第12遭遇
先ほど鳥らしき物体と言葉を交わしていましたが、今は私はベッドの上で食後のモモ缶を食べています。
というのもその鳥もどき(でいいでしょうか?)の傍に近寄るかどうかを悩んでいる間にお父さんが食事を持って戻ってきてしまいました。
階段を上がってくる音に慌ててカーテンを閉めてベッドに入りました。
入った途端にお父さんが部屋に現われ一緒に食事をし、只今至福のモモ缶タイムなわけです。
冷えたモモ缶がまだ熱のある体を優しく冷やしてくれます~。
たかがモモ缶、されどモモ缶です!!
生の桃とは違う食感がまた良いのです!
「彩音さんは本当にモモ缶が好きですね」
食事を終えたお父さんはそのまま私が食べ終わるのを待っていてくれています。
ほわほわとした優しい空気の中での食事は幸せです。
お母さんがいる時の賑やかな空気での食事はもっと幸せなんですが、少々パニクリ気味の今日の私にはこのぐらいの空気がちょうど良い感じです。
お父さんに言葉に、にへ~~っと笑って返します。
そして最後の一口をパクリと食べ、手を合わして
「ごちそうさまでした」
「お粗末さま」
ちなみにお父さんのご飯はとても美味しいです!
そして食べ終わった後の食器を片づけると、お父さんは再び私の額に触れました。
「起きた時よりは下がっているみたいですね。今日は片づけは私がやりますから、もうひと寝入りしてください」
普段はお父さんが食事を作ってくれるので、私が洗いものをしています。
「すいません」
「また元気になったら洗ってくださいね」
申し訳なく頭を下げればお父さんはその私の下げた頭を優しく撫でてくれました。
そして
「さ、寝て、寝て」
私を再びベッドに寝かしつけ、お父さんは部屋の電気を消して出て行きました。
少し淋しく感じてしまうのば熱のせいでしょうか?
ほんの少しだけ、心細いから?
それとも
「ようやっと俺の出番か~」
再び聞こえてきた声のせいでしょうか???
ここまで読んでくださって、感謝多謝vv