8人目の勇者とはじめての仲間
意識が戻ると天牙は草原に立っていた
やはり頭痛がする
転送中にあらかたの説明は受けた
アーティファクトの使い方この世界の歴史そして構成図 魔力の使い方など
このままじゃはじまらないので
とりあえず王国へ向かうことにした
「ていうか、ここどこだよ …ランフィードどこだよ…見渡す限り草原じゃねぇか、とりあえずまっすぐ歩いてみるか、ついでに神器とやらの使い方や魔法も試してみるか」
ただまっすぐ歩いて10分がたった頃草原を抜け森に入ったあたり体長8mはあるであろう熊のような魔物、魔眼が示したそのガジェルの群れをベガが察知した数にして40頭、闘級700そのうち一匹は1020あったおそらく群れのボスであろう
「ちょーどいいわ、練習といこうかそれじゃあ魔法からいきますか、たしか魔法は使いたい魔法の属性をイメージして意識を集中して魔力を出し、あとは狙って放つだけだったはずとりま闇からいきますか」
臨戦態勢に入ったとたんテンガの体から黒いオーラが溢れ出す
そのあまりの魔力の大きさに森が震えた当然のごとくガジェルの群れも異変を察知して群れをなして森の奥へ逃げ出した
「逃がすかよ…贖罪……」
そうつぶやくと森の広域に黒光が雨のごとく降り注ぐ、すると途端に黒い炎があがり瞬く間に森を焼き付くした
あとに残ったのは無数の魔物の焼死体と炭になった木々とそこに立ち尽くすテンガであった
「マジかよ、一番弱い闇魔法だよな?加減が難しいなまぁ敵に加減ってのも意味わかんねぇけどもよ、ていうか魔法は難しすぎてよくわかんねぇなやっぱりオート発動のやつの方が使いやすいわ、んじゃあ次は神器だなベガとアルタイルとデネブは勝手に発動してるみたいだけどテンペストは確かイメージだったよな」
そういい頭のなかで思い浮かべたのは鎌であったイメージが固まり再び魔力を込めるとテンペストが黒光を放ちその手には巨大な鎌が握られていた鎌は大きさにして約2m70cm鎌の持ち手は人骨をイージした形になっており刃は漆黒で刃渡り80cm刃元は骸骨が刃を抱いているデザインである
あまりよくはない美的センスである
が……
「なかなかいいじゃない笑 デスサイズと名付けよう笑」
そういいながら鎌を一振りすると目の前の岩が豆腐のごとくスパッと切れた
「あぶねぇな…うん」
先に進むためテンペストを戻し大きく背伸びをしたとき
「なっなんだこれは!!!そこの貴様何者だ!!」
ランフィードの兵であろうか甲冑を着た男の二人組が現れた
ちょうどいいところに現れたと走って近づこうとした次の瞬間テンガは二人の兵士の後方200mに立っていた
「は?なんじゃこれ?……あぁそうだったな身体能力もバカみたいに上がってるんだった力加減ってのも考えなきゃな……おーいこっちだこっち」
「いつの間に!?貴様何者だ?答えろ?動くな!何をした説明しろ!!」
その言動にすでにイラついているテンガは一瞬で距離を詰め二人の後方に移動するのと同時にテンペストを発動デスサイズを出し喉元に突きつけた
「あーもうイライラする、俺に命令するなとりあえず質問に答えてもらおうか、お前はランフィードの兵か?」
「だったらなんだというのだ?我らにこんなことをしてタダで済むと思うのか?」
「やっぱりランフィードの兵か、ていうかお前らこそ勇者にそんな口きいていいのかなぁ?」
「嘘をつくなぁ!ランフィードにはすでにハルキ殿がおられる二人目の勇者などふざけた嘘を言うな!!」
「おい待て!」
「しかし隊長!」
「待てといっているんだ命令に従わんか!!!」
「もっ申し訳ありません取り乱しました」
「すまぬ勇者どの!その白銀の髪に三つ編みの髪形、もしや名前はテンガではありませんか?もしそうならこの鎌を引いてはもらえませんか?私たちは敵ではありませぬ国にご案内しとうございます」
「なんで俺の名前を知っている?さっきこの世界にきたばっかだぞ」
そういいデスサイズを元に戻すと驚いたように質問した
「刃を収めていただき感謝いたしますまた部下の無礼お詫びいたします、私の名前はイサトもう一人はアベル私の部下です」
「ん?ああ、名前は魔眼でわかっているけどな別にあんたが謝ることじゃねぇよそっちの餓鬼は土下座しろ」
なんとも器の小さい男である
「なっなんで俺が貴様なんぞにそんなことをせねばならんのだ!!」
「あぁそう」
その瞬間テンガの威圧が発動その瞬間アベルは体の力がぬけ地面にはいつくばり、まるで心臓を何者かに握りつぶされていそうな感覚に襲われた 息をするのもつらい圧倒的なまでの強者のプレッシャーが頭から降り注ぐ
「おいおい、はいつくばって頭下げてやればできるじゃん、土・下・座・♡」
何度も言う器の小さい男である
「もっ申し訳ない!部下の無礼は私にある殺すならどうか私を!」
「殺す気はねぇよ態度が気に入らないだけだ弱いくせにピーピーピーピーやましいしよ」
いつの間にか威圧がとけ這いつくばったままゴホゴホと咳き込みながらテンガを睨み付けてるアベルはまだ恐怖が忘れられないのだろうかまだ小刻みに震えていた
「なんだよ?文句あんのか?ていうかやんのかコラ?やんなら一瞬でサイコロ状に刻むぞザコ」
テンガの言葉が本気なのを悟った
「そ……そんな、馬鹿者!!アデル無礼を働いたのは貴様のほうであろうテンガ殿を批難する権利などないわ!それに強気なその性格はよいが相手を見ろ敵わない相手に戦いを挑むような命を捨てることは俺が許さん!!国のために自分が大切な人を守るためにたった1つのその命を使わんか!!!」
「申し訳ありません隊長……テンガ殿も無礼をお詫びいたします」
「きにはしてねぇよ俺もやり過ぎた…けど弱いのは罪だ自分の意思も突き通せないそんな自分が嫌だろう?」
「え?………はい……」
「ならお前は強くなるよ……俺と違ってお前を思ってくれる人がいる守るべき大切な人がいるお前が死んだら敵をとろうと怒り狂ってくれる人がいる俺にはなにもなかった……思ってくれる人も守るべきものも…俺は一人なんだよ…すまない独り言が多かったな忘れてくれ」
「はい、ありがとうございます」
「さてイサトさんとやらさっきの質問だがなぜ俺を知っている?」
「それは我が国の預言者が神からおつげをもらいましてそのお告げの内容が8人目の勇者の降臨でしたその勇者の名前と容姿をお告げされたとのことです」
「あのじじぃ本当に神だったんだな」
「実はランフィードの国王シャルドに貴方を見つけたら国にお連れしろとの命令がでていまして二人一組で捜索していました、ところで我らとともにランフィード来ていただきたいのですがよろしいですか?」
「ああ構わねぇよもともとそのつもりだったからな」
「ありがとうございますでは行きましょう、さぁ立てアデル!!」
「はい!」
二時間は歩いただろかやっとこさランフィードにたどり着いたテンガはその国の大きさにしておどろいた20メートルはあろうという大きな外壁その外壁からでもみえる巨大な城魔眼には数えきれないほどの気配を察知していた
門に着くと門番にあれこれやかましく聞かれ威圧で無理矢理通り大揉めしたのは割愛しよう
ようやく城に到着し王の間にに通され椅子に座って待っていると
王様というには若い23歳くらいの男がおそらく将軍であろうか六人の老人を引き連れ入ってきた王の傍らには勇者らしき男が刀に手をかけたままこちらを警戒していた
どかっと椅子に座りテンガにも座るように促した
「おおよくきた8人目の勇者よここに来たときのハルキと同じような服装をしておるなたしかジャージであったかな、」
「間違いありません俺のいた世界の服装です」
「えーーとハルキ君だっけ?お前も勇者で日本からきたのか?」
「君も日本から来たのか、俺は皆川春木17歳職業は剣士だよろしく」
「俺は神崎天牙17歳だ職業は魔法剣士」
「ほうお前も剣士か、俺はシャルド・ランフィードここの王様だ、お前は我が国の勇者ここでは好きにするといい将軍と同じ権限を与えよう好きなやつを殺しても罪にとわれない俺がそう定めているからなまぁゆっくりするといいさ」
「ゆっくりするのもいいけどよ堕鬼族だっけか?あいつら倒さなくていいのかよ?ていうかハルキお前勇者なのに俺が来るまでなんでなにもしてなかったんだ?」
「お前はまだ堕鬼族を知らないからそういうことがいえるんだよ奴等は尋常じゃないくらいつよい俺でも全く敵わない程になだから奴等が攻めてこないうちに奴等を倒せるように修行を積んでいるんだ」
「ハルキはこれでも我が国で二番目に強くてなそれでも敵わないんだよ王である俺もどうもできんのだ奴等の闘級は将軍で25万だぞハルキでも1万強なのだわかるだろ?」
「なるほどね、そりゃ手出せないわな」
ふとイサトとアベルの存在を思いだし適当に誉めた
「そういえば忘れておったな、イサトとアベルご苦労であったこの度の手柄誉めて使わそう大義であった下がってよいぞ、あと鑑定士をつれてきてくれテンガの闘級を知りたい」
「はっただちにお連れいたします」
そういうとアベルをつれ部屋を出ていった3分後黒いローブを着こんだ老婆が現れた
「わざわざすまぬなこやつを鑑定してほしいのだ」
「かまいませぬよ、ではみさせてもらいましょう」
老婆に見つめられするとすぐに老婆が腰を抜かしたようにへたりこんだ
「シャルド様……」
「どーした?それほどに強かったのか?どうなのだ?はよ申さぬか!!」
「はっはい!!テンガ殿の闘級は…………2億8778万でございます」
その瞬間その部屋にいた全員が立ち上がった
「なっなんと……恐ろしくつよいなテンガよお前と比べると堕鬼族など恐ろしくとなんともないなまさに闘神と呼ぶに相応しい王として誇らしいぞ」
「そりゃどーもー」
そのとき、ばたん!!と扉をあけて兵士が飛び込んできた
「馬鹿者!!王の御前であるぞわきまえぬか!!」
髭を生やしたおっさんがそう吠えたおそらくは将軍であろうか
「もっもうしわけありませんいかなる罰も受ける所存です!ひとつだけ報告を、レイラがかえって参りましたそれも満身創痍で死にかけております」
「そうか、ここにつれて参れ」
しばらくすると兵士に担がれたボロボロの甲冑を来た女が連れてこられた
「レイラよやはり勝てなかった」
「申し訳ございません…お役に立てず………」
「逃亡奴隷で親も兄弟もいない咎人の貴様を闘級がすざましく高かったから使えるかと拾ってやったのに全くもって使えぬわ不愉快だもういらん殺せ」
「はっ覚悟はよいなこの役立たずめすぐに楽にしてやる」
さきほどのおっさんが腰の剣を引き抜き女に降り下ろした瞬間
ガギィィン!!!!!
その刃を止めたのはテンガのデスサイズであった
「気に入らねぇな全くもって気に入らねぇ別に正義を掲げるつもりはねぇけどよあんたが王だこの国ではあんたが法律だその判断には文句を言うつもりはねぇけど俺はこいつの気持ちがよくわかるだから殺させねぇ」
「貴様王になんたる口をきいておる!!ここで切り殺すぞ!!」
口々に将軍達が剣を抜くと同時にテンガも威圧を発動将軍達がそろって這いつくばる
「ああ?誰が誰を切り殺すって?あんまし舐めた口聞いてるとこの国滅ぼすぞ!!ザコのくせに口だけはいっちょ前だな?切り殺す?できるもんならやってみろ?俺に敵意を向けた瞬間この国をまるごと消してやる俺に命令すんじゃねぇええよ!!」
「わかった、もうよい将軍達を解放してやってくれお前は好きにしていいお前を縛るつもりはない」
「その方が賢いな」
そういいながら威圧を解かずに女に回復魔法をかけてやったかなりの魔力を練り込んだ魔法を、一瞬で傷がふさがり回復した女はびっくりしたようにテンガを見つめていた
「おいシャルドこの女は俺がもらうぞ旅のお供にでもする文句はねぇな」
「ああ好きにいたせご苦労だったもうよいぞ」
「じゃあな、もう一回だけ言っておく俺に敵意を向けた瞬間この国を滅ぼすぞ おい女行くぞついてこい」
そういい放ち威圧を解いて部屋を出ていくテンガ何が起きたのかわからず王に一礼してテンガをあとを女が追いかけていった将軍たちは全員が泡を吹いて気絶していた
「すざましいプレッシャーでしたね王」
「ああ、敵に回したくない男だ」
「あんなのが俺と同じ勇者か複雑ですねちょっと」
城からでたテンガは女を連れて宿を訪れていた
「すまない一泊二人部屋をたのむ」
店の亭主らしきおばちゃんは快く泊めてくれた
「ベットはどうするんだい?坊や?1つにするかい?それとも2つにするかい?」
「坊やはやめろベットは2つだ」
「あら、うぶなんだから可愛いねぇ彼女大切にするんだよ?晩御飯はおばちゃんが手に塩をかけて美味しいのつくるからねさきにお風呂でもはいっておいで二人で」
「彼女じゃねぇよ、風呂一人ではいるわ」
内心孤児院の食堂のおばちゃんと重なって見えたので自然と接することはできたしこの人は信用できるとテンガは安心していた
「おい女部屋に行くぞ」
「え?あっはい!」
部屋についても座ろうとせずにたっている女に
「先に風呂でも入ってこいよ泥だらけだぞ、話はあとでするからさきに入ってこい」
「あの、その…ありがとうございます」
深く一礼して女は風呂に向かった
その姿を見送り深く椅子に座りこれからどーしようか考えていると頭の中に声が響いた
「「よぉ兄弟笑っ楽しんでるか?」」
ルシファーである
「なんのようだよ?つうか本当に俺のなかにいるんだな」
「「そういう契約だろうが、そんなことよりもあの女……」」
「あ?あの女がどうしたんだよ?」
「「あの女、お前と同じ転生者だぞしかも俺の知り合いだ」」
「は?」
レイラちゃんでてきましたよーー
次はレイラちゃんのお話です