突然の別れ
岸和田 肇の新作になります。まだまだ読みにくい点があるとは思いますがよろしくお願いします。
外は予報外れの雨だった。傘は持ってきていない。
オレの名前は藤 俊介。岸和田学園中等部の3年生。
「どうしたの?俊介。」
オレに一人の女の子が声をかけてきた。
彼女の名前は松本 有夏。
幼稚園の時からの幼馴染みでいわゆるくされ縁というやつだ。
「いや、傘を忘れたんだ。天気予報では雨は降らないって言ってたし。」
「じゃあ入れてあげるから一緒に帰ろうよ。」「うん。ごめんな。」
そしてオレ達は学校を出た。いつもこんな感じで帰ることが多かった。
それが元でクラスメートから冷やかしを受ける事もあったが二人の関係が変わることは無かった。
学校を出てちょっと歩いた道幅が広めの道路で有夏が足を止めた。
「あっ。猫が道を横切ろうとしてる。ゴメン俊介、ちょっと傘持ってて。」
と有夏は猫の方に歩いていった。
オレも見てみると白い猫が道端でオロオロしているようだった。
そこに有夏が傘もささずに向かっていった。
しかし、それにびっくりしたのか、猫は車道に飛び出した。
「あっ!危ない。」
それを追って有夏も飛び出した。
「有夏っ!危ない!!」「えっ?」
有夏の目の前にはトラックが迫っていた。
「有夏〜!!」