聖鎧稼働
これからは一週毎を目安に
意識すると後は簡単だった。首だけではなく腕と足、さらに指も自由に動かせる様になった。
『私は…自由を手に入れた……!!』
何か一人称が変わってしまったがそれほどまでに嬉しかった。一時は諦めの境地にいたろうとしていたが、動けると分かった以上は我慢する必要などない。
しかし、新たな問題が浮上する。
『何をすればいいのか分からない…!!』
とりあえずは周囲を確認してみることにした。
動いてみて気付いたが俺の後には金銀財宝が綺麗に並び、細かな装飾の施された武器が綺麗に揃えられていた。
……ナニ、コノ部屋?
何処かの宝物庫か何か?
とりあえず手短にあった剣を手に取ってみる。
Wow!スゲー装飾が施されてる。明らかに高いだろ、これ。
『お、いいのがあるじゃん』
その財宝の中にこれまた豪華な装飾が施されている手鏡を発見した。さて、俺の姿は……
『……………………』
まず、黒色を主としていて茶色の細かな装飾が施されている貌も覆う全身鎧で眼に当たるところは怪しく銀色に輝いている。
特に目立つのは右の腕甲に刻まれた三色の紋様と胸の所にある拳大の茶色の珠。
『…呪われてないよね?』
気のせいか禍々しい感じる。
そして、改めて確認してみて分かったかが全長が2.5mを軽く超えている気がする。自分で言うのもなんだがこのサイズに合う人そんなにいねぇだろ。これ作った人誰?ちゃんと考えてんの?
さて、意識もはっきりしているし体も動く。自分の姿を確認もできたし、財宝も納められる分はは自分の中に納めたし。
ここに長居する必要はもうないな。
念のために並べられていた剣と盾を装備する。
さあ、いざ行かん!扉の先へ!!
扉が開かねぇ!!
『何カ聞コエナカッタカ?』
『私ハ聞コエナカッタ』
『俺モ聞コエナカッタ。気ノセイシャナイカ?』
『ソウカ』
『僕ハ聞コエタ』
『『『ナニ?』』』