10
日本は内戦しているし、ぼくは世界中のお金と女を手に入れて、すべての星が回転を止めてしまったけど、相変わらず、ぼくは生きている。何一つ解決しそうにない。
ぼくが手に入れた弱さの能力というものは、とても強くて、誰も敵わない。ぼくは世界最強の男になるくらい弱さを手に入れた。
というのはもちろん、勘ちがいで、また、新たに敵が現れた。
「わたしはポーチ。相手の能力を増幅して使役することのできる能力者」
「ぼくは宇宙より強いぞ」
「望むところだよ」
ポーチは、ぼくの懐に入って、拳を突き出してきた。遅い。脆弱な女の筋肉の攻撃だ。かわすまでもない。
と、思ったのも束の間。ポーチの一撃は、ぼくの弱さの能力を増幅したから、ぼくがポーチをぼくより弱くさせているより、強い力で、ポーチがぼくをポーチより弱くしたから、ただの女の子のパンチに対して、ぼくは信じられないほどの弱い立場に立たされてしまった。
完全にぼくの油断だった。
「どかーん」
とポーチが叫ぶのに合わせて、貧弱なポーチのパンチによって、ぼくは全身を耐えられないほどの一撃を食らわされた。
痛てええ。
ぼくはあまりの衝撃で意識を失った。完全な敗北だった。
こうして、ぼくの弱さの能力の連戦連勝は終わった。
日本の内戦は終わらないし、ぼくは世界中のお金と女を手に入れたけど、すべての星の回転は止まってしまい、ぼくの意識はしばらく戻らなかった。




