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22 友人関係は大切に?

 柊温泉郷の一角。

 旅館・天木屋

 たどり着いた宿は、いかにも老舗旅館という趣だった。

 いや、だって、ものすごく重厚な造りなんだもん。

 飛び石に玉砂利とか見えるし。

 庭園に鹿威しししおどしでもあるんじゃなかろうか?

 気後れするよ? マジで。

「さ、行きましょ?」

 愛は事も無げに言うと、先に立って歩き出す。

「聞いてたか?」

 和人は隣を歩く恵美に、そっと耳打ちする。

「全然? びっくり」

 予算的に、大丈夫なのか……これ。

 颯爽と歩く愛に続いて、エントランスに入る。


「いらっしゃいませ。天木屋に、ようこそお越し下さいました」

 物腰柔らかな女将さんが出迎えてくれた。

 その女将さんに対する愛の言葉に、全員が驚いた。

「慶子おばさん、お久しぶりです」

「……え?」

 おばさん?

 えええええぇぇえぇ?

「愛ちゃん、久しぶりね? お友達の皆様も、お疲れ様でした」

「言ってなかったよね? ここ、私の親戚なの」

 な、なんだってぇ?!

 本当に驚くと、ありがちなリアクションになっちゃうんだね……。

 しっかし、これが親戚?

 受付は質実剛健て感じだけど、ロビーは広いし。

 確実に年季の入った建物だし。

 姫には、逆らわないでおこうかな。

 そして、姫を捕まえた司、ぐっじょぶ。

 てか、司、お前まで驚いてんのかい!

 姫のドヤ顔は、これか……。



「ごゆっくり、どうぞ」

 案内された部屋に、また口が開きっぱなしですよ。

 え、何畳あんの?

 数えてみる? 一・二……。

 十六畳ですよ? 奥さん!

 うーん。まいったね。

「大丈夫なのか? これ?」

 荷物を置き、こちらの部屋へやってきた女性陣の中の愛に、思わず聞いてしまう。

「あはは。やっぱりそう思う?」

「そりゃ、なぁ?」

 和人の言葉に、男性陣が同意の声を上げる。

「さっきも向こうでも言ったんだけど、今はオフシーズンだからね。嬉しいのよ。いちおう老舗に当たると思うけど、この不景気で、楽じゃないのよ?」

 まぁ、分かる気はしなくもないが。

「それに、私が彼氏連れてく、って言ったら、おばさん張り切っちゃってね?」

 ははぁー、なるほどね。

「司、プレッシャーか?」

 和人は隣の司の背中を叩く。

「ま、たまたまこの辺の部屋が空いてたからね。せっかくだからって、使わせてくれたのよ」

 それはありがたい話です。

 ん?

「んじゃ、もっと凄い部屋もあるの?」

「うん。あるよ。そこはいつも予約が入ってるけど」

 いわく、ほぼ別棟で、離れみたいなもんだと。

 値段なんか聞けませんよ? 恐れ多くて……。

「ご心配の料金も、格安でオッケーもらってるから。感謝しなさい?」

 いや、もう、感謝しまくりですよ。

 逆に、申し訳なく思っちゃうくらい。

「お礼なら、また泊まりに来てくれ、って言われるよ? 顧客の囲い込みみたいなものよ?」

 ぶっちゃけちゃってるなぁ。

 それでも、素直に感謝します。

 ほんと、恵まれてるね。



 さっと、館内案内で、天木屋の作りに目を通す。

 部屋数、十七。

 男女別に大浴場と露天風呂が一つずつ。

 そして、階の端の方には足湯まである。

 これは、後で入るしかないな。

 ちなみに、離れには個別に露天風呂まであるそうです。

 格が違いすぎて、想像も出来ませんわ。

「ウッチー、行くってよ?」

「オッケー、今行く」

 和人は案内図をテーブルの上に投げると、友人の後を追った。

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