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第13遭遇

 出来ればもう出番なんてなくていいんですが。




 とは言わせてくれませんよね。


 ベランダから部屋を覗く顔は爛爛としていてそのまま帰ってくれそうな感じではありません。


「えと、あの」


「ほら、もう親父さん部屋に戻ってこうへんやろ? 開けて、開けて」



 嫌です。



 って言えば聞いてもらえるんでしょうか?


「あ、拒否権はあらへんから」


 ないらしいです(涙)


 仕方なく窓に近寄りガラリとガラス戸を開けると、トコトコトコとその鳥もどきは入ってきました。


「ようやっと入れた。まあ体調悪いからしゃあないけど、メシ食うの遅いで」


「す、すいません」


「まあ、体調悪したんはこっちのせいやろうから文句言えた筋合いないやろうけどな」


 ・・・・・・こっちのせい??


 ベッドの中に戻って鳥もどきが話している言葉を聞いていると、気になる言葉がありました。


「こっちのせいって?」


 疑問に首を傾げながら聞けば、まあ 待て、と言わんばかりに白い翼を広げて私の言葉を遮りました。


「とりあえず自己紹介させてな。オレの名はアル・ハクシエル。コウジャっていうまあここでいう鳥の仲間になるんやけど」


「コウ、ジャ?」


「ん~まあここにはおれへん鳥になるから詳しい説明は置いといて」


「ここにはいない?」


 でも、こんなに流暢にしゃべる鳥、なんてテレビででも見たことがない。


 それを本人(本鳥??)からここにいないって言われると、どう反応をすればいいんでしょうか?


 茫然とする私を余所にその鳥もどきは話を続けます。


「年齢とか、体のサイズは秘密やな♪」


 パチリとウインクを(これまた器用に)してるんですが・・・・・・


「こら、ここは笑うとこやろ!!」


 バシリっと、大きな翼で突っ込まれました。


 やっぱり笑うところだったんですか!


 口調から察するに笑いに貪欲な可能性を感じていたんですが、やっぱりそうなんですか!



 『警戒心』って言葉よりも『好奇心』っていう言葉がムクムクと大きくなってきています。


 だって、こんなに大きくて、丸くて、真っ白な、しゃべる鳥ですよ!!


 っていうか、鳥もどきではなく鳥なんですよ!!


 しかもしゃべる言葉が某地域の言葉で、笑いに貪欲(予定)なんですよ!!!


 どこをどう見てもファスナーとかはないし、大きさ的に人が入れる大きさでもないし。


 そっと手を伸ばして頭に触れてみれば(嫌がられませんでした)柔らかい羽毛から暖かな体温を感じることも出来ます。


 本当に、本当に、こういう生き物なんですよ!!


 どうしよう、可愛いかもしれません!!


 大きさはちょっと大きいですが、それでも私、ほわほわしたモノが大好きなんです!



 頭を触ったことを嫌がられなかったことに調子に乗った私は、


「もうちょっとこちらに来てもらえますか?」


「??なんや?」


 ベッドの上を軽く叩くとアルちゃん(と呼ばせていただきます!!)は短い首を傾げながらもベッドの上に乗ってくれました。


 ベッドの上に乗ると座っている私と目線が同じか、アルちゃんのほうが高いぐらいです。


 そのアルちゃんに両腕を伸ばして



 ぎゅううううぅぅ



 渾身の力を込めて抱きつけば、柔らかな羽毛の感触と、太陽の匂い。


 真っ白なアルちゃんが太陽の下で日向ぼっこをしている姿を想像すると、もう可愛くてたまりません!!



 むぎゃ!! とか、なにすんねん!! とか声は聞こえてくるんですが。



 ごめんなさい、もうしばらくこうさせてください。

主人公、暴走中です。

でもアルちゃん、作者の中でも可愛いんですvv


ここまで読んでいただいて、感謝多謝vv

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