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 「世界の果て」から帰ってみると、街中に死体が転がっていた。いったい何が起きているんだ。ぼくは困惑して、インターネットを閲覧した。すると、「日本は内戦しています」と書いてある。驚いた。

 通りすがりの人に話しかけてみた。

「日本が内戦しているってのは本当ですか」

「いえ、わたしはあまり時事問題には詳しくないので」

 といって、何の気にも止めずに去っていく。

 ぼくは警察に電話してみた。

「日本は内戦しているんですか」

 警察は落ち着いて答える。

「はい、日本は内戦していますけど。まだ知らない人がいたんですか」

「テレビでもニュースでもやっていませんよ」

「そんなの情報管制に決まっているでしょ」

「道端に死体が並んでいるんですけど」

「そりゃ、内戦しているんだから、当然でしょ」

「なぜ、逮捕しないんです?」

「それは、内戦ともなると、一概に殺人が悪とはいえないですからね。勝った側の判断に従いあとで処理しますよ」

 なんということだ。

 ぼくは眩暈がして、家への帰り道を急いだ。


 すると、十二個の極小ブラックホールに囲まれて宙に浮く女の子が待ち受けていた。

「あたしはジナ。友紀村慎二ね」

 突然、ぼくの名前をいわれて緊張する。

「そうだけど。何?」

「何って、あなたを仕留めに来たのよ。知っているでしょうけど、今は日本は内戦中で、都合の悪い存在は殺しちゃっていいんだよね」

 ぼくは激しい恐怖を覚えた。

「ぼくは無関係のはずだ」

「あら、そうでもないのよ。友紀村慎二は敵対勢力の支持者だって、お触れが出てるのよね。まあ、気にしなくてもいいよ。あたしのブラックホールで簡単に殺してあげるから」

 戦わねばならないようだ。

 この弱さの能力者であるぼくが。

 勝てるわけない。

「死んでもらおうじゃない」

 ジナが極小ブラックホールを一個、ぼくに向かって飛ばした。当たれば死ぬ。しかし、極小ブラックホールの動きは遅い。かわして、突撃する。

「なあに、思ったよりやるじゃない?」

 ジナが二個目の極小ブラックホールを飛ばしてくる。かわせない。被弾。極小ブラックホールがぼくの体にぶち当たった。

 これは死ぬのか?

 痛くはない。

 というか、ブラックホールが当たったにも関わらず、ぼくの体は傷ついていない。

「何? あなた、人間なの?」

 ぼくは、ジナの周囲に浮かぶブラックホールをかわして、ジナの顔を殴った。その渾身の一撃は、ジナの戦闘継続能力に致命的打撃を与えた。

 女の子を殴ってしまったけど、殺されかけたんだから仕方ないよね。

「う、うぐう。まさか、このあたしが手も足も出ないなんて」

 ジナは敗北を悟り、謝って帰っていった。

 ぼくは、ブラックホールの使い手に勝ったのか?

 なんとなく、わかってきた。ぼくの弱さの能力は、自分が弱くなる能力ではなく、自分の周囲を弱くする能力なのだ。


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