『今は何処にいるの?』
『普段ナラ此処デ待機シテイルノデスガ、今ハ見回リニ出テオリマス。代ワリニ我等四領ガコノ周辺ヲ警護シテオリマシタ』
『ふむ、そいつに会う事が先決か。まあ、詳しくはそいつに聞くとして、最初の質問に戻るけど此処は何処?』
『此処ハ迷宮『八ツノ武具』ガ1ツ、『聖鎧纏ウ伽藍遺跡』。貴方様ノ治メル土地』
『『八つの武具』?』
『外デハ『八大秘境』ト呼バレテイルヨウデス』
やだ、何かかっこいいな。
『ソノ存在意義ハ神ガ造リシ八芒星ヲ守護シ、【契約者】ヲ選定スル事ニアリマス』