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 棺桶を担いだ人がやってきた。また敵だ。

「わたしはホグスというものです。申し訳ありませんが、お命をいただきます」

 といって、ホグスは棺桶の中に入っていた死体をとりだした。

 ホグスは、命を交換する指輪をもっていて、これにより、死体の命とぼくの命を交換できる。

 しかし、ぼくの弱さの能力により、ホグスはその能力をうまく発揮することができずに、ぼくの命に危害を加えられず、ぼくに殴り飛ばされた。

「どうやら、わたしでは相手にならないようだ」

 といって、ホグスは帰って行った。


 日本はまだ内戦をしている。死体がごろごろと街に転がっているらしい。

 そんなところへ、世界の支配者の弐卦がやってきた。

「どうも最近、世界の秩序を乱すものがいるらしいので、視察に来たぞ。原因はおまえだな、友紀村慎二」

 やれやれ。また戦いだ。

 弐卦は普通に強く、剣を抜いて襲いかかってきたが、ぼくの弱さの能力にとらわれて、その剣はとてもゆっくりと素振りされ、一撃もぼくに傷をつけることができず、ぼくに殴り倒された。

「くそう、負けたのかあ、おれは」

 と弐卦がいう。

「あなた世界の支配者なんだろ。こんなことしてていいのか?」

 とぼくが聞くと、

「金も女もくれてやる。それで世界を救ってみせろ」

 といわれた。

 世界の支配者弐卦の命令により、世界中のお金と女はぼくのものになった。

「ということなんだよ、風音」

「ふうん」

「風音は女の子じゃないか」

「もちろん、お願いされれば断るわけにはいかない状況ねえ」

「そうだろ。そうだろ」

「慎二がふしだらなことを考えたりしなければ何ごともないのよ。何かあったら、慎二が原因だよ」

 ぼくは、ぐっと戸惑ってしまった。


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