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ラップ付き小説 ReversCrown 元気ないやつこっちおいで  作者: egubi
俺たちがリバースクラウンだ

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10/60

1-4-1 DM、来てるぞ/セットリスト会議

この話にはイメージソングがあります。

聴く場合はこちら:

コピペしてブラウザに貼り付けて、、、かっこいいからさ、、、


さきにこの話の曲、本当はまだ披露予定じゃなかったのに、、、

ORIGIN

https://youtu.be/v7r3_l4mYQM?si=l1vPLtDcNWjW9O6H


nofake

https://youtu.be/oV7c-3TJMgM?si=WDW85lU6iqQsmqZy


決めろ!はコチラ

https://youtu.be/P_2d3hcx3Uw?si=hvvTW3RMB2adTtwN



場が動く時は、たいてい静かに始まる。


派手な通知音が鳴るわけでもない。

誰かがドアを蹴破って入ってくるわけでもない。

空が割れて、スポットライトが落ちてくるわけでもない。


ただ、スマホの画面に、小さな赤い丸がつく。


それだけで、次の景色が始まることがある。


wataは、その夜、ソファに沈み込んだままスマホを見ていた。


配信後のコメント。

ORIGIN未完成版の切り抜き。

NO FAKEの考察スレ。

決めろ!の「風呂場の天才、現場へ」いじり。

ORDERの「オーダー入りまーす」派生ネタ。

リバ点呼のスクショ。


リバクラの名前は、まだ大きく広がっているわけではない。


でも、前より確実に増えていた。


誰かが切り抜く。

誰かが感想を書く。

誰かが「ここ好き」と言う。

誰かが「これ、自分のことだった」と言う。


小さい波が、ひとつずつ重なっている。


wataは、その波を見ながら、少しだけニヤついていた。


「……風呂桶、まだ言われてるやん」


画面には、コメントが流れている。


風呂場の天才、現場へ

グッズ化まだ?

公式風呂桶待ってます

NO FAKE胃カメラも欲しい

リバクラ、物販の方向おかしい


「方向おかしいのはお前らやろ」


wataはひとりで突っ込んだ。


その時、通知欄にひとつ、見慣れないDMが入った。


アカウント名は、地元の小規模イベントの名前だった。


wataは最初、流しかけた。


よくある宣伝かもしれない。

出演者募集と言いながら、実質チケットノルマが重いだけの話かもしれない。

音楽系アカウントには、そういうDMも来る。


けれど、文面の最初で手が止まった。


Reverse Crown 様

突然のご連絡失礼いたします。

先日のストリートパフォーマンス動画と、配信切り抜きを拝見しました。


「……ん?」


wataは姿勢を起こした。


今週末に開催予定の小規模音楽イベントで、急遽一枠空きが出ました。

若手アーティスト中心の対バン形式です。

持ち時間は転換込みで二十分前後。

もしご都合が合えば、出演をご検討いただけないでしょうか。


wataは、そこまで読んで、スマホを持ったまま固まった。


それから、すぐに三人のグループチャットを開いた。


送ったメッセージは短かった。


wata:DM、来てるぞ


すぐに既読がついた。


mcRC:何の?


EGUI:飯?


wataは吹き出した。


wata:飯じゃない

wata:出演依頼っぽい


数秒、返信が止まった。


その沈黙だけで、二人が画面の前で姿勢を変えたのが分かった。


mcRC:詳細送って


wataはDMをスクショして送った。


また少し沈黙。


それから、mcRCから返信が来た。


mcRC:一回集まろう


EGUIからは一言。


EGUI:行くか


wataは画面を見て笑った。


「結論早」


でも、笑いながらも、胸の奥が少し熱くなっていた。


外から呼ばれた。


配信でもない。

自分たちで許可を取ったストリートでもない。

こちらが作った場でもない。


外のイベントから、声がかかった。


それは小さいことかもしれない。


でも、リバクラにとっては、明らかに次の一歩だった。



翌日の夜。


三人は、いつもの配信部屋ではなく、貸し会議室のような小さな部屋にいた。


長机。

パイプ椅子。

白い壁。

ホワイトボード。

時計。

少し古い蛍光灯。


配信部屋の黒い布も、小さなライトもない。


だから、余計に現実味があった。


wataが椅子に座りながら言った。


「なんか、ほんまの会議みたいやな」


mcRCはノートパソコンを開いた。


「今日は会議や」


「音楽グループの会議って、もっとかっこいい場所でやるもんちゃうん?」


EGUIがペットボトルの水を置いた。


「会議にかっこよさ要るか?」


「夢がない」


「夢は曲で出せ」


wataは肩をすくめた。


「正論鈍器」


mcRCは苦笑しながら、DMの文面を画面に出した。


「まず条件確認する」


wataが椅子の背もたれに体を預けた。


「出た、現場監督」


EGUIが頷いた。


「必要」


「そっちは認めるんかい」


mcRCは気にせず、読み上げた。


「日時は今週末。会場は駅から少し離れたライブイベントスペース。キャパは百人前後。若手中心の対バン。リバクラは中盤の予定。持ち時間は転換込み二十分」


wataがすぐ反応した。


「転換込み二十分ってことは、実質?」


「十五分前後やな」


mcRCが答える。


「三曲が限界」


EGUIが言う。


「四曲はきつい」


「うん。無理に詰めると全部薄くなる」


wataは腕を組んだ。


「三曲か」


その時点で、三人とも少し黙った。


今のリバクラには、見せたい曲が増えていた。


ORDER。

NO FAKE。

ATTACK。

決めろ!

ORIGIN未完成版。

そして、まだ配信では正式に出していない新曲。


RUN IT。


小さいはずの持ち時間が、急に狭く見える。


mcRCはホワイトボードに曲名を書き始めた。


ORDER

NO FAKE

ATTACK

決めろ!

ORIGIN

RUN IT


wataがそれを見て言った。


「こう並べると、ちょっと増えたな」


EGUIが短く言う。


「増えた」


mcRCはマーカーを持ったまま頷いた。


「でも全部は無理」


「三曲」


wataが言う。


「三曲で、知らん客を持っていかなあかん」


その言葉で、部屋の空気が少し締まった。


知らん客。


今回の一番大きな違いはそこだった。


ストリートでは、リバクルーが来てくれた。


もちろん通りすがりもいた。

初見もいた。

でも、自分たちが告知し、自分たちの空気を作り、自分たちを見に来た人が前にいた。


今回のイベントは違う。


他の出演者がいる。

他のファンがいる。

リバクラを知らない人がいる。

興味がない人もいる。

腕を組んで見る人もいるかもしれない。

スマホを触ったまま、顔も上げない人もいるかもしれない。


そこで、三曲。


何を出すかで、リバクラの見え方が決まる。


wataが言った。


「ATTACK入れたい」


mcRCは予想していたように頷いた。


「分かる」


「外の客やろ? まずぶち上げやろ。ATTACKはライブで強い。分かりやすいし、声出るし、最後に持っていける」


EGUIも言う。


「ATTACKは強い」


wataは少し得意げに頷いた。


「やろ」


「でも」


mcRCが言うと、wataは顔をしかめた。


「出た」


「今回は、RUN ITを入れたい」


部屋が少し静かになる。


wataは椅子に座り直した。


「RUN IT、出すん?」


「出したい」


EGUIがmcRCを見る。


「まだ配信で出してない」


「うん」


mcRCは頷いた。


「だからこそ、外の場で最初に出す意味があると思ってる」


wataは腕を組んだ。


「攻めるな」


「攻めたい」


mcRCはホワイトボードのRUN ITに丸をつけた。


「この曲は、今のリバクラに合ってる」


「ORDERで欲しいものを聞いて」


「決めろ!で準備して出せって言って」


「じゃあ、次は走れやろ」


EGUIが短く言う。


「RUN IT」


mcRCは頷く。


「そう」


wataは少し黙った。


「ATTACKと役割かぶるか」


「少しかぶる」


mcRCは正直に言った。


「どっちも上げる曲やけど、意味が違う」


「ATTACKは内側の熱を外に撃つ曲」


「RUN ITは、準備した足を実際に動かす曲」


「今回は、初見に向けて“リバクラって前に出させるグループなんや”って見せたい」


wataは唇を少し噛んだ。


ATTACKを外すのは、悔しそうだった。


それは分かる。


ATTACKは強い。

ライブで映える。

wataの煽りも効く。

EGUIの一言も火になる。

mcRCも場の熱を一気に回せる。


でも今回は、RUN ITを立てたい。


EGUIが言った。


「ATTACKは次でいい」


wataがそちらを見る。


「次?」


「使える場が来る」


その一言で、wataは少しだけ笑った。


「それ、未来ある言い方やな」


EGUIは普通に返した。


「あるやろ」


mcRCも頷いた。


「あるようにする」


wataは少し考え、それからATTACKの横に小さく「次」と書いた。


「よし。ATTACKは未消化の武器として残す」


mcRCは笑った。


「未消化って言い方」


「でもいいやろ。隠し玉感ある」


EGUIが言う。


「隠れてないけどな」


「まあ、曲はあるからな」


wataはマーカーを置いた。


「じゃあRUN ITは入れるとして、あと二曲」


mcRCはすぐORDERに丸をつけた。


「ORDERは入れる」


wataもEGUIも、そこには反対しなかった。


ORDERは入口だ。


初見には、まずドアがいる。


リバクラが何をするグループなのか。

何を聞くのか。

どういう場所を作るのか。


それを、短い時間で見せるならORDERが一番強い。


wataが言う。


「ORDERで開ける」


EGUIも言う。


「最初」


mcRCは頷いた。


「そう。最初はORDER」


ホワイトボードには、ORDERとRUN ITに丸がついた。


残り一曲。


NO FAKE。

ATTACK。

決めろ!。

ORIGIN。


ATTACKは外した。

ORIGINはまだ未完成だ。

となると、NO FAKEか決めろ!。


wataはNO FAKEの文字を見た。


「NO FAKE、どうする?」


その言葉で、部屋の温度が少し変わった。


NO FAKEは大事な曲だ。


配信でも深く刺さった。

考察も広がった。

リバクラ自身の話にもつながった。

間違いなく、今のリバクラを代表する曲のひとつになりつつある。


でも。


mcRCは、少しだけ首を横に振った。


「今回は、やめとく」


wataは、驚かなかった。


EGUIも、何も言わなかった。


二人とも、薄々そうなると思っていたのかもしれない。


mcRCは続けた。


「NO FAKEは大事」


「めちゃくちゃ大事」


「でも今回は、初見が多い」


「対バンで、俺らを知らん人がいる」


「そこでいきなり心の奥を掘りにいくより、今回は“リバクラって楽しい”“前に出たくなる”“動きたくなる”って価値を出したい」


wataが少し笑った。


「つまり今回は胃カメラじゃなくてスポドリで行くってこと?」


EGUIが即座に言う。


「例えが雑」


mcRCは笑った。


「でも、まあまあ近い」


「近いんかい」


wataが笑う。


mcRCはNO FAKEの文字を見た。


「NO FAKEは、必要な時に深く刺せる曲」


「でも今回は、新しい客に向けた提案をしたい」


「重いところまで見に来る人を、まず入口に連れてくる」


「そのためには、いきなりNO FAKEじゃない方がいい」


EGUIが頷いた。


「疲れるしな」


wataが笑いそうになる。


でも、EGUIは真面目だった。


「NO FAKEは疲れる」


「いい意味でも、疲れる」


「知らん客に最初から出すには、場を見た方がいい」


mcRCは頷いた。


「そう」


wataも、少し考えてから頷いた。


「分かった。NO FAKEは今回外す」


ホワイトボードのNO FAKEの横に、小さく「今回は外す」と書かれる。


残るは、決めろ!。


wataが言った。


「決めろ!は、ありやな」


EGUIが頷く。


「分かりやすい」


mcRCも頷いた。


「NO FAKEほど重くない。でもリバクラの芯は見える」


「当てられる怖さ」


「準備してない自分が見える痛さ」


「でも、仕込んできたなら決めろ」


「初見にも伝わりやすい」


wataが言う。


「しかもRUN ITにつながる」


「準備しろ」


「決めろ」


「走れ」


EGUIが短く言った。


「流れがある」


mcRCは、ホワイトボードの決めろ!に丸をつけた。


これで三曲。


ORDER。

決めろ!。

RUN IT。


wataは、ホワイトボードを眺めながら、ゆっくり言った。


「これは、分かりやすいな」


EGUIも頷く。


「いい」


mcRCは、少しだけ息を吐いた。


セトリが決まると、ようやく景色が見え始める。


入口。

準備。

走る。


初めて見る人にとっても、三曲でひとつの流れになる。


ORDERで「何が欲しい?」と聞く。

決めろ!で「準備して出せ」と言う。

RUN ITで「なら走れ」と背中を押す。


これは、新しい顧客に対するリバクラの価値提案だった。


wataが突然言った。


「顧客って言うと急にビジネス臭いな」


mcRCが顔を上げる。


「俺、声に出してた?」


「出してた」


EGUIが言う。


「価値提案って言ってた」


mcRCは少し恥ずかしそうにした。


「出てたか」


wataが笑う。


「出てた。めちゃくちゃ会議やった」


mcRCは苦笑した。


「でも、そういうことやろ」


「知らない人に何を持って帰ってもらうか」


「今回、俺らが提案する価値は何か」


「そこを決めないと、曲を並べただけになる」


EGUIが頷く。


「曲順はメッセージやからな」


wataが少し驚いたようにEGUIを見る。


「今のいいな」


「別に」


「曲順はメッセージ」


mcRCはすぐメモした。


EGUIはそれを見て嫌そうにする。


「書くな」


「書く」


wataもスマホに打つ。


「これは書く」


EGUIは諦めたように水を飲んだ。


曲順はメッセージ。


本当にそうだった。


同じ三曲でも、順番が違えば意味が変わる。


RUN ITから始めれば、ただ勢いのグループに見えるかもしれない。

決めろ!から始めれば、少し説教っぽくなるかもしれない。

ORDERで開けてから決めろ!、そしてRUN IT。


この順番だから、押しつけではなく、流れになる。


mcRCはホワイトボードに大きく書いた。


ORDER

決めろ!

RUN IT


その横に、小さく書き足す。


入口

準備

走る


wataがそれを見て、少しだけ笑った。


「綺麗すぎて怖いな」


「怖い?」


「いや、当たれば強いけど、外した時に言い訳できん」


EGUIが言う。


「外したら次直せ」


wataが笑った。


「PDCAやん」


mcRCが頷く。


「そうやな」


wataが画面を見るような仕草をして言った。


「リバクラ、現場監督とPDCAと飯botでできております」


EGUIが即座に返す。


「俺を飯botにするな」


「じゃあ杭打ち職人?」


「もっと嫌や」


mcRCは笑った。


でも、笑いながらも、心の奥では緊張していた。


セトリは決まった。


でも、これはただの曲順ではない。


リバクラが初めて外の場へ出るための作戦だ。


今までは、自分たちの空気に来てもらっていた。


これからは、他人の空気の中に入っていく。


その時、ORDERは通用するのか。

決めろ!は刺さるのか。

RUN ITで本当に走らせられるのか。


分からない。


でも、やるしかない。


wataがDMの画面を見ながら言った。


「返信どうする?」


mcRCは少し考えた。


「出る方向で返す」


EGUIは即答する。


「出る」


wataが笑う。


「結局最初からEGUIの結論やったな」


「条件見たやろ」


「見た結果、出る」


「そう」


mcRCはパソコンを開き、返信文を書き始めた。


ご連絡ありがとうございます。

Reverse Crownです。

ストリート動画、配信をご覧いただきありがとうございます。

ご提示いただいた条件を確認し、ぜひ出演させていただきたく思います。

持ち時間、入り時間、音源提出方法、撮影可否など、詳細を確認させてください。


wataが横から覗く。


「真面目」


「こういうのは真面目でいい」


EGUIが言う。


「ちゃんとしろ」


wataが肩をすくめる。


「ちゃんとしてるラッパーです」


「自分で言うな」


mcRCは少し笑って、送信ボタンを押した。


送信。


画面に表示された一語が、妙に重く見えた。


これで、決まる。


外の場へ行く。


リバクラが、自分たちの部屋から、ストリートから、さらに外へ出る。


wataがホワイトボードを見ながら言った。


「RUN IT、ほんまに仕上げなあかんな」


mcRCが頷く。


「うん」


EGUIも言う。


「甘いところ直す」


wataが苦笑した。


「EGUIの甘い判定、怖いんよな」


「甘いものは甘い」


「チョコプロテインバーみたいに?」


EGUIは一瞬だけ黙った。


「それは甘い」


mcRCが笑った。


部屋の空気が少し緩む。


でも、すぐにmcRCはメモを取り始めた。


RUN ITの構成。

煽りの場所。

初見にも分かるHook。

決めろ!からのつなぎ。

ORDER後のMCを短くする。

曲間を詰める。

マイクの持ち替え。

音源確認。

本番の立ち位置。


wataがそれを見て言った。


「現場監督、また始まった」


EGUIが言う。


「必要」


wataは、少し笑ってから、自分もスマホにメモを開いた。


「じゃあ俺、RUN ITの煽り考えるわ」


mcRCが頷く。


「頼む」


EGUIも言う。


「短く」


「分かってる」


「長いとだれる」


「分かってるって」


EGUIは少しだけ間を置いて言った。


「でも、wataが煽ると動く」


wataの指が止まった。


「……急に褒めるな」


「事実」


mcRCは、そのやり取りを見て少し笑った。


1-3で話したことは、ちゃんと残っている。


互いの武器を認めること。

足りないところに相手の音が入ること。

一人じゃ曲にならないこと。


それを語っただけで終わらせない。


次は外の場で、それを試す。


wataの煽りが動くか。

mcRCの場作りが通用するか。

EGUIの一言が刺さるか。


全部が、試される。


会議室の時計は、もうかなり遅い時間を指していた。


wataが伸びをする。


「今日はここまで?」


mcRCはノートを確認する。


「最低限は決まった」


EGUIが言う。


「曲直す」


「明日からな」


wataが言う。


EGUIはすぐ返す。


「今日からやろ」


「鬼」


「今週末やぞ」


wataは天井を見た。


「はい。やります」


mcRCはパソコンを閉じた。


「じゃあ、最後に確認」


ホワイトボードを見る。


一、出演する。

二、セトリはORDER、決めろ!、RUN IT。

三、NO FAKEは今回は外す。

四、ATTACKは次以降の武器として残す。

五、ORIGINはまだ未完成なので正式には出さない。

六、外部イベントでは、場を奪いすぎず、でも爪痕を残す。


wataが最後の行を見て言った。


「難しくない?」


mcRCは正直に頷いた。


「難しい」


EGUIが言う。


「でもやる」


wataは笑った。


「ほんま結局それやな」


mcRCも笑った。


でも、その言葉は今の三人に合っていた。


難しい。

でもやる。


考えた。

準備する。

なら走る。


RUN ITは、もう曲のタイトルだけではなく、次の行動そのものになっていた。


会議室を出る時、mcRCはホワイトボードの文字を消した。


ORDER。

決めろ!。

RUN IT。


黒いマーカーの跡が、少しだけ残る。


完全には消えない薄い跡。


それを見て、mcRCは少しだけ思った。


場が動く時は、静かに始まる。


スマホの通知。

小さなDM。

会議室のホワイトボード。

三曲の選択。


誰かが見れば、地味な準備にしか見えない。


でも、リバクラにとっては違う。


これは、外へ出るための最初の設計だった。


wataが先に廊下へ出て、振り向いた。


「行くぞ、現場監督」


mcRCは笑った。


「その呼び方、定着させるな」


EGUIが後ろから言う。


「現場やからな」


「お前まで言うな」


三人は会議室を出た。


廊下の灯りは白く、少し冷たい。


でも、胸の中は熱かった。


ホームじゃない夜が、近づいている。


そこで自分たちが通用するかは、まだ分からない。


でも、セトリは決まった。


入口を開ける。


準備を刺す。


走らせる。


ORDER。

決めろ!。

RUN IT。


Reverse Crownは、次の場所へ向かっていた。

この話にはイメージソングがあります。

聴く場合はこちら:

コピペしてブラウザに貼り付けて、、、かっこいいからさ、、、


さきにこの話の曲、本当はまだ披露予定じゃなかったのに、、、

ORIGIN

https://youtu.be/v7r3_l4mYQM?si=l1vPLtDcNWjW9O6H


nofake

https://youtu.be/oV7c-3TJMgM?si=WDW85lU6iqQsmqZy


決めろ!はコチラ

https://youtu.be/P_2d3hcx3Uw?si=hvvTW3RMB2adTtwN

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