平和の定義
服を買いに城下町最大の衣服店までやってきた
「とりあえず俺の服からだな、っておい!レイラ聞いてんのか?」
レイラはというと子供のように飾ってある服をはしゃぎながら見て走り回ってる
「テンガさんこれみてくださいよーーー!!めちゃめちゃかわいいですよーー!あっあっちに……」
ゴン!!!!!
テンガの拳骨が脳天にめり込む
「ぎゃあぎゃあうるせぇんだよ…始めてきたわけじゃあるまいし」
しゅーーーんっとなったレイラがぼそぼそと泣きそうになりながら声を絞り出した
「すいません……私小さい頃はお母さんが服を作ってくれましたし、奴隷になってからも拾われてからも支給された服しかきてなかったんです…迷惑かけてすいませんでした……」
うるうると目に涙をため今すぐ泣き出しそうなレイラに大慌てで店員を呼んだ
「あぁ悪かったな…おい、こっち来てくれ」
「はいなんでしょうか?お客さま」
「この店の女の服全部くれ金ならあるからよ」
ちなみにここは超高級店である
「ぜっ全部でごさいますか?かしこまりました」
テンガの成金ともいえる豪遊に店員はしどろもどろになるがそれはレイラもであった
「え?そんな、テンガさんわざわざ悪いですよ迷惑かけた私が悪いですし…」
「いいんだよ、気にすんなその代わり今度からは給金で買え
よ?あとそのすぐに泣きそうになるのやめろ、なんか俺が気まずい……まぁいいやほら店員と服のサイズ選んでこい」
「あの…ありがとうごさいます」
深々と一礼してトコトコと店員について店の奥に消えていった
「レイラの事甘やかしすぎか?どうも女は苦手だな……うん めんどくせ」
そんなこんなで最終的にテンガは黒の上着に黒のズボンそして純白のコートに落ち着いたレイラはというとボロボロの甲冑姿とは違い真っ白のワンピース姿に変わっていてみすぼらしい甲冑姿のときにはなかった美少女感がすごかった…服ってすげぇな
「あっメイド服買うの忘れてた、おう、そこのちょいと聞きたいんだがメイド服は扱ってるのか?店内見た限りじゃどこにもなかったが」
「メイド服は王宮や大きな屋敷の主人ぐらいしか買いませんので特注になります6日ほど待っていただく形になりますがよろしいですか?」
「それは構わねぇが、3日だ3日で仕上げろ金ならだす」
「3日となりますと料金は段違いに上がりますがよろしいですか?あと細部への注文はございますか?」
「金なら大丈夫だ、3日で15着頼むあとそのメイド服は戦闘に適した形にしてくれ」
「かしこまりました、それではお会計の方よろしいでしょうかこの度お買い上げになった服と特注服しめて18400000デルになります」
「ほいよー」
そういいジッパーを財布の空間に繋ぎジッパーを開けた中には金貨の海が広がっていた……
「おいレイラこの金貨って一ついくらくらいの値段なんだ?」
「金貨一枚で1000000デルですそういえばテンガさんは異世界の方でしたね、えーとテンガさんに聞いたその世界の価値になおすと金貨が100万で銀貨が10万銅貨が1万この普通の硬貨が100です、というか金貨数枚あれば家普通に買えるくらいの価値はありますよ…というか何枚あるんですか?この海は!!」
「あのお客さまそちらはすべて本物にごさいますか?あとその魔法は一体……」
「多分全部本物だ神がくれたものだからな、あとこれは空間魔法だめんどくさいから……金貨三枚やるから黙ってろよ はよ会計してくれ」
買収しやがった
「もちろん死ぬまでだっていますとも、お買い上げありがとうごさいました3日後にまたお越しくださいませ」
テンガは山のようにつまれた服をアイテムボックスに突っ込みレイラと店をでた
あとは旅のために家事道具などを雑貨屋に買いに行き、行った雑貨屋の家事道具を全て買い占めるという暴挙にでた
たった数時間で家どころか国すら買えるかも知れないくらいの大金を使いあげた
「そろそろ夕方か腹へったなレイラ宿屋に戻るぞ」
「あっテンガさん私旅にはペットも必要かと……」
そういうレイラの手には木箱に入った6匹子猫が抱えられていた……
「いらん!!もとの場所にもどしてこい!!」
「でっでもぉ……この子達可哀想じゃ……あっ!テンガさん聞いてるんですかぁ?!!」
当のテンガはさくさく宿屋に向かい歩を進めていた
「テンガさぁぁぁん!!お願いしますよぉ飼いましょうよぉねえってばぁぁ」
「やかましいとっとと戻してこい」
「おにぃぃ!!あくまぁぁ!!外道!!」
「ん?何事だ?」
「え?どうしたんでしょう?あの人だかり」
宿屋についたはいいものの宿屋の前に人だかりができていた
「おいおいバーバラ税金が払えないってどういうことだよぉ払えねぇならこの小さな宿屋は潰すことになるぞぉ」
「なにを…だいたいあんたらが通行税をむちゃくちゃにあげたから旅人が減ってしまって払えるもんも払えないんじゃないか!それに今度は住民税や店営税をあげるだって?私らに死ねというのか!!」
宿屋の女主人のバーバラと二人組の兵士が口争いをしていた
「ああ死ねよ税が納められないような国民はこの国にはいらん」
「あたしの夫ときりもりしてきたこの店はあたしの宝だ死んだ夫の形見なんだよ!潰させるもんか!!」
「はっ笑宝だと?お前が死んだら継ぐ奴がいねぇじゃねぇか子供がいねぇだしょうがねぇよなぁぁ」
「あたしだって子供がほしかったさ…女として生まれたら我が子を抱きたいと夢にみるもんさね…けどこの国の無茶苦茶な税金のせいで金を搾り取られ夫婦二人で生きるのが精一杯なんだ子供を望むことを諦めるしか無かったんだ!!あんたらに何がわかるんだ!!税金で豪遊してるだけの能無しの兵が!!」
「我等は堕鬼族から貴様らを守ってやっているのだぞ!!身分をわきまえろ!」
「はっ聞いてあきれるね、守ってやってるだって?堕鬼族が攻めてきたことはないじゃないか!!あんたらが守ってるって?堕鬼族への抑止力のつもりかい?あいつらはあんたらの事なんてアリンコ同然に思ってるだろうさ!!」
「もういいぃぃ!!我等を侮辱しやがって殺してやる我等は国に反逆する輩の殺しが認められていることを忘れるなよ!お前はしねぇぇぇ!!」
剣を抜こうと柄に手をかけた瞬間
シュパン!!!!!!
真上からデスサイズが降り下ろされ兵士の右手首が吹き飛んだ
「がぁぁぁぉ!!いてぇぇ!ちくしょぉぉ!!!!」
「やかましいんだよ……」
そういうと痛みでのたうち回ってた兵士が四脚を吹き飛ばされ喉をデスサイズの刃が貫いた
辺り一面血の海であるせっかく買った純白のコートも返り血で汚れてしまった
「ああうっとうしい……」
もう一人の兵士とバーバラは腰が抜けて座り込みあまりの驚きになにも言えずいたがなんとか兵士が声を出す
「きっきさまぁぁ……なんのつもりだ?このランフィード騎士団と戦争するつもりか?我等に手を出してただではすまんぞぉ」
「あ?全員殺してやるから戦争するか?お前程度2秒でミンチにしてやんよ」
「そっそれは宣戦布告と受け取ってもいいのだな?」
テンガを指差しながら早く謝れといわんばかりの上から発言
「どう受け取ってもらっても結構ですけど?」
指差していた右腕が吹き飛ぶ
あまりの早さになにが起きたのか全員固まっていたのだがテンガはただ普通にデスサイズを振るっただけそれだけである
「あああ!!!なんなんだよ!!俺たちが何をしたんだ!!ちくしょぉ」
「このゴミよくしゃべるな」
今度は両足が吹き飛ぶ、返り血で汚れた顔は不適に笑っていた
「ううう……頼む許してくれ……今回の事は許してやるから頼むよぉ……」
「ゴミの言葉はわかんねぇなぁ通訳呼んでこい」
首が綺麗に宙を舞った
振り向くと腰の抜けたバーバラが返り血に染まったテンガを化け物でもみるように怯えていた表情を向けていたテンガはバーバラを立たせるとレイラに介抱を頼んだ
「ごめんな…おばちゃん、おばちゃん俺が信用してた人に似てたからつい飛び出してしまって…こんな姿あんまり人に見せたくねぇんだよね、すぐに出ていくわ」
知っているテンガの顔に戻ったのを確認して驚きつつも安心しているようだった
「なにいってんだい私の料理も食べないで出ていくなんて許さないよ」
こんな自分を受け入れてくれたバーバラに感謝した
「ああそうだったな……飯楽しみにしてる」
「けどあんた兵士殺して大丈夫なのかい?下手したら死罪なるかもしれない!!」
「ああその事に関しては大丈夫だ俺は勇者だからなこれでも、シャルドから将軍と同じ権力もらってんだだから安心してくれ」
「まったく恐れ入ったね、まぁあの強さだ信じるしかないね」
5分後イサトがアベルと数人の部下を連れてやってきたが死体を見るなり二人が嘔吐一人が気絶した
「やっぱりこうなってしまいましたか……騎士団には勘違いしたバカが多くてテンガ殿を怒らせないか心配してたのですが……」
頭を抱えるイサトとこのやり過ぎな残虐死体を見てちょっと引いたアベルが青い顔になっていた
「おいアベル!あんとき俺が怒らなくてよかったな笑」
「あの…その……本当にその通りです」
「イサト死体の処理とあと、これ この店の税金だこいつらの代わりにもっていってくれ」
イサトに金貨5枚を渡した
「こんなに!これだけで15年分はありますぞ!しかしこんなによろしいので?」
「いいんだよ、あとひとつ聞いていいか?イサトお前にとって平和ってなんだ?」
「平和ですか?そうですね争いのない世界の事ですかね?この世界にある7国すべて対立しなくなったら平和だと思いますが?」
「…………………………そうか」
「テンガ殿?それだけでしたら仕事に戻りますゆえ失礼します」
「すまなかったな…がんばってくれ」
イサト達はてきぱきと後処理を始めた
テンガは部屋のベットに戻り血まみれの服を脱ぎ捨てアイテムボックスから予備の同じ服を出して着た
「世界を平和にしたら日本に帰れる……けど平和ってどういうことをいうんだ?堕鬼族を滅ぼしてもこの国は腐ってるおそらくこの国だけじゃねぇ……なんなんだ?平和って?」
「テンガさぁぁぁんごはんできましたよぉ!!」
食堂からレイラの呼び声が聞こえた
レイラと二人で山のようにつまれたご馳走にむしゃぶりつきバーバラには税金はしばらくは大丈夫といい資金として金貨100枚をあげた
部屋に戻りレイラにあの質問をする
「レイラ、お前にとって平和ってなんだ?」
「誰一人苦しまない涙を流すことのない世界ですかね私の生きてきた人生は苦しさと悲しみがほとんどですから……」
「難しいなぁ平和って………今日はもう寝よう明日は戦闘の特訓だ気合入れろよ……」
「お役に立てるようにがんばりますよぉ私は!!あとこのねこちゃん達どうしましょう?」
ひょいっとベットの下から猫入り木箱を取り出した瞬間テンガの顔が羅刹になった
「てめぇぶっころすぞ!もとの場所にもどしてこいっていったろーが!どーすんだよ勝手にもって入りやがって」
「だって………」
「しゃーねぇなぁ……」
「じゃあ飼ってい…」
「バーバラに飼ってもらえ、ほら看板猫になるかもしれねぇし金なら渡してるから大丈夫だ」
しょんぼりしてまった
「………わかりました」
とぼとぼと部屋を出ていくレイラを見送りながらレイラに渡すアーティストを選んでいた
ちなみにこの6ぴきの子猫は本当に看板猫になり猫が有名になりすぎて店の名前を宿屋猫六双となるのは別の話である
次回はNewアーティスト登場+レイラに役職がつきます
ついでにテンガvsレイラのガチの模擬戦闘もあるかも本当あるかもしれない