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聖鎧登場

「あな…た…は……?」

『通りすがりの全身甲冑だ。おい、こっちの質問に答えずに質問を返すか。同じ事を二度聞くのも面倒なんだが?』

「わ、私は……」





『ふむ。興味本位で踏み込んで殺されかけたと、そういう事でいいのか?』

「…はい」

『まぁ、俺はどちらが正しいのかは分からんが、あっちの方が強そうだしあっちと戦ってみるか』

「え?」

『さて、どこまで飛んで行ったかなぁ』

「た、助けてくれるんですか…?」

『ん?別にそういうわけじゃないんだが?…ああ、結果的にそうなるのか。それなら…』





そして、漆黒の鎧は女戦士が吹き飛んで行った方に歩を進めて行った。

カナデは咄嗟にその後ろ姿に【鑑定鏡】を使用した。



【名前】

【種族】聖戦の八芒星≪聖鎧≫

【ランク】測定不可

【称号】迷宮から出たがってる奴

【ステータス】測定シテハナラナイ

【解説】

勝手に見てんじゃねぇよ

????



「……………………………………え?」





『一体何者だ……ッ!』


女戦士は自らの歪に曲がった左腕を見て忌々しく呟いた。

先に攻撃したのは間違いなく自分だ。それなのにダメージを受けたのは自分。

それは今までに遭遇したことが無い経験だった。

少なくてもこの迷宮に自分を超えられる存在はいないはず。

つまり外部からの侵入者しかない。それならば、アレを装備した相手なら頷けるかもしれない。しかし、一瞬見えた相手は……


(武器ではなく、素手で私を吹き飛ばした……ッ!!)


そう、素手。そんなことはありえない。ありえるはずがない。


カツーン……カツーン……


(来たか…)


左腕は損傷。しかし、それ以外ノッブ異常は感じられない。


『オーイ!無事かー?戦えるかー?』

『貴様ッ!!一体何…も……の…』

『あっちゃー。左腕が壊れてるな。それじゃ満足に戦えないだろ、残念』

『ちょ…ちょっと、待ってください!!貴方、貴方様は――』

『じゃ、始めるか』

『人の話を――』

『問答無用』





攻撃は漆黒の鎧から。

放たれるは右の拳。咄嗟に受け止めるは女戦士の剣。

結果は先程と変わらず…


『くっ!』

『ありゃ? さっきより手加減したんだがな』


吹き飛ばされる女戦士。そして、漆黒の鎧はその後ろに回り込み、叩きこむは右脚。


『がっ!!』

『やべ、蹴り入れちまった。ん?』


女戦士は蹴れたと同時にその勢いを利用して体勢を整える。


『おー。スゲースゲー。体勢整えたよ。お見事』

『……こちらの話を聴いてもらえますか?』

『却下』

『何故です!?』

数日前(・・・)と同じような展開になりそうだから』

『数日前? まさか!』

『はい。御喋りはお終い。続き始めるか』





『はい、こちらの怯えてる方がカナデさん。無謀にもSSSランクだっけ?――の此処に挑んだちょっと場違いな御嬢さん』

「こ…こんにちは」

『で、こちらのボロボロになっている女戦士風の鎧はえっと……あ、そうそう戦乙女之鎧さん。此処の守護者らしい』

『…………よろしく』

『さて、状況を整理しよう』

『「…………ハァ」』


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