プロローグ
平成24年1月16日
新たな年を迎えお正月気分が抜けない1月中旬
この日晴れて少年院を仮退院した
一人の青年
神崎天牙
17歳
彼女なし
仕事なし
親なし
反省なし
この男地元である広島で数々の犯罪に手を染め何度も逮捕を繰り返す
いわゆる不良というカテゴリーに分類される人間である
まだ赤子のとき両親が事故で死に親戚をたらい回しにされ
あげくのはて両親が残した遺産をすべて奪われ
わずか2歳にしてすべてを失った
ゆえに周りすべてを敵と認識しながら生きてきた
施設に預けられるも誰とも話そうとせず誰にも心を開かなかったやがて成長し小学校にあがり
そんな天牙は当然の如くいじめられた
そんな辛い日々の中4年生の頃
下校中同級生5人に暴行をうけていたとき必死に逃げ出した
しかし運悪くトラックに轢かれ大怪我を負うも常人離れした回復力を発揮全治3ヵ月の怪我を僅か2週間で完治させるという奇跡を起こした
このとき天牙は自分は特別な力がある、特別な存在なのだと信じこんだ
たしかに天牙は小学生にしては異常とも呼べる身体能力をもっていた
握力右左共に67㎏
50m走5.9秒
20mシャトルラン テープ切れで測定不能
幅跳び4m89
などなどひと並外れた能力を発揮
人は自分とは異なる異形なものを拒む傾向がある
それもいじめに繋がったとも言えるであろう
いじめられた時何度も言われた
「やられるお前がわるいんだ」
自分が特別な力の持ち主だと認識し、やられる側からやる側になろうと決心
いじめっこに力のかぎり拳を振るった
その時、テンガの心を黒い感情が埋め尽くした
心のなかで何度も何度もあの言葉を呟きながら
「やられるお前がわるいんだ」
それから3年後
中学生になった天牙はもちろん不良になった
勉強が嫌いなのもあったが
不良のほうが自分の思い通りにいくのが気持ち良かったのだ
思い通りにならなければ
力ずくで思い通りになる自分にはその力がある
力でなんでも言うことを聞かせた
生まれ変わったあの日から
天牙は血と暴力の毎日を生きてきた
これからもそうするつもりだった…
その後天牙は16歳の夏
この頃になると
天牙の名前を街で知らない人はいないくらいに有名になっていた
15で背中に入れた風神雷神の入れ墨
ブリーチで何度も色を抜いた白髪ぎみの銀髪
肩甲骨まで伸ばした襟足を三つ編みにし
「白雷の天牙」
と中2全快の痛い呼び名で呼ばれていた
しかし
そんな有名人を警察が放っておくわけがない
当時施設にも帰らずに行方がつかめない天牙を警察は150人を動員し街を捜索しついに手錠をかけるまでに至った
数えきれないほどの傷害事件なかには殺人未遂になった事件もあり当然の如く中等少年院に送致処分になった
少年院で1年3ヵ月を過ごし晴れて出所
少年院は留置場や鑑別所で過ごした2ヵ月よりだいぶ楽だった
暇な留置場に比べてやることがある
いつ出られるかもわからない鑑別所より
猫かぶっていい子いい子してればすぐに出られるのだから
その思惑通り口で反省の嘘八百をならべ
猫をかぶりとことん我慢してなんとか仮退院までたどり着いたのだ
そして現在施設の先生の出迎えのもと
車で地元の広島にむかってる天牙
この話はこんなクズがある日とんでもない形で神様と出会い
なんやかんやあって罰として異世界送致処分になり
異世界にて更正を強いられる
ダークヒーロー?いやいやただの悪人の更正のお話です
長文を書いたことのない馬鹿が書いてます
読みにくかったり誤字脱字がかなり多いですが
指摘してくださるとうれしいです
3日に一回追加していきます
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